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転生先は蛇さんでした。  作者: 時雨並木
聖王国編
96/261

95話 反逆の刃

王様に呼び出された……世界で6人いる王様の1人……人間で1番偉い人らしい……名前はバージェス・ロンド。12代目の国王様だ。

「国王はこの奥です」

またこの目だ……私が何をしたんだろう……私はただみんなの為に。

綺麗な宝石で飾られた扉がギィィィィっと音を立てながら開いていく。

「ようこそ勇者殿」

細い男の人……ガゼット大森林に攻め込む時も姿を見たけれど他の貴族とは全然違う雰囲気だ。

そんなことを考えながら膝をおり王様の言葉を待つ。

「相変わらず無口な方だ……いや前は違ったか」

前? ……前って一体。

「ガゼット大森林侵略大変大儀であった。しかし魔王を取り逃がすとは……それに関して何か申し開きはあるか?」

「……」

「貴様! バージェス様に向かって!」

王様の隣にいる太った奴が偉そうに叫び散らす。

「よい。ミスは誰にでもあることだ。しかし2回目はダメだよな? 勇者殿」

優しいと思ったけど嫌な威圧……周りの人みたいに嫌な目はしないけどそれとは違う嫌な感じがする。

「さて……今回勇者殿を呼んだのは2回目の魔王討伐についてだ」

王様は太った奴から書類を受け取り中を確認する。

「サーレスが管理していた村が魔王の手に落ちたらしい……抵抗したサーレスは戦死……村の住人は労働力として生かされているが奴隷のような扱いを受けているらしい」

内容なんて……どうでもいい癖に……。

「このような悪逆非道の魔王を生かしていいものか! いいや良くない! 理の王である私は魔王という邪悪を打ち倒しこの世界に真の平和を広げることを宣言する!」

貴族や兵士たちの歓声が聞こえる……。戦うのは君達じゃないでしょ? 戦うのは私なんだよ……痛いのも辛いのも全部。

「勇者殿……共に平和をもたらしましょう」

平和なんて……私はなんで……。

誰か助けて……。



バタン!

ご飯も食べ終わり涼しい風が部屋を揺らす温かな昼時にクイックは慌てた様子で俺の部屋で飛び込んできた。

「ノーチェ! 次の勇者が向かう場所がわかった!」

そう言って手に持っている書類をバン! っと机に置く。

『勇者の次なる目標はフィデース信栄帝国……反逆の刃ノーチェ・ミルキーウェイ』だって」

……。

「え? 何もう1回言って」

「だから次の目標達成は!」

「いやそっちじゃなくて」

「え?」

「反逆の刃って何?」

「ノーチェの2つ名? てきな……」

いや……はっず。

「ち、ちなみにほかの魔王は2つ名とかあるの?」

「え……知らなかったの?」

なんで逆に知ってるの……。

「狂い咲きリーベ・エタンセル、瞬神レリア・デッド、創世の闇エルル・ゼロ、暴れる世界ハクゼツ、破壊の使徒セナ・エンハートがみんなの2つ名さ……ノーチェも魔王なんだからこれくらいは知っておこうよ」

いや……2つ名どころかフルネームすら知らなかったんですけど。

「……気をつけます」

「って今はそんなこと言ってる場合じゃない。この報せが届いたのは今日で勇者が攻め込んで来るのは今から2日後だよ! 今すぐに守りを固くしないと!」

……。

「……そうだね国の防衛レベルは最大にしよう」

「わかった! 俺はフィーに声をかけてプリオル連隊を動かすよ!」

机の書類を急いで回収するクイックの腕を強めに掴む。

「いや……プリオル連隊は動かさなくていいよ」

クイックは一瞬止まり直ぐに口を開いた。

「ふざけてる場合じゃかいからねノーチェ……今まで攻めてきた敵とは違うんだ」

「勇者の狙いはなんだい?」

「? それはノーチェだけど」

そこまで言ったクイックは俺が何を言いたいのか理解したらしい。

「……ノーチェもしそれを本気で思っているなら俺は絶対に反対だよ」

まだ何も言っていないのに……さすがだなクイック。

「それに関しては俺も賛成だ」

扉の前で話を聞いていたのかケルロスも入ってきた。

「……」

「勇者の強さは確かなものだガゼット大森林を壊滅させレリアは逃げることに徹した……」

「でも国を巻き込む訳にはいかない。俺はこの国を守るためにここまで強さを追い求めてきた……それなのに俺の都合で国を危険に晒すのは絶対に……そして誰よりも俺がそれを許せない」

バンッ!

