表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
聖女の成り下がり  作者: 森宮寺ゆう
第一章 『希代の革命者』
46/55

第25話 出撃

「はぁ、昨日はゴドとかと戦って大変だったのに、今度は任務っていうのかい?」

 日が空高くまで昇った頃、キングリーパー本拠地内で一人の女がぼやきながらある場所へと向かっていた。

「ルッテル、入らせてもらうよ」

 女性が第一団長室という部屋の扉をノックして中へと入っていく。中にいたルッテルは目の前のパソコンから目を離し入って来た女を見つめる。

「おや、思いのほか早く来たね。クウコ」

 ルッテルはクウコに目を向けて笑いかける。

「それでー、なんの用だい?」

「その前に、一つ訊いて良いかな?君たちは昨日、正確に言えば今日の夜だけどね。それで、とある組織の人間とやりあったらしいな。キラードライブとかいう組織だったらしいね」

「おっと、まだ報告してなかったんだけど…。それで、キラードライブがどうしたってんだい?」

「単刀直入に言おうか。君たちにはキラードライブをぶっ潰してほしいんだ」

 ルッテルの言葉に、クウコは少しの間をおいてから反応を示す。

「なんでだい?アタシも、アンタも、今までキラードライブなんてもの知らなかっただろう。なんでわざわざそんな組織を潰そうだなんて」

「確かにこの辺りじゃ、君を除いてちょっかいかけられたことはない。けど、ゴールド・ラッシャーから協力要請があったんだよ。ホラ、これだよ」

 ルッテルはクウコの脳内にあらゆる写真やデータが流れ込んでくる。流れてきた写真にはクウコが夜に見たキラードライブの者らしき人間とボディに燃え上がるトラックのマークがある車が写っていた。そして、マザー・キュートという名の者から送られてきた協力を要請する旨の文章が長々と書かれていた。

「マザー・キュート…確かゴールド・ラッシャーのトップだったかな。そういえば、ウチと向こうは同盟国だったね」

 クウコの言葉にルッテルはウンウンと頷きながら、パソコンに目を移す。

「そうそう。それで、君の部隊をゴールド・ラッシャー領に送りたいと思ってるんだ」

「そう、いつだい?とっとと人集めるよ」

「今」

「…今?」

 ルッテルに背を向けて部屋を出ようとしていたクウコが思わず振り返って、絞り出すように聞き返す。

「うん。今だよ?もともとこの要請は一ヵ月前くらいに出てたんだよね。向こうもなんか危険そうだから助けて~程度のニュアンスだったから無視してたけど、これ以上放置すれば関係にヒビ入りそうだな、て思ってね。だから早めに行動に移ってね」

「一ヵ月も放置してるなら既に関係最悪だよ。総指揮長に何か言われるだろう?」

「総指揮長に言われて思い出したんだよね」

「忘れてたのかい…」

 クウコはため息をつきながら第一団長室を出ていく。

 ◇◇◇

「~♪」

「ねぇ」

「ふーふん♪」

「ねぇ!」

 アップテンポの音楽が流れる車内で後部座席に座るベティが運転をしているクウコの座席を叩く。

「なんで私さ、目が覚めた瞬間車の中にいるの?」

 車の中にはベティ、クウコ、ビリー、ミース、アティアの五人が乗っている。

「んー?任務さ、任務」

 クウコは振り返って淡々と言う。もちろんベティが欲しかった回答ではなく不満そうな顔をする。

「任務って…なんで私もなの?」

「そりゃあベティはアタシの部隊なんだから、アタシが任務に向かうときは、アンタも任務に向かうんだよ」

「いや、私任務のこと知らないんだけど…」

「寝てたからな。オレらが運んでやったんだぞ」

 助手席で足を組みながらビリーが顔をベティに向けて言う。

「…まぁ、いいわ。とりあえずはそれで、これはどこに向かってるの?」

 まだ納得はしてなかったもののベティは頭の中にある疑問を消化していこうとする。

「ゴールド・ラッシャー領周辺へと向かっているのさ。昨日出会ったゴドと、その仲間たち…キラードライブのことだね。そいつを潰す、ただそれだけさ」

「ふーん。単純でいいね。で、いつになったら着くの?」

「四、五…いや、どうだろう?」

「五時間かぁ。まあまあ長いわね」

 ベティがそうつぶやくように言うと、クウコが慌てて訂正をする。

「あ、違う違う。五日ね。ゴールド・ラッシャーはほぼ真反対の位置にあるからすっごいかかるよ」

 クウコの言葉にベティは目を見開き、勢いよくクウコの肩を掴む。

「う、嘘でしょ!?私そんな退屈な長旅ヤなんだけど…」

「ベティ~、諦めろよ。オレらだって嫌々なんだからさ。ホラ、タバコ吸って落ち着きな」

「いや、私タバコ無理だから」

 ベティはミースから差し出されたタバコを両手で押し返す。ベティの言葉にミースは少し不満そうにする。

「うぇ~。美味いのに」

 そう言ってベティに渡す予定だったタバコを口に咥えた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