表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
転生先は蛇さんでした。  作者: 時雨並木
革命編
62/261

62話 ルリアの森革命・後悔

「それでテレジアさん」

「はい、なんでしょうか?」

「さっきから何してるんですか?」


テレジアは先程から変なポーズを繰り返している。


「いえ、何かビームとか出るかなぁって」


……まさかテレジアさん、戦ったことがない!?


「えっと……魔獣と戦った事とかって?」

「あの時は幻想魔法で魔獣を誘導してましたからね」


ん〜……どうしよう。


「あなた達なにしてんの……」

「とにかくテレジアさんはサポートお願いします」

「わかりました!」


とはいえ……私もサポート向きだからなぁ。


「幻想魔法! 永久瓦解」


……。


「うわぁ! 地面が!」

「あっエリーナさん離れないでくださいね」


わっ……胸大きい。って違う!


「なるほど……幻系魔法の最高位に位置する幻想魔法か」


これが……幻想魔法。


「幻とは名ばかりで現実にも影響を与える魔法」

「まぁあくまで影響を与えるだけ……エルフの中でも魔力が多い私には効かない」


パリンッ!


「なっ! 私の幻想魔法を」

「ファイヤーアロー!」


……全部防がれた!


「そうだった……ダークエルフのお嬢ちゃんもいたんだったわね」

「忘れてんじゃないわよ!」


しかしテレジアさんの幻想魔法が効かないとなるとどうしたものか……。


「テレジアさんここは1回体制を」

「ふん!」


テレジアさん!?


「あんたいきなり何すんのよ!」

「え? あっいえ悪い事をした妹とかを叱るのに叩いてたりしたので」


いや……地面割れてますけど。妹さん生きてますコレ?


「なるほど……こんな感じで戦えばいいんですね」


テレジアは拳の調子を確認してもう一度女エルフに殴り掛かる。


「……そうかあんた鬼かそういうことなら、油断できねぇな」

「……なんかよくわかんないけど本気みたい。テレジアさん行きますよ!」

「はい!」

「私はリエル・ノヴァよ」

「黒森人大隊、副隊長エリーナ・クルジェンタ」

「百鬼大隊、隊長テレジア・ノーバーン」

「自己紹介は程々に行かせてもらう!」


いきなり! けど大丈夫まだ見える!


「甘いわ!」


なっ!? 途中で矢の軌道を変えた!?


「エリーナさん!」



かかった。


「違う! テレジアさん! 狙いは私じゃない!」


もう遅い!


「ぐ! うぅ……あぁ!」


矢が刺さったままこっちに向かってくる!


「あんた一体何してんの!?」


早く回避を!?


「刺したのはあなたです!」


テレジアの拳が私の顔に直撃した。



テレジアさん容赦ない……。


「あんた女の顔面殴る普通!?」


リエルは鼻血をボタボタと流しながら叫ぶ。

まぁ……それは私も思います。


「いえ同じ女ですから」

「はぁ……もういいわ命まで取るつもりはなかったけど」


姿が……変わって。


「お前たちはここで殺す」

「あんたその姿!」

「あら……見た事あるの?」

「お前が人間達を!!」


こいつが私の母を!


「人間? あ〜あなたも私が連れてきた人間達に家族をどうにかされたみたいな口か」

「あんた!」

「ゴミエルフがよく生きてたわね……まあ今ここで」

「今ここであんたを殺す!」

「エリーナさん!!」


私の矢を防いだのと軌道を変えたのは恐らく風魔法によるものだ。

なら!


「ファイヤーアロー!」

「そんな攻撃当たるわけないだろ!」


いくら風魔法でも見えない攻撃は防げないでしょ!


「ウィンドスラッシュ!」

「はっその程度の風魔法私が!」

「反転世界!」


ありがとうテレジアさん! 私の意図を汲み取ってくれて!


「反対!?」

「ファイヤーアロー!」


炎の矢はリエルの腹部を大きく貫いていった。


「ゴフッ……そうかあんたはこれを狙って……ふっけどいいわ! 私はここで死ぬけれどジェイ様が必ずお前たちに」


私はリエルの顔をぐりぐりと力強く踏みつける。


「うっさいわね、それにあんたはこんなもんじゃ死なせないわ」

「テレジアさんお願い」

「はい、分かりました〜」


テレジアさんはそういうとリエルの頭に手を添えて呟いた。


「暗転……復讐の涙」



……ここは?

暗い……何も見えない。何をされた?

!? 腹部に空いていた穴がなくなっている!?