書類がグシャリと折れ曲がり机の本が数冊落ちる。

「悪いけど……ノーチェの頼みでもそれは了承できない」

「……ケルロスは?」

「俺も反対だ……でも」

ケルロスが落ちた本を拾い上げる。

「どうせ聞かないだろ?」

ケルロスの表情は悲しみでも怒りでもなく喜びだった。

「もちろん俺は連れてくだろうな?」

「……ひとりじゃ不安だからね」

「……」

「クイックはどうする?」

クイックは下を向いたまま反応してくれない。

「助けてくれないのか? クイック」

それを聞いたクイックはガバッと顔を上げる。

「それはずるいだろ……ノーチェ」

「俺はわがままなんだって」

「そうだったね……全くわがままな上司を持つと大変だよ」

呆れた様子で書類を整え俺の目を真っ直ぐに見つめるクイック。

「勇者が来るルートはなんとなく想像が着くからそこに布陣する。国の防衛に関しては」

「それはわたしに任せるんだな!」

「フィー? いつの間に」

「ケルロスと一緒に来てたんだ! 入るタイミングが分からなくて待ってたけど」

あのフィーが空気を読むようになった……だと。

「3人とも……私を仲間はずれにして酷いなぁ〜。だがまぁ安心するといい! ノーチェの作ったこの国は大親友であるフィー・サレリアルが必ず守ってみせるから!」

……どうやら成長しているのは俺達だけじゃないらしい。

「わかった。プリオル連隊総指揮官、フィー・サレリアルに命じる。俺達3人が国を留守にしている間フィデース信栄帝国をあらゆる外敵から守りきれ!」

「わかったぞ! 任せろ!」

元気に返答したフィーは小走りで部屋から出ていった。

「これでクイックの不安は減ったかな?」

「……ノーチェと生きて帰るまでは不安で押しつぶされそうだよ」

「安心しろノーチェは強い」

「そんなことわかってるわ! てか何ケルロスはノーチェのことならなんでも知ってます〜みたいな感じなんだよ!」

「まぁクイックよりかは知ってるかもな」

「はっ! ノーチェが辛い時に逃げた癖に!」

「その話はやめろって!」

「知らなーい」

「ちょ! おい!」

……2人の言い争いをこうやって見れる日が来るとは思ってもなかったなぁ。

でもそれは戦いが終わった後にゆっくりと見よう。

「2人とも忙しくなるよ! ケルロスは聖龍部隊をプリオル連隊と合流させて国の防衛に向かわせて! クイックは勇者についての情報を可能な限り集め続けるんだ!」

「「わかった!」」



「勇者……か」

話のわかるやつだといいんだけどなぁ。

……仮に勇者を退けたとしてゼールリアン聖王国が黙っているだろうか。

「理の王についても調べておくか……バール」

「はっ……こちらに」

相変わらず忍者みたいなやつだな。

「クイックの命令が出ておらず動ける者はいるか?」

「はい……何名かおります」

「それでは」

「理の王に……ついて……調べておきます」

「あぁ。よろしく頼む」

六王も六魔王も自分勝手な奴が多いからな……まぁただ魔王であるから攻めてくると言うならそれでもいいんだけどさ。


現在のステータス

ノーチェ・ミルキーウェイ【反逆の刃】

深淵蟒蛇Lv5

所持アイテム星紅刀

《耐性》

痛覚耐性Lv5、物理攻撃耐性Lv9、精神異常無効Lv7、状態異常無効Lv10、魔法攻撃耐性Lv8

《スキル》

支配者、知り尽くす者、諦める者、混沌監獄(ユニオンプリズン)研究部屋(マイワールド)極限漲溢(ルプトゥラ)魔法無効(アンチエリア)

《魔法》

火炎魔法Lv8、水斬魔法Lv9、水流魔法Lv10、氷結魔法Lv10、土石魔法Lv8、土流魔法Lv6、回復魔法Lv10、破壊魔法Lv8、幻影魔法Lv9、闇魔法Lv10、深淵魔法Lv10

《???》

強欲、傲慢

《資格》

管理者-導く者

《称号》

神に出会った者/神を救った者


ケルロス・ミルキーウェイ

赫々白狼Lv4

《耐性》

痛覚無効Lv5、状態異常耐性Lv9、物理攻撃無効Lv3、魔法攻撃無効Lv8

《スキル》

信頼する者、不達領域(リーチキャンセル)完全反転(フルフリップ)

《魔法》

風新魔法Lv10、風斬魔法Lv10、風流魔法Lv8、稲妻魔法Lv8、創造魔法Lv6、光魔法Lv10、神聖魔法Lv8

《???》

嫉妬


クイック・ミルキーウェイ

冥紅土竜Lv4

《耐性》

物理攻撃無効Lv5、精神異常耐性Lv9、魔法攻撃耐性Lv3

《スキル》

吸収Lv5、放出Lv4

《魔法》

火炎魔法Lv10、火斬魔法Lv2、風斬魔法Lv8、土石魔法Lv10、土流魔法Lv10、土斬魔法Lv10、溶岩魔法Lv8

《???》

喰らい尽くす者Lv8

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