147/197
時間をワープ
遅刻してきた後輩が真剣な顔で言います。
「私、今朝、凄い経験したんです。時間をワープしちゃったんです」
みんな、なんじゃらほい?って顔です。
後輩は真面目に言い続けます。
「夜中にパッと目が覚めて、時計見たら朝の四時だったんです。まだ暗いし。まだ四時って思って、いったんうつ伏せになって、やっぱり起きようって思ってもう一回顔を上げたら、もう明るくて、時計の針は八時を指していたんです。四時間、ワープしちゃったんです」
私は言いました。
「ただ単に寝てたんでしょ」
後輩だけがまだ言い張っています。
「いいえ、ワープしたんです」
もうちょっとましな言い訳しやがれ!