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転生先は蛇さんでした。  作者: 時雨並木
国づくり編
42/261

42話 止まらぬ暴走

「うぅーん」


俺は今自室の机で頭を抱えていた。

温泉旅館は大繁盛、ドワーフ達もここで住むことを決めて人口も増加。

さらにダンジョンに行きやすくするため村の拡張工場にも手を出した。

しかしここで問題が発生した。

急激な人口増加と減ることの無い旅行客。


「飯がねぇ」


エルフ達の狩りにも限界があると踏んで早い段階から動物の飼育に力を入れたが……。


「遅かったかぁ〜しかも魚に関してはコード商会から買い取ってる状況」


海がないからなぁ……せめて近くに川でも流れてれば。


「金はあるんだけどコード商会も売れる魚には限界があるって言ってたし」


だからって村の人たちにご飯で苦労かけたく無いしなぁ。


「ノーチェ〜!」


ガチャリと扉が開くその先にはフィーが立っていた。


「どうしたんだい? フィー」

「遊ぼ!」


フィーは目をキラキラさせながら部屋に入ってきた。


「ごめんね、まだやることが残っててさ」

「むぅ! ノーチェ今日は遊んでくれるって言った!」

「いや! 言ってないよ!」


俺はした覚えのない約束を取り出され慌てて否定する。


「うぅ、それともノーチェは私のことが嫌いになったの……?」


うっ……そんな顔されたら……されたら。


「わかった遊んじゃおー!」

「わーい!」

「遊んじゃおー! じゃないわ!」


いつの間にかクイックがフィーの後ろに立つていた。


「フィーは邪魔しない! ノーチェもすぐに乗らないの!」

「えぇ……だってさぁあんな顔されたら」


俺は机に顔をつけながら言い訳をする。


「ノーチェは甘すぎるの!」


クイックは強く机を叩いた。


「……ごめんねフィー遊ぶのはまた今度にしよっか」

「うん、わかった」


わかりやすいくらい落ち込んでる。

けどまぁクイックに森で鍛えられてからは聞き分けがある程度良くなったみたいだ。

……てか最近は特訓してるんだろうか。


「そういうばクイック、フィーとはどのくらい特訓してるの?」

「ん? あ〜そうだな、週に5回くらい?」


……多くね?


「え? そんなにやってるの?」


するとクイックは不思議そうな顔をして答えた。


「いや、ノーチェは俺と毎日森で特訓してたじゃん」


……あ〜、確かにしてました。


「……うんまぁ、程々にね」


この時の俺はたぶん苦笑いをしてたと思う。


「って違う、俺が来た要件は別にあるんだ」


そしてクイックは手に持っていた紙を俺に渡した。


「これは……報告書?」

「ノーチェに指示されてた通りエレナ率いるハーピー部隊とガロリア率いるエルフ部隊のふたつに湖や川を探してもらったんだけど」

「なるほど……1番近い川で10km先か」

「てなわけて拡張工事を」

「おいちょっと待て」


俺は部屋から出ていきそうになったクイックを止める。


「ん? どうした?」

「いやクイックさん……ここまで領地広げるともう村ってより小さい国なんだけど」


現在フィデース村は人口3000人を超える大都市になっていた。それに伴い村の拡大は止まることなくゼーレスクダンジョンから村の人や移民してきた人たちの居住区まで南東に大きく発展していたのである。


「じゃあ国に名前変える?」


違う! クイックさんそこじゃない!


「そうねぇ……まぁこのまま村でいるよりもそっちの方がいいかもねぇ」


後ろを振り向くとエレナが窓から入ってきていた。


「村よりも国の方がいい?」

「そう、村だと大きくなるにつれて周りの国から注目される。けど国にしてしまえばいくら大きくなっても文句は言われない」


……そうは言ってもなぁ。


「むしろ国を作るなんて言ったら周りの国から危険視されるんじゃないか?」


それを聞いたエレナは俺の本棚から地図を取り出した。


「私たちの周辺にある国は人の国であるゼールリアン聖王国。エルフの国、ルリアの森。少し離れてるけど南の方にドワーフの国、カーヴェ地下帝国。少し北に目を向ければコロリアン妖精圏もあるわ」

