124/197
人助け
銀行へ行こうと自転車をこいでいました。
紙を手にした女の人が通る人に次々に声を掛け、知らん顔されたり避けられたりしています。
自転車を止め、困った顔のその人に聞きました。
「どうしましたか?」
その人は地図を見せながら
「ここへ行きたいんです」
と言います。
私は答えました。
「そこの角を右へ曲がり、道なりに歩くと左手側にありますよ」
その人は嬉しそうに
「有難うございます」
と言った後、
「みんなどうして私を避けるのでしょうか」
と心から不思議そうに聞いてきます。
私は答えました。
「すみませんって言うと、何かの勧誘と思われて避けられるので、道を教えて下さいって結論から言うと良いですよ」
その人は目から五枚くらいウロコが落ちたような顔をして
「有難うございます、次からそうします」
と言ってくれました。
少しは人助け出来たかな、と思いつつ自転車をこぎ、銀行へ着きました。
やれやれ(´-ω-)