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転生先は蛇さんでした。  作者: 時雨並木
革命編
63/261

63話 ルリアの森革命・決着

アクセス回数20000を突破しました〜!

少ないとか思った皆さん。いいんです!

見てくださっている方がいるというだけで嬉しいのだから!

これからも転生先は蛇さんでした。をよろしくお願いします!


「剣の腕……だいぶ上がったな」

「お互い様だろ!」


俺はずっと謝りたかった。ただ申し訳ないと、情けない俺を許してくれと。

なのにお前は! ここで、俺に真正面で勝負してくれている。

得意な弓を使わず……俺に合わせて!


「ガロリア! なんで弓を使わない!」

「グランド……」

「昔の俺とは違うぞ! 俺はお前を殺す気で戦ってる!お前も本気で来い!」


ガロリアが俯く。一体何を考えているのか……そんなことは俺には分からない。いや……わかっちゃいけないんだ。


「ガロリアぁぁぁ!」


ガチャン!


なんで……なんで弓を使わないんだ、どうして!


「俺だって本気で戦ってるよ……弓は使わないんじゃない。使いたくないんだ」

「……ガロリア」

「この剣は俺の誇りだ。この誇りを使ってお前を倒さないといけないんだ。」


……! お前はいつだって……いつだって!


「なんで俺なんだ! どうして俺なんかを助けた!お前が街に残れば六王だって夢じゃなかった!」


めちゃくちゃな剣筋、汚い旋律……。


「俺は昔から! お前に憧れて!」


こんなこと戦いの最中に言っていいことじゃない。


「お前なら!」


俺の剣が弾かれる。


「俺は後悔してない。260年前のことも……今こうやって戦っていることも。……グランド・ジャップマン! 剣を拾え!」


お前は本当に……。


「……ルリアの森! グランド・ジャップマン!」

「黒森人大隊、隊長! ガロリア・トールバン!」


優しいやつだよ。



森の中に1度だけ短剣が当たる音がした。

たった1度だけ……しかしその1度はきっと2人にとってとても大切な1度だったに違いない。



「……ありがとう。そしてさらばだ我が友よ」


ガロリアの足元には……大粒の水が何滴も……何滴も落ちたような痕があった。



「……私の国が騒がしいと思えば……何だこの有様は」


空高くから自分の国を見下しながら呟く男。

六王ジェイ・ティンバルンである。



タッタッタッタッタッタッ


ガチャン!


「長老方……」

「アル!? 貴様生きていたのか!?」

「この戦は誰が引き起こした!」


……何もわかっていない。自分達がどれだけ愚かであったのか、何故こんなことが起こっているのか。



「フィデース信栄帝国じゃな! あやつら、我々の慈悲を仇で返しおって!」

「……ノーチェ様の国を馬鹿にするな!」


アルの声叫び声が部屋に響く。


「あの方は誰よりも平和を愛し! 誰よりも平等を愛し!誰よりも慈悲深い方だ!」

「そうか貴様……あのノーチェ・ミルキーウェイとかいう女に誑かされたのか」

「愚かな……どんな方法で手駒にされたかは知らんがあのような売女にここまで……」


ザシュ!


「ひ、ひぃぃぃ! な! 何をしているのだ! アル!」

「それ以上ノーチェ様を侮辱するな。」

「衛兵! 衛兵はどこだ!」

「衛兵?」


アルの口角が上がる。


「そんなもの殺しましたよ」


長老達はアルの姿をよく見て驚く……。


「血が……お前なんてことを……」

「修羅のごとく……厄災をもたらす者じゃ!」

「黙れ! お前たちが何もしなかったのがこの国だろ! お前達はノーチェ様のお導きに要らない存在なのだ!」


その言葉を最後にアルは全ての長老の首を切った。



パチパチパチパチパチパチ


アル以外もう誰も息をしていないはずの部屋で拍手の音がする。


「いやぁ……アルって言ったかい。君すごいねあの一瞬で4人の首を同時に」

「お前は……」

「あっ私かい? 自然の王ジェイ・ティンバルンさ」


その言葉がアルの耳に入ると同時にジェイの首に剣が振り下ろされた。


「ふむ……確かに素晴らしい速さだ。太刀筋もいい。けどねぇ!」

「グブッ」


ジェイの蹴りがアルの腹部に襲いかかる。



「未熟だ……君の剣は王と言うにはあまりに未熟すぎる。そんなものでは取れない。この椅子を、この国を!」


これが……ジェイ・ティンバルン。六王と呼ばれるだけはある。強い。


「君たちも一生懸命頑張って反乱を起こしたんだろうけど……この私がいれば田舎のエルフなどおそるるに足らん」

「はぁ……はぁ、田舎のエルフ? ……都会のエルフ?そこになんの差が存在する! どちらも同じエルフじゃないか!」

「あぁ! 存在するさ! 才能のあるもの、持たざすもの! この世界の全ては強い者が決める!」

「あああああぁぁぁぁぁぁ!」


そんなもの間違っている! 強いか弱いかなんて問題じゃないんだ!


