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転生先は蛇さんでした。  作者: 時雨並木
夜桜編
257/261

256話 夜桜戦争・闘魂

「アイス・フィールド!」


パキッ!!


量産型のさくらくらいならすぐに倒せる。でもとにかく数が多い。


「……仕方ないか」


最短ルートを行く! 潰れた左目が役に立つ時だ。


「視野拡張!」


よし、これで量産型さくらの動きを見れる。


ガチャン!!


「見えてるっての!」


背中に不意打ちをかましてきたさくらに対して刀で両断する。


ザパッ!


「はぁ……ちょっと大変だなこの量は」


さくらの元に行くまでだけでも100は超えているだろうか? まぁやれるかやらないかじゃなくてやるんだけどさ!


混沌監獄(ユニオンプリズン)


大勢を相手にするならこいつで捕まえちゃうのも手だけど……。


溶けかけている右腕を見て自身の魔力残量を確認する。


「余裕はないんだよな」


必要最低限の魔力でこの量を捌き切る。そして最後にさくらを倒す。これをどうにか実現させないと。


この時俺は無意識の中で目に集中させていた魔力を切らしてしまい死角からの攻撃を見逃してしまったのだ。


「――ッ!?」


しまっ――


「ホーリー・ショック!」

「バーニング・ステップ!」


フィーとシャル!? さっきまでさくらと


「さくらはケルロスとルル、あとハクゼツとレリア? とか言うので抑えてる! 私たちは!」

「ノーチェの道を開くために来た!」


2人とも……。

2人の体をよく見てみるとボロボロだ。斬り傷も多いし出血もだいぶしている。そして残っている魔力も少ない様子……これ以上さくらを抑えることはできないと思ってサポートに回っているのか。


「……わかった! ありがとう!!」


俺の返事に2人は嬉しそうに笑ってくれた。


「よし!」

「ノーチェ……には指1本触れさせないから!!」


そう言って2人は走り出す。俺はその後ろを魔力を込めながらついて行った。


ザシュッ! パシャン!!


強くなった。本当に強くなった。母を失い父に裏切られた少女がその絶望から這い上がり国を任せても良いと思えるほどに強く育った。


親のように思っていた人を無くし、国に利用されて捨てられた少女がその理不尽を打ち砕き真っ直ぐに生きている。最初あった時はただの女の子だったのにこんなに大きくなった。


「はぁぁぁぁぁ!!」

「ッ! 邪魔!!」


そんな2人が俺の事を守りながら戦ってくれている。それだけで俺は胸の奥が熱くなるよ。


「シャルちゃん!」

「わかった!!」


フィーが叫ぶとシャルがその場で立ち止まった。しかしフィーはそのまま大量の的に向かって走っていく。


「フィー?」

「大丈夫!」


俺はフィーのその言葉を信じて真っ直ぐ前だけを見て進み続けた。



「集まれ魔力……私は勇者シャル、この剣に誓い大切な人たちを護る者。……輝けグロウ・セレナ! オーバー・スターライト!!」


キィィィィン!


この一撃を私はノーチェに捧げる! だから……だから蛇さん! あとは任せたよ!


バサッ……



「……任せろ」


シャル……絶対俺が全てを救うから!


「ここからさらに数が増える。シャルちゃんの攻撃である程度道が開けたけどまだ少しだけ厳しい展開か」

「うらぁぁぁぁ!!」


バコンッ!


「なっ!」

「いやぁ……遅れてすいませんでした」

「申し訳……ありません」

「わた……俺もちょっと怪我を治すのに時間が」

「エーゼルにバール! イヴィルまで!?」


俺が驚いているとエーゼルが親指で後ろを指しながら口を開いた。


「いえ、それだけではありません」

「それだけじゃ……ない?」


奥から見える砂埃……あれは。


「ノーチェ様!!」

「助けにまいりました!」


自動人形……。


「国の敵は殲滅した。あと守るべきは王だろ?」

「……馬鹿野郎」


本当にどいつもこいつも馬鹿ばっかりだ。


「指揮は任せる! 俺はあの中心にいる奴に用がある!」


俺がさくらに刀を向けて叫ぶとエーゼル達が元気よく返事をしてくれた。


「行くぞお前ら!!」

「はっ!」

「はいさ!!」


みんな……こんな所まで来てくれて。


「あぁそうだ大将、これ使ってくれ」

「ん? 御守り?」

「これはテレジアが作ってくれたものだ、幻系の魔法を無効化できる」


イヴィルは御守りを俺の服に入れた。最初は断ろうと思ったがイヴィルの目を見たら断るのもあれだと思いそのまま受け取ることにした。


「ありがとう!」

「おう!」


自動人形達の参戦は戦況を大きく変えた。数的不利をひっくり返し量産型さくらの攻撃は確実に減っていった。


「これなら」

「うん!」


さくらまでこの刃が届く。


「――ッ!? ノーチェ上だ!」


俺はフィーの声とほぼ同時に後ろに飛んだ。すると俺のいた場所には大きな穴ができていた。


「これは」


戦闘中に撃ったとは考えずらい。てことはどこかから違う攻撃が!


