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転生先は蛇さんでした。  作者: 時雨並木
革命編
60/261

60話 ルリアの森革命・反乱

「テグ、周辺の警備は万全?」

「はい私達の部下全員で城壁を守っています」


国から俺とクイックが少しとはいえ居なくなるからな自動人形は全て稼働して城壁警備に充てた。


「何かあったらすぐ俺に連絡するよう命令しといて」

「……かしこまりました。伝達完了致しました」


さすがは機械……行動が早い。


「今回私達の任務は……」

「うん昨日も言った通りエルフの子供を守ってあげて」


革命が起きるのは国に不満があるから、それは富裕層にも問題がある……と俺は思う。けどその子供たちまで殺すのはなんか違う気がするんだ。


「ご主人様の仰せのままに」


うぅ〜ん優秀なメイドさんやなぁ。


「ノーチェ……そろそろ行くよ」

「ん? もうそんな時間か」


ルリアの森に向かうのは朝6時、まぁ朝早い人なら起きてるよねくらいの時間。


「戦う前に何か言ったら?」

「いや、エレナ……今回の主役はあっちだ」

「我々は今日!この時を待ち焦がれていた!」


アルの鼓舞がエルフ達の心を掴んでいるのは間違いない。


「ルリアの森を己の欲望で支配する愚かな王に引導を渡すんだ!」

「「「「「「おぉー!!」」」」」」

「おー!」


フィー俺たちは別にやんなくてもいいんだよ。


「全員行くぞ!」


お〜さすがエルフ馬使うのが上手い。


「じゃあ飛ぶから」

「えっ!? ちょっ! まだ心の準備が!」


今回の移動は黒翼族3人の背中に乗っていくというもの。

まぁ乗るのは俺とクイック、ガロリアとエリーナ、エーゼルとバールだけど。


「なんで俺こっちぃ!」


この中で唯一無理やり乗っけられたのが俺だ。


「だって私はノーチェ以外乗せたくないもの……まぁクイックは仕方ないわねノーチェとセットみたいなものだし」


そんなこといいから速度下げてぇ。


「大丈夫俺が落ちないように近くいるから。」

「あら人の背中でイチャイチャしないで貰える?」

「高いのは無理なんだってぇ!」



「あちらは随分と楽しそうですね」

「テ、テレジア……随分と余裕そうだな。私はこっち選んで少し後悔してるぜ」



地上部隊は2日でガンド達に作ってもらった二輪魔動機と大型輸送四輪魔動機……まぁ要するにバイクとバスで移動中だ。



「安心してください。私はこの乗り物を手足のように動かせます」

「あらテグさん頼もしいですね」

「テグには負けていられません」

「いや! ネグさん! 余計なことはしなくてぇ!!!!」



「ノーチェ! あれどうやってるんだ!? 後ろのタイヤだけで走ってるぞ!」


見れるわけ無いだろ! ただでさえも怖い今の状況で!


「うーんあれに負けるのはなんか嫌ねぇ……じゃあスピードアップ〜」

「や、やめ!」


俺の声は風の音でかき消されてしまった。


「お〜気持ちいいぞノーチェ」

「どこがぁ!」


さっきの倍くらい速いんですけどぉ!