「そんなもの!」


ジェイの剣は天高くを指して俺に向かって降りていく。


速い! 俺の剣じゃ届かない! 回避を!


「遅い!」


あぁ……俺はここで終わるのか。ノーチェ様、俺はここまで頑張れましたか?


「アル!」


体が浮いてる……。それになんだか知ってる香り。


「ノーチェ様?」

「エレナよ! 悪かったわね!」

「ん? 黒翼族? 何故こんな所に」

「黒翼族だけじゃないわ!」

「ファイヤーアロー!」


エリーナさん。


「その程度!」


炎の矢を打ち落とそうとするジェイしかしそれは上からの斬撃により失敗終わる。


「羽根切り!」


イヴィルさんにエーゼルさんも。


「お前達! 一体どこから! 何者だ!?」

「私たちはフィデース信栄帝国、ノーチェ・ミルキーウェイ様の配下です!」


テレジア……さん。


「なんだその国は!辺境の地の国が偉そうに私は六王! ジェイ・ティンバルンだぞ!」

「皆さん……どうして」

「……困ってる……仲間を助けるの……当たり前」


仲間……。


「外のお掃除完了しました」

「俺も来たぜ」


自動人形とガロリアさんまで。


「ゴミ共が集まった所で何が変わる!」

「あら……さっきまでの余裕はどこに行ったのかしら」

「やだわぁ〜余裕ない男って嫌われるわよ。ねっテレジア!」

「そうですね」


((((煽るなぁ〜……))))


「いいだろう! そんなに死にたければ全員仲良く殺してやる!」



この無礼者共め! 俺は自然の王ジェイ・ティンバルンだぞ!


「デスライトニング!」

「土石流!」

「さすがですねエーゼル」

「この程度なんてことない」


土魔法程度で。


「私の魔法を防ぎきったとでも思ったか!」


稲妻が土を貫通してテレジアに向かう。


バシュン!



「てめぇ如きがテレジアに攻撃すんじゃねよ」


明らかにさっきより速さと力が増してる。これなら守れる!



刀で魔法を撃ち落としただと!?


「余所見……良くない」

「雨!」


槍の連続攻撃……だがそんなもの!」


「あら当たっちゃうわよ」


黒翼の!?


「羽咲!」

エレナの放つ羽はハーピーであった頃よりも固く鋭く進化している。そんなものが雨のように降り注ぐ、並の人間であれば骨すらも残らない凶悪な攻撃だが。


無数の羽……1本1本が鋼鉄並か……しかしこの程度!


「舐めるなぁ!」

「ライトニングアロー!」

「ファイヤーアロー!」


その程度の炎! 打ち消して。



「ウィンドダウンアロー!」


私とガロリアの合体技! そんな簡単には弾かせないわよ!

風と火の合体技はゴォォっと燃え上がり圧倒的な破壊力を生み出す。だがそれは相手が……同格で会った時の場合である。



「私の雷が簡単に撃ち落とせるか!」


私の放ったライトニングアローはエルフの少女の体を貫いた。

少女の体は大きく揺れ力なく倒れんでしまった。



「はははは! エルフの少女なぞこんなものだ!」


エリーナを貫いたジェイは大変上機嫌だ、まだ敵がいるというのに油断をして大笑いを決めている。



「あら……エルフの少女というのはこの子では?」


和服の女の隣に先程矢で貫いたはずの少女が立っている。

何故だ……どうして死んでいない。

戦闘中での迷い……それは死を意味する。

私の体が大きく揺れた。何かと見てみると腹部からは銀色に輝く鋭い物が見えている。


「ジェイ・ティンバルン! お前はここで終わりだぁ!」


アルの声……渾身の一撃、この一撃で全てを決めるとそんな強い覚悟を乗せて手に力を入れる。


「こんなもの!」

「させるかぁ!」



タイミングを見計らっていたのか窓からフィーが突入してジェイの両腕を切断する。


「ふん! ヒーローは遅れてやってくるものだ!」


得意げにブイサインをするフィーだがボロボロになりながら戦ったみんなの目は冷たかった。


「こんな……こんな奴らに!」


ジェイの聞くに絶えない悲鳴が響く。そんな声は一刻も早く……止めた方がいいだろう。


ザシュ!


ジェイの首が地面に転がる。その目は恨みと憎しみを含んだ目であった。

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