24話 森人(エルフ)
投稿出来ました!
明日からは通常に戻りますのでよろしくお願いします!
前回獣王国で歴史を学んだ後、謎の存在に襲われたノーチェ、スキルはまとめられる。そしてスキルは才能で開花した時に消える。といった新しい情報を手に入れた。
「あの人外、今度あったらタダじゃ置かないからな」
腹立つ……あいつ絶対俺の事格下だから放置しとこみたいな感じだった!
「ノーチェ?」
ケルロスが少し怖がりながら声をかけてきた。
「……いや、なんでもないイライラするのは良くないよな」
俺は少し我に戻り冷静になる。
自分の不甲斐なさを理由に2人が不安になるようなことはしてはいけない。
「何があったの?」
クイックがケルロスの背中から話しかける。
「いや色々気になる情報を手に入れた」
俺はあの人外が話していた内容を少し細かく2人に説明した。
ケルロスは所々納得しては不思議そうな顔をしてクイックは全くわかっていない様子だった。
「まぁ……俺達はまだまだってことだな」
それ聞いたケルロスとクイックは少し俯いたがすぐに前を向いた。
「あぁこれからもっと強くなるさ」
「俺も2人と同じくらい強くなってみせる」
だが冷静に考えれば……あの人外圧倒的な力を持っていた。
あいつの気分次第で俺は殺されていた。
今回ばかりは見逃されたことに感謝するべきだな。
そして……今度あった時は絶対に倒す。
俺達はそれぞれが様々なことを思いつつ獣王国の領地を脱出した。
さて、強くなると意気込んだのはいいが。
何をすればいいのか全くわからん。
またダンジョン攻略でもするか? それとも地上で狩りを続けるか。
いやまずは渇望する者にスキルを与える所からか。
……才能の開花。
才能ということは開花しないことも有り得るのか。
はぁ……細かいこと考えても無駄だな。少なくともスキルは使えばLvが上がることはわかっている、なら今後もそれを繰り返せばいい。
「それで? これからどこに行くんですか?」
クイックが尋ねる。
「……考えてない!」
それを聞いた時ケルロスは少しだけ呆れた顔をしてクイックは笑いだした。
「いや……それでこそノーチェだな」
ケルロスは俺の事を静かに見つめてそう言った。
その日の夜は近くの森に簡易的な小屋を作り休むことにした。
2人は先に寝てもらい俺はあの人外が言っていた渇望する者にスキルを与えようとしていた。
いやどうやって与えるんこれ。
……ええいこうなりゃ適当じゃ。
「渇望する者、思考と集中をやる」
……。
あれダメだったかな。
渇望する者を発動。スキル思考、集中を回収します。
渇望する者がLv8になりました。
渇望する者のLvが上がりました。
魔力が上昇します。
渇望する者にスキルが与えられた為分解、融合がLv5になりました。
才能の開花……とは違うのか。
まぁ分解と融合のLv上がったし、魔力も増えたからいいか。
結局それ以外変化は見当たらないので俺も寝ることにした。
俺達は朝……悲鳴で目が覚めた。
「なんだ!?」
外から聞こえる、ケルロスとクイックは……いるな。
じゃあ知らない誰か、か。
「行くぞ」
「わかった」
「了解」
俺達は小屋から出て声のした方に向かう。
そこにはクマのような何かに襲われそうになっている少年がいた。
「水切り!」
俺はクマめがけて魔法を放った。
その魔法はクマの首と胴を離れ離れにした。
「はぁ……あっぶなぃ」
少年は俺達を見て一瞬驚いたが静かに立ち上がった。
「た、助けてくれてありがとう! けどあれくらい俺でも倒せてたからな!」
いや、嘘つきなさんな。すげぇ悲鳴上げてたやん。
そんなツッコミを胸にしまって少年に質問をする。
「君はどこから来たの?」
俺は高い所から降りて少年の元に向かう。
少年の背丈は150いや155はあるか、しかしこの背の高さにしては細いな。
「俺はここからすぐ近くにある村から来たんだ」
「村?」
そういえば本で読んだな、人の国では貴族が領地を仕切っていると。
「なるほどねぇ」
俺はケルロスとクイックに視線を向ける。
2人は何かを察してくれたのかフッと少し笑った。
「ここは危ないから村の近くまで送ってあげよう」
俺はそう言って少年を背に乗せた。
「わっ」
少年は驚きの声をあげたが背に乗ると大人しくなってくれた。
「お前達はどこ――」
「ノーチェだ」
お前達って呼ばれるのは少し嫌だったので話をさえぎり名前を伝える。
「あっごめん、俺はセルだよろしく」
セルは背中から手を伸ばして名前を教えてくれた。
「あぁよろしくセル」
俺はしっぽを伸ばしセルの手を掴む。
「村はこの辺に1つしかないのか?」
「あ〜そうだな、この辺りだと俺達の村だけかな」
セルは顎に手を当てて答えた。
情報……は手に入らないだろうな。
