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転生先は蛇さんでした。  作者: 時雨並木
革命編
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61話 ルリアの森革命・衝突

「やってるねぇ」

「エリーナ! そろそろいいか!? そろそろいいか!?」


フィーがしっぽをブンブン揺らしている。


「まだよ今のところアルの方が優勢みたいだし……なんならこのまま最後まで何もしなくていいかもね」

「私らが来た意味無くならねぇかそれ?」

「イヴィルは早く進化したいんだな!」

「うるせぇ筋肉ダルマ」

「はいはいそこ喧嘩しない」


イヴィルとエーゼルの間にエレナが入る。


「しかし……このままでは本当に何もせずに終わりますな」

「なんにもしないならしないでいいと思いますよガロリアさん」


全員のやる気がだんだん下がっている時だった。


「まずい! ルリアの守り人だ!」


そう言われ奥から出てきたのは5人のエルフだった。


「あれは?」

「ハイエルフですな……俺やエリーナと同じレベルです」

「っしゃあ! あれは潰してきていいだろ?」

「やっていいのか!?」


戦闘狂だなぁ……。

周りの全員がそう思った。


「そうね……5人いるししっかり分けて戦いましょう」

「わー! 行ってくる!」

「……あの子は待てができないのかしら」

「私とガロリアで1人、エレナとイヴィルで1人、イヴィルと」

「私は1人で戦う!」

「もうみんな好きに戦えばいいじゃない!」


エリーナがやけくそ気味に叫ぶとそれぞれが戦いたい敵に向かっていった。



「さぁさぁ! お前の相手はこの私だぞ!」

「なんでこんなところに獣人がいるんだ」



「結局ペアかよ……しかもお前と」

「文句を言うな、それにこいつは楽しめそうだしな」

「……」



「あらぁバール君だったわよね、よろしく〜」

「……」

「貴方たちはどうしてこちらに?」



「テレジアさん! 後ろ任せます!」

「エリーナさんもよろしくね!」

「ダークエルフと……鬼? どういう組み合わせよ。」



「……」

「……ガロリアか」



それぞれが強い敵と戦い始めようとしていた時俺達は。


「ここどこぉ!」


迷子になっていた。


「だから大人しく都心部に向かおうって言ったのに」


クイックが呆れた様子で言う。


「だってだって! こういうのってラスボスは違うところにいる! みたいなお約束じゃん!」

「何言ってるの……」


時折見せるクイックの目……本当に心に刺さる。


「てかさっきから肉食植物に襲われまくってるんだけど」

「けど弱いからいいじゃん」


やめて! その目をやめて! ノーチェさん普通に泣きそうだから!


「もぉ〜! 早く敵出てこーい!」



「それでお前は一体何者なんだ?」

「フィー! 牙獣大隊の隊長とかなんとか言ってたけどよく覚えてない! フィー・サレリアルだ!」

「サレリアル? 何処かで聞いた気がするが……まぁいい」


ガシュ!


エルフがフィーに不意打ちを仕掛ける……並の者であれば今ので全てが終わっているだろうがクイックとの特訓を繰り返しているフィーにしてみれば挨拶程度にしかならない。


「いきなりの攻撃はなしだろ〜」


今の攻撃を避けた? いや運が良かっただけか獣人は勘が鋭いと言うしな。


「よく避けたな」

「そんなことより名前を名乗れ!」

「ふん! 獣風情に名乗る名前はねぇな!」


次は避けられまい!

乱れ咲!


「そんなにブンブンと斧を振り回しても当たらなければ意味無いぞ」


いつの間に後ろに!?


「とい!」


フィーの蹴りが名も無きエルフの頭に直撃した。


「あっ!? あっ?」


頭が……視界が歪む。何が起きた?俺が地面に寝そべっている?


「それで……もう終わり?」


フィーは心底残念そうな顔で聞く。


「な、なんなんだお前!」

「? フィー・サレリアルだってば。お前頭悪いな〜」


このままではまずい!まずは距離を……。


「もう終わりみたいだから殺しちゃうぞ〜」

「へ?」


ザシュ!


フィーの腕がエルフの心臓を貫いた。


「なんだか……つまんなかったなぁ」



鉄同士がぶつかり合う音……。

しかしそれは敵との戦いで起きていたのではなく。


「だから! 私がやるって言ってるだろ!」

「お前はまだ進化していないんだから俺のサポートに回れ!」

「ふっざけんなよ! 誰がてめぇのサポートなんてするか!」


俺は早く進化して! テレジアや大将の助けにならねぇとダメなんだよ!


