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日本で時差
飲み会の席で私はなんだか気が大きくなってこう豪語しました。
「私、限界を知らないんです」
一緒にいた人が聞きます。
「今までどのくらい飲んだの?」
私は自信満々で即答しました。
「サワー、三、四杯」
みんな絶句していました。
書類作成を五時までにするように言われ、懸命に仕上げましたが、データ送信が出来ずに困っていました。
子会社にいる先輩から電話がかかってきて、
「もう五時過ぎているぞ、まだか」
と言われ、思わず
「あ、そちら五時過ぎてます?」
と言ってしまいました。
「同じ日本で時差があるのか、ボケ!」
と余計怒られ、フロアにいた他の社員に心配されました。
その後、向こうに原因があり、データ送信が出来なかった事が分かり、
何度目かにようやく送信出来た時、思わず
「わあ嬉しい。私、今、生まれたての仔馬が立ったような気持ちです」
と言ってしまい、先輩にも、みんなにも、あきれられました。
くすん。