26話 ダンジョンに行こう
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「土石魔法、岩石要塞」
「ウィンドスラッシュ」
村の立て直しを初めてから5日、ケルロスとクイックの協力もあり村は元の姿に戻りつつあった。
最初は村の人間もエルフも警戒し合っていたが時間が過ぎていく事に和解していった。
もちろん……まだ溝はあるが。
「亡くなった方の墓作りに毎日のお参りを繰り返せば多少は謝罪の意思ありと思われるか」
あの事件からエルフ達は村の修復だけでなく、見回りや狩り怪我をした者の看病など色々やってくれている。
その姿を見て人間達の警戒心も緩んでいった。
「あーノーチェ! こんな所にいた!」
「あぁエリーナかどうしたの?」
この子はエリーナ前に泣かしてしまったエルフの少女だ。
「どうかしたの? じゃないよ村長さんが呼んでるよ」
村長が? 何の用だろうか。
俺は村に残ると決めてから村長に村の修復を手伝う代わりにしばらく置いてもらうように頼んだ、それ以降は特段話していなかったが。
「わかったすぐ行く」
正直……出ていけと言われたら出ていくつもりだが……少しだけ寂しい。
俺はそんなことを思いつつ村長の家に向かった。
「おぉ! ノーチェ殿! 呼び付けてしまって申し訳ない!」
「いや大丈夫だ、それで村長様がなんの御用件かな」
村長は村を救ってくれた俺に少なからず感謝しているようで家の中に招かれて飲み物を出してくれた。
「ノーチェ殿この度は我々の村を救って下さり感謝致します」
村長が深々と頭を下げる。
「いやその礼は前に受け取った。気にしないでくれ」
それ聞き村長は頭をあげる。
「しかしノーチェ殿、いつまでわたくしを村長と呼ばれるのでしょうか」
そう、俺は村長の名前を聞いている。
ゼン・シェイカー
この世界に来てからは初めての苗字持ちだ。
「いや、ゼンさんと呼ばせてくれないからな」
そうこの村長呼び捨てで呼べと言うのだ。
小さな村とはいえ、トップに立ってる人を呼び捨てにはできない。
それにこの人は礼儀正しく人では無い者に対しても丁寧だ。
頭を下げたエルフにも、事情を知った時に
「我々人間が本当に申し訳ない」と頭を下げていた。
甘いのかもしれないが、そういうことを言えるのは凄い人である証だ。
「さて、俺を呼び出したのはなんの要件だ」
回想もほどほどにして俺は本題に入る。
「あぁそうでした。村の修復ですがもう十分お手伝いくださいました」
やはり村から出ていって欲しいといった話だったか。
「それで度々申し訳ないのですが、村長としてこの村に住んでは貰えないでしょうか?」
「そういうことなら我々はこの辺……で?」
ん? …….ん〜??
「はい?」
あっいかんつい素で返してしまった。
「えっと……俺は人間じゃありませんよ」
「承知しています」
「いや……えっと……えぇ」
ええぇぇぇ
「あっその、理由の方をお伺いしても」
そうすると村長の目付きが変わった。
「エルフから街を救って頂いたこと、これに関しては本当に頭が上がりません」
「それは」
「もちろん、理由は他にあります」
……他か、ただの感謝が理由で村長を譲るはずもないと思っていたが……。
「まずはエルフとの和解です。ケルロス殿の協力もありましたが我々はノーチェ殿がいらっしゃらなかったら捉えたエルフの方々を殺していたでしょう」
「それに関しては俺の力じゃない、エルフ達が」
「それだけではありません」
話めちゃくちゃ遮るじゃん。
「ノーチェ殿が作られた畑です」
畑? ……あー食料問題の解決の為に少し手を加えたんだった。
「動物のフンを使った肥料、落ち葉などを集めて作った腐葉土。これらふたつは枯れかけていた作物達を元気な状態に戻してくれました」
「我々にはそのような知識はございません。この先天災などがあればこの村は滅んでしまう」
……確かに村の修復は行ったが減った人口はすぐには戻らない、腐葉土や肥料だけではどうにもできない時も来るだろう。
「ですがここは人間の国。貴族の領土だ、俺のような者が村長になって黙っているとは思えないが」
そうだ、これが一番の問題点。
人間では無い存在が領土で村を発展させる。
これが耳に入ったらどうなるのかはすぐに想像出来る。
「……」
村長も黙ってしまった。