「どこだ! どこにいる!?」


私は歩き出そうとするがその時自分が全く動けないことな気付いた。


「? 足が……ひっ!!」

「お前がぁ……」

「お前が……家族ぉ!」


足には無数のエルフの死体……その全ては私が殺した者たちだった。


「やめ! 離せ! ここはどこだ! 私はなぜこんな所に!」


死体が私の体を掴み下へ下へと引きずっていく。


「やだ! なんなんだここは! 誰か! 誰か居ないのか!?」

「死ねぇ……殺せぇ……」

「はっ……はっ……はっ」

「呪われろ」

「いやぁぁぁぁぁぁ!」



「あっ……あっ……あぁ」


テレジアと私の前には先程の姿からは想像できないほど無様なリエルがいた。


「お漏らしまでして……女として恥ずかしくないのかしら」

「私の幻術は強力ですからね」


……私達を苦しめた元凶を倒したのに全くスッキリしない。


「エリーナさんトドメは?」


……。


「私がやるわ」


私は短剣を持ってリエルに近ずき……ゆっくりと丁寧に首を切り取った。


「それでは戻りましょうか」

「……えぇ」



「ガロリア……お前ダークエルフになったのか」

「あぁ」

「そうか……」

「お前の方こそ元気そうじゃないか」

「……」

「あの時の事は」

「いい、何も言うな。今あるこの立ち位置……この現状、それが全てだ」


きっとこれは当然のことなんだと思う。


「はぁぁぁぁ!」

「う……んん!」


ガロリアを裏切った俺へ向けられる……当然の報い。


「ウィンドダウン!」

「エアロクラッシュ!」


……ごめん、本当に悪かった。


「ガロリアぁぁぁ!」

「……! グランドぉぉぉ!」



260年前

ガロリア100歳とグランド100歳の時。


「グランド! 今日はあっちの森の探索に行くぞ!」

「よし! そうしよう!」


グランドとガロリアは昔から活発で元気な男の子として知られていた。

ルリアの森でも有名でよく動物を狩って来たり悪いやつを懲らしめたり、2人は街で人気者だった。

しかしその2人に悲劇が起こる。


「ガロリア! 今日も森の方に行こうぜ!」

「わかった! じゃあ今日は東の方に行こう!」

「あれ? 俺の短剣がない?」

「全く……グランドは何してんだか。いいよここまで来たら戻るのも大変だし俺のやつ貸してやるよ」

「おっありがとよ!」


いつものように森の中に入っていった2人、その日は獲物も大量で日が傾き始めた頃に街へ戻った。



「ただいま〜今日も帰ったぞ〜」


街の様子が変だ……俺達を見て何か言ってる。


「ガロリア?」

「あぁ何か様子が変だ」


そんなことを話していると大柄なエルフがこちらにズカズカと向かってくる。


「お前達! 一体何をしでかしたのかわかってるのか!?」

「えっ!? な、なんの事だよ!」

「なんの事だと!? あれを見ろ!」


大柄なエルフが指したのは母大樹だった。

母大樹の根元には大きな切り傷があり、それは俺の短剣とピッタリ型がハマった。


「そ、そんな!」

「待ってくれグランドは今日俺と狩りに言っていたそんなことする暇ない」


ガ、ガロリア。


「嘘つけ! アイツらが見たと言っているぞ!」


あ、あれはいつも意地悪ばっかりしてくるエルフの奴ら!


「あぁ〜確かに見たぜ〜」

「いくらお前たちでもこれは許されん! もし! 正直に言わないなら2人とも処刑だ!」

「しょ、処刑!?」


どうしよう……このままじゃ2人共。


「俺がやりました」


声を上げたのはガロリアだった。


「な! 何言っ!」


ガロリアが魔法を使って口を塞ぐ。


「俺がこいつの短剣を盗んで母大樹を傷付けました」

「……そうか、ガロリアお前自分が何したかわかってるんだよな」

「はい」


待て! 待つんだガロリア!


「いいだろう、正直に名乗り出たことに免じてルリアの森郊外へ流すだけで許してやろう」


そんな! そんなのほとんど死刑みたいなものじゃないか!


「わかりました」


そしてガロリアは何も言わず街から出ていってしまった。



それから259年後。

俺はエルフの中でも5人いる最強の内の1人となった。それに家族や大切な仲間も出来て順風満帆な人生を送っていた。


「今日も食料不足についてじゃが……最近サーレスとかいう貴族がエルフの奴隷が欲しいと言ってきてな大量の食料と交換することになった」


また奴隷か……同じエルフを売るなど、どうかしている。


「そこで今回の村は東にある小さな村じゃ、えっと3番のところじゃな」


東の3番……。


「長老! そこの村は」

「ん? どうしたんじゃ……何か文句でもあるのかのぉ……グランド」


そこは……ガロリアが。


「お主も……新しい命ができるのじゃろ? 大切にした方が……良いと思うがのぉ」

「そ、それは」

「はっはっはっはっ安心せい……老人のくだらぬ雑談じゃ」


……。すまないガロリア。

俺はその後リエルと共に人間を誘導して……ガロリアの住む村を襲わせた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