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転生先は蛇さんでした。  作者: 時雨並木
邁進編
163/261

162話 子供って難しい

まぁ本格的に授業を始める訳だが……さて何をすればいいのやら。いきなり戦うってのは脳筋すぎるしとりあえずみんなの趣味とか聞いた方が良いのかな? あっレクリエーションとか? こういう時学校の先生って何してたっけなぁ……あ〜もう少し真面目に授業受けとくんだった。

「なんかやりたいことある人挙手」

生徒に丸投げしよう。

「はい!」

手を挙げたのは少し前にも手を挙げた女の子だった。

ショートカットの青髪……確かシュクラだったかな?

「じゃあシュクラ」

「お外で遊びたい!」

いかにも子供らしい回答。

「候補にしようか」

「他には〜」

俺はクラス全体を見渡したが他に手を挙げている子は居ない。てか俺の話を聞いてない。

「じゃあとりあえず外行こうか」

自分の意見が通ったのが余程嬉しかったのかシュクラは窓から外に飛び出してしまった。

ここ3階なんだけど……。

本当にイレギュラーな子ばっかりだなぁと思いつつクラス全員に外へ出るよう言った。

俺の意見にし従って外へ向かったのはシュクラを含め7人、要するに1人の生徒は座ったまま動こうとしない。

「全員外に集合だよ」

もう一度声を掛けると読んでいた教科書を置き俺の事を見た。

紫と赤の混じった髪、見た目的に人間っぽいな。この特徴はウィラーとかいう子だったかな? 親が国のお偉いさんで教師たちも手を焼いてるって書いてたな。わがまま小僧かぁめんどいなぁ。