「そうだね……けどそれがどうしたの?」

「この地図には書いてないけどね私達がところから東側には六人の魔王のうち1人が盟主を務める国があるの」


エレナが何も書かれていない大地を指さす。


「私達がここに国を作れば魔王攻撃の際にとてもいい立地となる」


……なるほど、だからここに国を作っても周辺国は黙っているだろうってことか。


「けどそれはあくまで憶測だろ?そうなるとは」


エレナは地図をしまって話を続ける。


「現六王はこんな辺境の地にある国のことなんて気にする余裕なんて持ってないわ」

「? どういうこと」

「数ヶ月前、ガレオン獣王国が何者かによって襲撃された。六王は話し合いの結果それを六魔王の仕業としたわ。そのせいで今6カ国は戦闘準備に忙しくて周りの小さな国なんて構ってられないの」


エレナは笑みを浮かべている。


「そうか……それなら今がチャンスだな。わかった! クイック村の拡大を最優先にするんだ。拡大が終わり次第村のインフラを整備。観光地区、居住地区、産業地区、商業地区に分けてさらなる発展を計るぞ」


クイックは口角を少しあげて「了解した」と一言答えると部屋から出ていった。


「ノーチェ? 何を始めるんだ?」


さっきからボーッと突っ立ていたフィーが質問する。


「……この村はこれから大きく変わってくんだよ」


俺は外を見ながら答えた。

フィーいまいちよくわかっていない様子だった。



村の改革を行ってから2週間


「あのクイックさん」

「ん? 何?」


隣では満足気に笑っているクイックがいた。


「聞いていた話よりも倍以上は大きくなってるんですけど」


俺は村の中心に作った全体を見渡せる高台で様子を見ながら言った。


「いや、ノーチェの国だから本当はもっと大きくしたいくらいさ」

「……マジかよ」


てかなんか汽車走ってんだけど……ドワーフ達が大きな街を楽に移動する方法を教えてくれって言ってきたから



「え? まぁそうだなぁこんな感じの乗り物とかどう?」


ってミニチュアサイズの蒸気機関車作ったんだけど


「おぉ! これが、美しい形じゃ!」


とそのまま俺の作った汽車を持っていってしまった。



いや、だいぶ適当に作った機関車をあのサイズに拡大した挙句線路まで引いて観光、居住、産業、商業地区を繋いでしまうとは……ドワーフって恐ろしい。


「てかそれも気になるけどあれは何?」


俺の指さす方向にはめちゃくちゃ巨大な木が生えていた。

いや……あの辺森だったけどあんな馬鹿みたいにでかい木生えてなかったよね……なにあれ突然変異?


「あれはエルフ達が作った物ですね」

「あれ作ったの!?」


俺は驚きのあまり声を荒らげる。


「作った……と言うかエルフが持っているスキル成長によってあのサイズになったみたいだよ」


えぇ……もうなんか世界樹みたいじゃん。


「その成長ってスキルはどんな能力なの?」

「成長スキルはエルフが生涯で1度だけ使えるスキルで自分たちが住むと決めた場所に全員が成長を唱えて大きな木を作るんだ、ちなみにあの木は悪い養分を吸って良い養分を吐き出す力があって周辺の草木は枯れることなく元気に育っていくらしいよ」


いやもう規格外すぎて笑えてきた。


「とにかくね……クイック、やりすぎ」


俺はクイックの暴走を止める方法について真面目に考え始めるのだがそれはまた違うお話。


現在のステータス

ノーチェ・ミルキーウェイ

始祖蟒蛇Lv6

所持アイテム星紅刀

耐性

痛覚耐性Lv1、物理攻撃耐性Lv7、精神異常耐性Lv8、魔法攻撃耐性Lv4、状態異常無効Lv10

スキル

知り尽くす者、混沌監獄(ユニオンプリズン)研究部屋(マイワールド) 、横溢Lv5、絶無Lv3

魔法

回復魔法Lv8、幻影魔法Lv5、破壊魔法Lv8、火炎魔法Lv8、水流魔法Lv10、水斬魔法Lv6、土石魔法Lv8、土流魔法Lv6、闇魔法Lv6

???

謀る者Lv4、強欲

------

神に出会った者/神を救った者/導く者


クイック・ミルキーウェイ

赤岩土竜Lv3

耐性

物理攻撃耐性Lv6、精神異常耐性Lv2

スキル

探索Lv8、隠密Lv7、地面操作Lv4、高速移動Lv9、強化Lv4、回避Lv4、体術Lv2、斬撃Lv3、集中Lv5、追跡Lv4、空間把握Lv4

魔法

火炎魔法Lv2、風斬魔法Lv4、土石魔法Lv10、土流魔法Lv10、土斬魔法Lv10、溶岩魔法Lv6

???

食事Lv9

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