5話 恐怖とは
お腹も膨れた蛇と犬、そろそろ夜になりそうなので
仮拠点を作ることにした。(生後1日です)
「仮拠点を建てよう」
「拠点と言ってもどうやって」
うーん固定はまぁ毒糸で、材料は風魔法の風刃
持ち運びは輸送、建造はまぁ何とかする。
「取り敢えず木を切ってくれ」
俺は近くにあった気を指さした。
「はーい」
「風魔法、風刃」
そういうと周りにあった木がほとんど刈り取られてしまった。
「いや! 多い、多い」
「ごめんなさい、張り切っちゃって」
ついうっかり……みたいな反応してるけど結構やばいことしてるんだよなぁ。
「けどけどLv上がりましたよ」
犬は褒めて褒めてと言った様子で近寄ってくる。
「それは良かったな」
「風魔法が一定に達したから新しいスキルがあるみたい」
ブツブツブツブツ
まぁあの子はあそこで置いといて
輸送、輸送
木材を運びました。輸送スキルを使用した為経験値が溜まります。
輸送Lv2
これで全部か
輸送Lvが5になりました。
輸送Lv5になったので、輸送スキルが変化中型輸送を会得
中型輸送Lv1を会得しました。
あー輸送スキルは使えそうだ。
「終わりましたー」
「スキルは何にしたの?」
「風流魔法、風新魔法があったので風新魔法にしました。」
魔法にも種類があるのか? まぁこの辺もいつかしっかり調べないとな。
「へぇーどんな魔法なの?」
「風新魔法は新しい風魔法を会得できて、進化の幅も広くなるようです」
「それは良かったね」
犬は上機嫌になり
「お手伝いしますね」
と言って家を作ろうとしている方に来た。
木材を運んだはいいがこの後どうやって組み立てよう
取り敢えず木の上に家を作るとして
「毒糸」
まず木の幹と切った木の板を貼り付けて、
「足場は平気と」
次に壁は丸太を糸で巻いて固定したら木に貼り付けて
「よし」
後は屋根、屋根は大きな丸太を1本、後は縦に丸太を並べて。
よしよしこれで雨風はしのげる。
「完成したよ」
「なんか僕手伝うどころか、足でまとい」
犬は下を向いてしまった。
「大丈夫だよ、これから頑張って」
なんか落ち込んじゃったなぁ、今度元気がでる遊びでも教えてあげるか。
辺りは少し暗くなっていたがギリギリ夜までには完成できて良かった。
それにしても疲れたな、もう寝るとするかぁ。
「俺は寝ますよー」
俺はそう言って部屋の隅に行った。
「はい、おやすみなさい」
犬が返事をしてくれたようだけど俺はもう眠りについていた。
……目が覚めたのは深夜だったと思う、深い深い闇が壁の隙間から覗いている。
なんだか足音がする、それも大きい何かが動くような。
家の近くでノソノソといや音が響く。
床からそっと覗くか。
下を覗き込むとそこには大きな鬼のような者が立っていた。
急に寒気と恐怖が俺を襲った。
なっなんだアイツ! 近くにいるだけで、見ただけで体が動かない、どうしよう。
考えれば考えるほど何も思いつかない、助かりたいとそれしか頭に入って来ない、どうしようどうしようどうしようどうしよう。
「置いていけば」
そう思うとそれしか思い付かなかった、いや本能的なものだったのかもしれない。生き延びることが大切だとそう感じたのだ。
この犬を置いていって、静かに逃げれば俺は助かるはずだ。
大体この犬はもう助けたし、また助ける必要はない。
それにここで恩を返して貰っても怒られないだろ。
元々死にそうだったんだ、ここで死んでも……
俺は弱虫だ、昔から大きな壁に当たれば迂回していた。
いつも大丈夫、平気、何とかなる。それだけだった。
今回も何とかなる、この犬さえ置いていけば。
「ごめん」
俺はそう言い残して家から出ていった。
木の上の方に移動した。
下の化け物はその場から動いていない。
このまま居なくなれば逃げられるのに、そんなことを思った時だ家に腕が伸びていた。
壊す気だ、中に居なくてよかった。
死んでいた、居たら死んでた。
眠りながら死ぬならいいだろ
腕はもう家の床に触れそうだ。
もう、いい俺は助けた。助けた。助けた。
「君はそれでいいのか?」
遠い、遠い記憶がゆっくり流れ込んでくる。
「見捨てるな、可能性を仲間を」
誰か言っていたこんなことを
「明日仲間が居れば出来ることは2倍、可能性を考えればやれることは3倍」
誰だっけ
「前を向け、強敵に恐れをなすな力で勝てないなら」
「頭で勝て」
そうだ……俺は人間だ! 蛇じゃねぇこの頭フル回転させれば
「勝てる!!」
意識が向いた、声で気付かれたか。
「やるしかねぇ!!」
もう戻れない、死ねば犬と一緒に心中だ。
生きる、生きる! 生き残る!!
「隠蔽」
姿を消して犬を安全圏に連れていく。
隠蔽を使用しました。Lvが上がります。
隠蔽Lv3を会得しました。
このタイミングはナイスだぜ。
一定の重さを持ち走った為
移動Lv1を会得しました。
使えるかわかんねぇけどやるしかねぇ。
「移動」
足が早くなった。疲れも減った。
後ろからは、追いかけて来てる。
犬は近くの木の上で寝かせて置いた。
そして俺はそこから更に移動した場所で止まる。
「さぁここが俺とお前の土俵だ」
1匹の蛇はシュルルと音を立てた。
現在のステータス
ポイズンスネークLv2
言語理解Lv3、言語能力Lv3、状態異常耐性Lv5
状態異常無効Lv1、毒無効Lv3、毒使いLv5、毒生成Lv1
鑑定Lv1、中型輸送Lv1、隠蔽Lv3、移動Lv1、探索阻害Lv1
雑食Lv1、回復魔法Lv1、破壊魔法Lv1、火炎魔法Lv3
水流魔法Lv3
ホワイトドックLv1
痛覚耐性Lv3、隠蔽Lv3、分身Lv4、探索Lv2、鑑定Lv3
風新魔法Lv1、光魔法Lv1
ボアオークLv29
火炎無効Lv4、痛覚無効Lv4、魔攻無効Lv2、麻痺無効Lv3
剣術Lv3、体術Lv4、暴走Lv3、貫通Lv2、小速移動Lv3
自動回復Lv3、破壊魔法Lv4、風斬魔法Lv4、炎斬魔法Lv4