「さすがに人間の国にまで説得はできないだろう。今回の話は無かったことに」
「ノーチェ殿……」
……村長はそう言うと立ち上がり奥の自室から地図を持ってきた。
「元々ここは誰の土地でもなかったのです」
ペラリと地図を開く。
村長が指を指した場所は人間の国の国境を少し外れたところだ。
我々の村はここにあります。
……なるほどここは確かに地図では王国領じゃない。
「では貴族に納税している話は……」
「それは本当です。我々は昔からここに住んでいたのにも関わらずいきなり兵士たちが……」
「本日よりこの地はサーレス様の物となった。ここに住みたければ税金を払え!」
「と言ってきたのです」
横暴だな……。
「そして我々の村はダンジョンも近く森から獣が出てくる時があります。その時に助けて頂こうと貴族様に連絡をしたのですが……」
「あぁん? 森の獣〜? お前たちはこの村は我々の物だと言っていたでは無いか、自分の村なら自力で守るんだな」
「税金を払わなければ兵士が攻めてくるにもかかわらず獣からは守ってくれない……こんなことが! こんなことが」
村長はそう言うと座り込み肩を落としてしまった。
……。
「わかった、力を貸そう」
「ノーチェ殿!」
「だけど村長になる話は保留だ、まずは獣退治をしてこの村を安全な状態にする」
それを聞いた村長は安心した顔をしていた。
「ケルロス! クイック!」
俺は修復作業をしていた2人に声を掛けた。
「2人とも、今からダンジョン攻略だ」
それ聞いた時2人の口角が少し上がった。
詳しい説明は村長に任せ俺たちはダンジョンがある森の中に向かって行った。
「ノーチェ、ここのダンジョンは前と比べてどうなんだ?」
「未知数だってさ……ワクワクするだろケルロス」
村長の話によればこのダンジョンは国の兵士や冒険者、各国の強者が挑んでは帰ってこなかったらしい。
中級ダンジョンがあるなら上級ダンジョンもあるはずだと踏んでいたが……これは当たりを引いたかもな。
「ノーチェ、なんだが楽しそうです」
……確かに、今までの俺ならこんな危険な橋渡ろうと思わなかったはずだ。
謎の自信? いや戦いたいといった気持ちが強くなったのか?
怪しいとすれば渇望する者。あの特殊スキルは様々なメリットとデメリットがある。戦いを望んでいるということなのかもしれない。
戦闘狂になるスキルとかだと笑えないぞマジで。
……もしもの時は、ケルロスに。
いやそれは最悪の選択だな。
そんな嫌な考えをよぎらせながら森を進んでいると。
「あったぜ……」
クイックが指さした方向には大きめの洞窟があった。
ここが、ゼーレスクダンジョン。
現在のステータス
ノーチェ・ミルキーウェイ
始祖蟒蛇Lv1
耐性
痛覚耐性Lv1、物理攻撃耐性Lv4、精神異常耐性Lv2、魔法攻撃耐性Lv1、状態異常無効Lv10
スキル
総合把握Lv6、錬金術(毒特化)Lv8、心理把握Lv3、鑑定Lv9、拘束Lv9、中型輸送Lv6、隠密Lv5、取引Lv1、探索Lv9、追跡Lv1、操作Lv1、回避Lv5、中速移動Lv5、探索阻害Lv4、悪食Lv4、不死Lv2、分解Lv5、融合Lv5
魔法
回復魔法Lv8、幻影魔法Lv5、破壊魔法Lv8、火炎魔法Lv8、水流魔法Lv10、水斬魔法Lv5、土石魔法Lv6、土流魔法Lv4、闇魔法Lv6
???
計算Lv7、渇望する者Lv8
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神に出会った者/神を救った者/導く者
ケルロス・ミルキーウェイ
白狼Lv2
耐性
痛覚耐性Lv5、状態異常耐性Lv3、物理攻撃耐性Lv9、魔法攻撃耐性Lv5
スキル
総合把握Lv3、隠蔽Lv8、分身Lv10、探索Lv4、鑑定Lv6、限界突破Lv1、咆哮Lv8、威圧Lv2、要塞Lv2、斬撃Lv9、貫通Lv2、神速Lv2、結界Lv3、孤独Lv1、共鳴Lv1
魔法
風新魔法Lv10、風斬魔法Lv3、光魔法Lv10、神聖魔法Lv1
???
憧れる者Lv1
クイック・ミルキーウェイ
レッドモールLv9
耐性
物理攻撃耐性Lv4
スキル
探索Lv8、隠密Lv3、採掘Lv8、高速移動Lv9、体術Lv2、集中Lv2
魔法
土石魔法Lv10、土流魔法Lv10、土斬魔法Lv10、風斬魔法Lv1
???
食事Lv2