ルリアの森


「あ〜……あ〜」

「大将……大丈……うぅ気持ち悪い」


俺とイヴィルはルリアの森の前に着くともう激戦の後のように疲れていた。


「お二人とも大丈夫ですか?」

「は、ははははちょっとやりすぎたかなぁ」


エレナはあとで埋めて帰ろう。


「ネグ、ホョル。ご主人様とイヴィル様を連れてきて下さい」

「「わかりました」」

「ご主人様……失礼致します」


ネグは自動人形の中でも1番小さい……そんな子におんぶとか恥ずかしいんですけど。


「いや……もう動ける」

「無理なさらないでください。あとでネグにはきつく言っておくので」


結局俺とイヴィルはおんぶされながら森の中に入って行った。



「ネグ……もう大丈夫だよ」

「……かしこまりました」


だいぶ楽になった、まぁちょっとだけ気持ち悪いけど。


「ホョルさん私ももう平気だ」

「分かりました」


ここはルリアの森のどの辺なんだろうか……途中意識飛んでたからなんとも。


「そろそろ着くよ」


さすがクイック俺の聞きたいことわかってる。


「そういえばアル達は?」


置いていっちゃったけど大丈夫かな。


「あの後森で一旦合流したわ」

「ありがとうエリーナ」

「それじゃあそろそろ始まってるかな?」


そんなことを言っていると都市部から大きな爆音が聞こえた。


ドォォォン。


あれは新作兵器の手榴弾かな。


「俺達の任務は革命が上手くいくようにサポートすること。それをしっかりと頭に入れて動くように! それじゃあみんな散って!」


よしこれで大丈夫だろ……あとは


「それじゃあ行こうかクイック」

「そうだな」


自然の王の実力見せてもらおうか。



「きゃあぁぁぁぁ」

「反逆者共を殺せぇ!」

「ジェイの犬共だ! 殺せ!」


燃える森に悲鳴が響く……これは新しい国への歓声だ。


「新たな風は今吹いているぞ! 全員愚かなエルフをジェイの鎖から解放してやるんだ!」



ルリアの森避難所。


「あなた達は一体!」


パンパンパン!


「掃討完了……命令に従い子供たちの保護に入ります」

「ネグとドロブは周辺の確認をしてください、私達は子供たちを森の外にある大型輸送四輪魔動機に運びます」


ギィィィ


「お、お前達は誰だ! どこから来たんだ!?」


威勢のいい少年がテグに向かって叫ぶ。


「私達はご……ノーチェ・ミルキーウェイ様に言われあなた達の保護に参りました」


テグは感情があるかのように話し出す。



「そんな誰だかわかんないやつに守って貰う必要はない!」

「随分と威勢のいい子供ですね……殺しますか?」


ホョルが持っている拳銃のスライドを引く。


「ダメです……ご主人様の命令では全員生きた状態で保護しろと言われています」

「この国は今反乱軍に襲われています。恐らく裕福な家庭で過ごしてきたあなた方は殺されてしまうでしょう」


怯える子、泣き出す子、怒る子。

……なるほどこれが感情ですか。


「安心してください……私たちに着いてくれば安全です」


警戒はされているが死という恐怖を突きつけられて生き延びたいという感情に駆られている子供も少なくない。


「……お母さんは? お母さんも助けて!」

「俺の家族も助けて欲しい!」

「お父さぁぁん」

「……いいですか? 国で何か問題が起こっときに対処するのは大人です。それは何処の国でも同じこと。なので今の状況から逃げ出す大人は誰もいません」

「嫌だ! 家族のみんなで逃げるんだぁ!」


……保護対象はエルフの子供のみ……その家族は範囲に入っておりません。


「きっとその家族もみんなが生きていることを望んでいます。あなた達は守られているのです。大人は戦わないといけないのと同じで、あなた達は逃げないといけない。やるべき事をしっかりと果たせば……家族も安心するでしょう」


私は泣いているエルフの女の子を優しく撫でる。



「みんなのことは私たちが守ります。悲しいことも辛いことも思い出していくらでも泣いてください。そして全てを吐き出したら……きっと幸せな未来が待っています」


その時のテグの目は人間のようだった。


「エルフの子供達を保護完了、これからフィデース信栄帝国に運びます」

「ホョル、ドロブ。私たちはここに残りますのでこの子達をお任せします」

「両機共に把握しました。到着次第温泉に輸送しますか?」

「ご主人様もそのように仰っていました。よろしくお願い致します」

「それでは輸送します」


ホョルとドロブはエルフの子供達を連れて森の中へ消えていった。


「それではご主人様達のサポートへと参りましょう」

そう言ってテグはアサルトライフルのマガジンをセットした。

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