「……」


あいつは……。


「なに……あれ」


裏切り者と言われた6人のうちの5人、さくらと共に戦っていた仲間たち……でもなぜここに。


「あの5人は化け物だ……どうにかして」


俺がそこまで言うと5人いた敵のうち3人は溶けるようにその場から居なくなった。


「は?」

「一体何が起きてるの?」


残っているのはフィーそっくりの獣人と……昔見た事のある龍だった。


「ミー・サレリアルとドレース・ウェルス」


サレリアル家と……転生者板先 廻。この場に呼ばれた理由はなんだ。


「……とにかくあいつらを突破すればいいのね!」


そういうとフィーが短剣を持ち直して戦闘態勢に入った。


「ひとりじゃ――」

「ひとりじゃ……無理だろうな〜」


カシャン……


俺の横を通り過ぎたその人はとても綺麗で……いつか桜の木の下で見た女性だった。


「貴女……は」

「言ったでしょ? 手助けするって」


黒い美しい髪をなびかせたこの人は。


「あれ? 君には言ってなかったかな……でもうん、大丈夫。過去の人間は過去の者に任せなさい」

「ハナ……さん」


俺がその名を呼ぶとハナさんはニコリと笑ってくれた。


「ごめんね……私たちのせいでこんな思いさせて。ゼロにも悪いことしちゃったなぁ。……で、君たちが相手なんだね。ミーとドレース」


獣人と龍はその言葉に反応してハナさんに突撃した。しかし獣人は地面に伏して龍は空中で止まっていた。


「痺れ花」


一瞬で2人を。


「ここは任せて……貴女は、私の親友を止めてきて」


少しだけ悲しそうな言い方をしたハナさんを後に俺達はさくらの元へ向かった。



「そうよ、進みなさい。貴女の物語はまだ終わらない」


私たちが起こした、私たちが発端の問題に巻き込んだ。……ならせめて解決することができない私でもその手助け位はしてあげないと。


「……さぁ、やろうか!」


あの子の背中は追わせない。



「あれって」

「……ゼロに伝えてやらないとな」


多分1番会いたいのはあいつだから。


「とにかくこれで道が開けた! このまま進めば!」


さくらまでもう少し、あと少しで届くというこのタイミングで量産型のさくらが俺たちの行く手を拒んだ。これが最後の門とでも言いたげだ。


「一点突破する。俺の魔力で――」

「それはしなくていい!」


バコンッ!


声のした方を振り返った瞬間に目の前にあったはずのさくらの壁が崩れていった。


「ハクゼツ!?」

「私もいるのだけど!」


ルルまで、どうして。


「さくらはゼロとレリア、あとケルロス君で戦ってるよ」


ケルロスが……でもケルロスがハクゼツやルルより強いことなんて。


俺が不思議そうに思っているとハクゼツが肩に手を乗せて言った。


「……ケルロス君は十分に強い。それこそ我々と同等かそれ以上に」


ハクゼツは冗談を言わない。……そうかそんなに。


「わかった。ありがとう」


俺はそう言ってハクゼツの横を通った。俺を先導してくれていたフィーはハクゼツとルルの元で足止めをしてくれることになった。



「……」

「最後の挨拶はいらなかったの?」


ルルが私に近寄り心配そうに聞いてくれた。


「大丈夫……です。それに今声を聞いたら、多分耐えられないから」


ありがとうノーチェ……貴女は私の一番の親友だったよ。


現在のステータス

ノーチェ・ミルキーウェイ【星喰らい】

天月姫Lv10

所持アイテム星紅刀、楼墨扇子

《耐性》

痛覚耐性Lv6、物理攻撃耐性Lv10、精神異常無効Lv10、状態異常無効Lv10、魔法攻撃耐性Lv10

《スキル》

導く者、貪慾王ガイツ高慢王ホッファート、支配者、知り尽くす者、信頼する者、諦める者、混沌監獄(ユニオンプリズン)研究部屋(マイワールド)不達領域(リーチキャンセル)完全反転(フルフリップ)極限漲溢(ルプトゥラ)魔法無効(アンチエリア)

《魔法》

火炎魔法Lv10、火斬魔法Lv10、火流魔法Lv5、水泡魔法Lv10、水斬魔法Lv10、水流魔法Lv10、氷結魔法Lv10、風新魔法Lv7、風斬魔法Lv3、土石魔法Lv10、土斬魔法Lv9、土流魔法Lv9、回復魔法Lv10、破滅魔法Lv4、幻影魔法Lv10、闇魔法Lv10、深淵魔法Lv10

《七獄》

強欲、嫉妬、傲慢

《資格》

管理者-導く者

《称号》

信頼される者/信頼する者/導かれし者


ケルロス・ミルキーウェイ

白狼帝Lv2

《耐性》

痛覚無効Lv6、物理攻撃無効Lv5、精神異常耐性Lv5、状態異常無効Lv4、魔法攻撃無効Lv9

《スキル》

悋気王ナイト、傍観者、知り尽くす者、信頼する者、混沌監獄(ユニオンプリズン)研究部屋(マイワールド)不達領域(リーチキャンセル)完全反転(フルフリップ)

《魔法》

水泡魔法Lv5、水斬魔法Lv8、風新魔法Lv10、風斬魔法Lv10、風流魔法Lv10、稲妻魔法Lv9、創造魔法Lv7、光魔法Lv10、神聖魔法Lv9

《七獄》

強欲、嫉妬


クイック・ミルキーウェイ

冥帝土竜Lv9

《耐性》

物理攻撃無効Lv7、精神異常無効Lv4、状態異常耐性Lv6、魔法攻撃無効Lv6

《スキル》

貪る者、永久保存(アイスロック)欲望破綻(ダイエット)

《魔法》

火炎魔法Lv10、火斬魔法Lv8、火流魔法Lv3、風新魔法Lv9、風斬魔法Lv10、土石魔法Lv10、土流魔法Lv10、土斬魔法Lv10、溶岩魔法Lv10、闇魔法Lv7

《七獄》

暴食

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