「……」

「ほら見ろ! 敵もさっきから座り込んでいるでは無いか!」

「お前が引っ込まねぇからだろ!」

「はぁお前達の目的は知らないが……このまま手を出してこないなら俺は違うところに行くぞ」


面倒くさそうに立ち上がり武器をしまうエルフ。


「ちょっと待ってろ! 今決着付けるから!」


グサッ!


「……は?」


一瞬の出来事で理解が追いつかなかった……。


「エーゼル?」

「ちっ……お前が駄々こねる……から」


エーゼルは私を庇って……腹に穴が。


「エーゼル!? てめぇこのエルフ!ふざけやがって!」

「……気が変わった。お前たちは強そうだ。それにここは戦場仲間割れなど愚の骨頂だ」


……くっそ! 何してんだ私は! こんな事なら大人しくエーゼルの言うことを……。


「……すぅ〜……はぁ〜。エーゼル悪かった今回は私の失態だ」

「イヴィル……?」


テレジアや大将の助けに? こんな奴がどうやって助けんだよ……情けねぇ。情けねぇ……。


「なっさけねぇなぁ!」


私がそう叫んだ瞬間謎の光が辺りを包み込んだ。


「……!」


!? 何が起きた! 今私は何をした?


「イヴィル? お前その姿」


……見た目が変わって、いや今はそんなこといい。


「進化か……だがそんなもの無意味だ」


カチャ


私はエルフに切っ先を向ける。


「……?」

「私の名前はイヴィル・ティンゼルク」

「……アバロ・フィンガー」


集中しろ……集中だ……守りたいもんを守るために。私は!


先に動いたのはアバロだったレイピアを鋭く伸ばし私に向かって突き刺す。


「ここ!」


パキン!


「レイピアが……!」

「神速! 抜刀!」


目では追えないほど早い太刀筋がアバロの胴を通りすぎていった。


「……羽根切り」


私は着いた血を払い静かに刀を収めた。



「それで? 貴方達は何者でしょうか?わたくしはナイル・ベリアルと申します」

「黒翼大隊隊長のエレナ・ハーレルトよ」

「……バール……ハインザック」


この男の武器は……剣ね。

バールは槍使い……有利ではあるけれど、どう出てくるのか分からない以上最初は様子を見るのが懸命。


「来ないのですか? それではこちらから!」


雑な太刀筋この程度なら。


「……」


槍の軌道から左に避けようとした時バールが私を掴み反対方向へと引っ張った。


「バール!?」

「……その槍、幻だな」

「ちっ……なんでわかったんですかねぇ」

……さっき私が避けた場所に突き刺さったような痕が。

「ありがとうバール」

「大丈夫……です」

「はぁ……その鳥の方が厄介だと思ってたんだけど違ったみたいだ」


なんでバールが分かるかは置いておいて何も分からない私じゃ戦力になれない……。


「エレナさん……お願いがあります」


バールが耳打ちをする。


「……わかったわやってみる」


そう言って私はは空高く飛んでいくことにした。



「何が策があるのか? まぁいいさどうせお前たちでは敵わないのだから!」

「よく喋る……前我らの主人が言っていた……雑魚ほどよく騒ぐ」

「……。雑魚はお前だろうが!」


このゴミは殺す! だが……その前にあの鳥を捕まえて散々陵辱して絶望を味合わせてやる!


「お前の能力は……光の反射を使った幻覚……幻魔法の中でも……下位のものだ」


ガチャン!


俺の槍が簡単に!


「この程度……テレジアに比べれば」


くっ! ……一撃が重――


バコンッ!!


だいぶ吹き飛ばれたな……だが!


「ふっ……はははは! それがわかったからと言って何が出来る!」


私はそう言って分身を大量に作り出した。


「「「「「はっはっは! これでわかるまい!」」」」」


これで終わりだぁ! あとはあの鳥女を捕まえて


「本当に……雑魚はよく騒ぐ」


バサッ!


「なっ!」

「光の反射を使っているなら……光を無くしてしまえばいい」

「おまたせ! ちょっと探すのに時間使っちゃった」


大きな布をエレナと共に来た黒翼達が広げる。


「原始的な手だけど……お前にはよく効く」

「ぐっ! クソがぁ!」


いいさ! こんな魔法使わなくたってお前ごとき俺の槍術で!


「あと……言い忘れてた……お前の槍、さほど強くない……」


グチャ!


「ばぎゃ!」


腕……俺の腕……!!


「腕がぁぁぁぁぁ!」

「お、お前達! この俺にこんな真似してタダで済むと思ってるのか!」

「……本当に我が主の言っていたことは……役に立つ」

「へ?」


ドシュッ!


「うるさい……虫は……早めに……殺せ」

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