「俺はめんどくさいので行きません」

じゃあ俺もめんどくさいので放置します……とは言えないよなぁ。

「めんどくさいかどうかは問題じゃないんだ。外に集合って言ったら集合なんだよ」

俺の一言に目元が一瞬反応した。あれはウザがっていたり腹を立てている時に子供がよくやるやつだ。

「新しい先生だかなんだか知らないけどあんまり調子乗ってるとここに居られなくしちゃうよ」

「それは怖いな。だけど残念だね……俺はここから居なくなることは無いんだ」

沈黙が部屋を包む。ウィラーは大きなため息を着いて立ち上がった。

「あんな雑魚を躾けた位でいい気になるなよ、お前なんか俺が頼めば命だって奪えるんだ」

偉そうに上から目線でものを言っているが自分の力でどうにかできない所を考えると可愛いな。

「はいはい、君が怖いのはよくわかったからお外行こうね〜……あ? それとも俺の言ってることわかってないかなぁ〜」

クスクスと笑いながら煽り口調で話す。てか俺さっきから煽りしかしてねぇ。

「ちっ」

舌打ちをしたウィラーは足音を大きく立てながら教室の外へ出ていった。

「……はぁ、こりゃ大変だなぁ」

誰もいない教室で今後の方針と今すぐ辞めたいなぁという思考を混ぜ合わせ大きなため息に変換した。

しかし俺は教師だから……今はみんなに教育をしないといけない。今から歩いても遅れちゃうし……ここはシュクラと同じ方法で。

窓を開けてなんの躊躇いもなく地面へと飛び降りる。生徒たちは空から降ってきた俺に驚いたようで目の前にいた女の子は腰を抜かしていた。

「あっ……ごめんごめん」

腰を抜かしてしまった女の子の手を掴みグイッと力を入れる。ちょっと加減をミスってしまい女の子を抱き寄せる形になってしまった。

「またまたごめん」

? この子どっかで見たような。

「で? 何すんだよ」

ついさっき教室を出たばかりのウィラーが腕を組みながら不機嫌そうに聞いてきた。

「そうだなぁ……」

「私先生と手合わせしたい!」

君は本当に自由だね。でもまぁその案は採用かな、実際に戦えばみんなの力とかよくわかるだろうし。

「じゃあそうしようか。でもそうだなぁ……ウィラーみたいに面倒くさくてやらないって子が出てきそうだし」

顎に手を当ててどうすればみんなが戦ってくれるかを考える。

「あっそうだぁ。もし俺に一撃与えられたら今日の授業はここまででみんなを家に帰してあげるよ」

少し無茶だけど……まぁ攻撃喰らうつもりないしもし喰らってもマジで帰らせればいいかそれに……みんなやる気出たっぽいしね。

「その言葉忘れんなよ?」

「今日の授業は2時間だ〜」

「家で本……読む」

「他にしたいことがあるから……助かる」

「ん?」

全員がそれぞれ戦闘準備をしている中唯一その場に座り空を見上げる男の子がいた。

「君は戦わないのかい?」

声を掛けるとその子はゆっくりと俺を見て答えた。

「もうわかってるから無駄な体力使いたくない」

不思議な子だ。黒い髪の人間……アゼル君かな?

「もういい!? 先生!」

シュクラは戦いたくてうずうずしているようだ。

「そうだね……それじゃあ戦闘開始」

合図ともにシュクラが全速力で突っ込んでくる。俺はシュクラの腕を掴みそのまま上へと回し優しく地面に立たせる形で置いてやった。

「おっ!?」

勢いよく突っ込んだはずなのに直立している自分、目の前でニコニコしている俺。何が起きたか分からず不思議そうな顔をするシュクラ。後ろの生徒達も驚きを隠せないようだ。

しかしまぁ特殊クラス、この程度の驚きで攻撃を辞めるほど甘くない。

「ロック・ランス!」

石の槍か……これって当たれば痛いけど脆いんだよねぇ。あとは真っ直ぐ飛ぶ物体は横からの衝撃に弱い。

飛んできた石の槍の側面に指を当て起動を逸らす。ウィラーの放った魔法は後ろにある木を貫き校舎に突き刺さった。

「な!?」

威力も大きさもそこそこだけど攻撃が真っ直ぐ過ぎるんだよなぁ。戦い慣れはしてないと。

脳内分析をしていると背後から小さな何かが攻撃をしてきた。

パシッ

「ありゃ!」

「妖精か、まぁ一撃与えれば勝ちだし気配消して叩くのが1番だよな」

話しながら糸を出して妖精を近くの木に括り付ける。

「君は探すのが面倒なんでしばらくここに居てね」

「も〜!」

あの子はヴィオレッタだな。イタズラ好きで教師の私物を盗んだり隠れて人を脅かしたりしてるらしい。

「ファイヤー・アロー」

弓、エルフのナツだな。

「水鉄砲」

指先に水分を集中させて放つ技だけど……思ったより威力あるなこれ。

「うがぁ!」

「不意打ちかい」

水と炎が混ざり煙たくなった一瞬を狙ってきたな。さすが獣人。

「でも遅い!」

腹に1発、頑丈そうなんで顎にも入れといて……これで倒れるだろ。

バタン

大きいなぁ、これで13歳だもんね。びっくりだよガッシュ君。

「はい、降参」

様子を見ていた兎人が両手を上げて近寄ってくる。

「いいのかい?」

「直接戦闘は専門外だから」

キャネル……この子は不思議ちゃんかな。

「さて、残った子達はどうする? あそこで縛られてるヴィオレッタと伸びてるガッシュ……今降参したキャネルを除いて5人だけど」

やる気はあるみたいだ。でもアゼルは座ったままか、戦う気は無い様子だけど念の為警戒はしておこう。

「さっきは油断したけど今回は負けないぞ〜」

腕をぶんぶん回して準備運動をするシュクラ後ろでは新たな矢を取り出していたり魔力を込めていたりと動きは様々だ。あと気になるのはさっきから顔を隠して動かない女の子……見た目もわからないから名前も出てこないし、どうしたもんかなぁ。

「余所見してていいの先生!」

そう言うが早いかシュクラは既に俺の方へ走っていた。

「限界突破! 悪いけど先生! 私は帰って違う訓練させてもらうよ!」

地面を抉るほどの衝撃、力も凄いがあれに耐えてる体もすごいな。

「斬撃!!」

爪で放った斬撃と一緒に体当たりか。どっちかを弾けば片方の一撃を喰らうって寸法だろうが。

「ここだぁ!!」

ドゴッ!