まぁ長居する必要も無いし本当に村の近くまで来たら引き返そう。
そんなことを考えている時だった。
森の奥でドォォンッと響くような爆発音が聞こえた。
セルの顔が段々と青ざめていった。
「村の方だ!」
真っ青な顔をしたセルが叫んだ。
その声を聞いた俺達は全速力で村に向かった。
大きめの煙が上がっている。何が起こっているんだ。
そして俺たちは村にたどり着いた。
「なっ……」
セルが声を上げる。
守りの柵が無惨な姿で壊れていたからだ。
中からは小さいがまだ爆発音が響いている。
「クイック! この子を護るんだ。ケルロスは着いてこい!」
俺はそう言って村の中に入って行った。
村を守っていた兵士だろうか? 柵の周りには死体が転がっている。
奥では爆発音と共に悲鳴と武器がぶつかり合う音が聞こえた。
俺とケルロスは音がする方向に向かっていった。
「何故だ! 我々六種族は魔族討伐のため力を合わせていたはずだろ!」
「人間が何を言うか! 貴様らが俺達の仲間を奴隷として奪っていったのでは無いか!」
剣が弾かれる。まずいと思ったが次の攻撃が放たれることはなかった。
「ここか!」
見た感じ、人間とエルフってところか。
こいつら仲良くしてたんじゃないの? なんか希望の六王とか大層な名前で結ばれてたけど。
「獣王国か!?」
エルフと思われる生き物が俺達を見て叫ぶ。
「野生の動物だよ!」
魔物っていうのはなんかやばい気がしたので動物にしとこ。
「野生の動物が何故話せるんだ!」
そう言ってエルフが矢を放ってきた。
「要塞!」
放たれた矢はケルロスのスキルにより全て弾かれた。
さっきの話の感じ訳ありっぽいんだよなぁ。
殺すのは簡単だけど……後味悪いよなぁ。
まずは交渉だ。
「話を聞く気はあるか!」
エルフ達は武器を構える、人間すらも警戒している。
あーダメだ完全にやる気満々だ。
「ケルロス……殺すなよ」
俺は小声で指示する。
「了解」
ケルロスも逞しくなったなぁ。
「全員あいつらを殺せ!」
エルフたちが剣を持って突撃してくる。
……異世界もの特有の弓だけって訳ないよなぁ。
分解
「なっ武器が!?」
分解スキルもレベルアップしてだいぶ扱いやすくなってきたな。
ケルロスは……咆哮と威圧使って気絶させてる。
後でよしよししてあげないとな。
「くたばれ!」
エルフが後ろから奇襲をかける。
「そういうのは静かにやんなよ」
拘束
「弓兵! 放て!」
「岩陣壁!」
……エルフの意識は完全にこっちを向いてる。
人間たちは……無事だな。
「何故獣王国が人間の味方をする!」
エルフの偉そうなやつが叫ぶ。
「だから獣王国は関係ないって!」
そう言いながら拘束スキルを使いエルフたちを捕まえていく。
「クソが! ――神速!」
えっ神速使えんの!?
驚いている暇は無い避けないと。
回避!
危ない……さすが神速早いな。
「強化! 神速! 斬撃!」
スキルの同時使用! こいつ強いな。
「闇裂け」
このスキルは防御系の闇魔法、攻撃を吸収して闇の裂け目に敵を入れて無力化する。
「殺しはしない、話をしようと言ってるだろ」
どうやらケルロスの方もあらかた片付いたようだ。
現在のステータス
ノーチェ・ミルキーウェイ
始祖蟒蛇Lv1
耐性
痛覚耐性Lv1、物理攻撃耐性Lv4、精神異常耐性Lv2、魔法攻撃耐性Lv1、状態異常無効Lv10
スキル
総合把握Lv6、錬金術(毒特化)Lv8、心理把握Lv3、鑑定Lv9、拘束Lv9、中型輸送Lv6、隠密Lv5、取引Lv1、探索Lv9、追跡Lv1、操作Lv1、回避Lv5、中速移動Lv5、探索阻害Lv4、悪食Lv4、不死Lv2、分解Lv5、融合Lv5
魔法
回復魔法Lv8、幻影魔法Lv5、破壊魔法Lv8、火炎魔法Lv8、水流魔法Lv10、水斬魔法Lv5、土石魔法Lv6、土流魔法Lv4、闇魔法Lv6
???
計算Lv7、渇望する者Lv8
------
神に出会った者/神を救った者/導く者
ケルロス・ミルキーウェイ
白狼Lv2
耐性
痛覚耐性Lv5、状態異常耐性Lv3、物理攻撃耐性Lv9、魔法攻撃耐性Lv5
スキル
総合把握Lv3、隠蔽Lv8、分身Lv10、探索Lv4、鑑定Lv6、限界突破Lv1、咆哮Lv8、威圧Lv2、要塞Lv2、斬撃Lv9、貫通Lv2、神速Lv1、結界Lv3、孤独Lv1、共鳴Lv1
魔法
風新魔法Lv10、風斬魔法Lv3、光魔法Lv10、神聖魔法Lv1
???
憧れる者Lv1
クイック・ミルキーウェイ
レッドモールLv9
耐性
物理攻撃耐性Lv4
スキル
探索Lv8、隠密Lv3、採掘Lv8、高速移動Lv9、体術Lv2、集中Lv2
魔法
土石魔法Lv10、土流魔法Lv10、土斬魔法Lv10、風斬魔法Lv1
???
食事Lv2