斬撃が当たった衝撃で俺とシュクラの周りに土煙が舞う。土煙が晴れた中にはシュクラの足を掴み攻撃を止めている俺が立っていた。

「なんでだぁ!」

シュクラは納得いってない様子だ。それを見た俺は足元を指さした。

「なっ!」

俺の足元の地面には大きく抉れた跡がある。これはシュクラの放った斬撃だ。片手で斬撃払い落とし蹴ってきたシュクラも片手で止めたのだ。

「ぐぅ!! 悔しい!!」

と言いつつも体の力を抜いていくシュクラ。

「はぁ……まぁいいよ降参。あれを素手で捌かれたら今の私じゃ先生に勝てないわ」

その言葉を聞いてゆっくりとシュクラを降ろしてやる。その時だった。地面が大きく動きだし数え切れない程の木の枝が攻撃してきた。

まずい! シュクラが。

「デス・ファイア!」

はぁ、危ない。しかし誰だ仲間がいるのに攻撃かましてきたアホは。

シュクラをヴィオレッタの近くに連れていき後ろを振り返る。そこにはニヤニヤと笑うウィラーが居た。

「クラスメイトに当たったらどうする」

「クラスメイト? 知らないなぁそんなのだいたいここで何が起きようが俺の力で全て揉み消すことができる」

この子は1発キツいの入れないとダメかな。……という訳で。

「わっ!」

「きゃっ!?」

「君達2人は捕まえちゃうね〜」

ナツと謎の女の子を捕まえて縛り上げる。ウィラーは俺の動きに全く着いていけなかったらしく驚いた顔をしていた。

「2人きりだね、ここで降参したら許してあげるよ」

まぁ……降参とかするタイプには見えないけど。

「断る!」

ですよね。

「それじゃあ……やろうか」

「クソが!」

懐からなにか取り出した……手帳か? 小さい本にも見えるけど。

「三章五番十三列!!」

ウィラーが叫ぶとその足元から大量の水が溢れ出した。

「三章五番二十五列」

足元の水が浮き上がった、しかも無数の水滴になって。

「死ね!」

「―ッ!! 土壁!」

バコッバコバコバコッ!!

俺の水鉄砲と似たような魔法だけど数が多いな。このままだとこの壁も壊される。

「もう終わりか! 新任教師さんよぉ!!」

「仕方ない、君に本物の魔法を見せてあげよう」

一瞬だけ極限漲溢(ルプトゥラ)を使ってと。

「大洪水!」

土壁の前に大量の水を作り出す。驚いたウィラーは手にある手帳? を慌ててめくるが圧倒的な速度と質量で向かってくる水の塊は容赦なくウィラーを飲み込んでいった。

「よし、完勝」

少し大人げなかった気もするが、これも教育教育。子供たちよ世界とは理不尽なのだよ。あっははははは。


現在のステータス

ノーチェ・ミルキーウェイ【反逆の刃】

天月姫Lv2

《耐性》

痛覚耐性Lv6、物理攻撃耐性Lv10、精神異常無効Lv9、状態異常無効Lv10、魔法攻撃耐性Lv8

《スキル》

導く者、貪慾王ガイツ高慢王ホッファート、支配者、知り尽くす者、信頼する者、諦める者、混沌監獄(ユニオンプリズン)研究部屋(マイワールド)不達領域(リーチキャンセル)完全反転(フルフリップ)極限漲溢(ルプトゥラ)魔法無効(アンチエリア)

《魔法》

火炎魔法Lv10、火斬魔法Lv7、火流魔法Lv5、水泡魔法Lv10、水斬魔法Lv9、水流魔法Lv10、氷結魔法Lv10、風新魔法Lv7、風斬魔法Lv3、土石魔法Lv10、土斬魔法Lv9、土流魔法Lv9、回復魔法Lv10、破滅魔法Lv3、幻影魔法Lv10、闇魔法Lv10、深淵魔法Lv10

《七獄》

強欲、嫉妬、傲慢

《資格》

管理者-導く者

《称号》

神に出会った者/神を救った者/呪いに愛された者/病に愛された者


ケルロス・ミルキーウェイ

星帝白狼Lv2

《耐性》

痛覚無効Lv6、物理攻撃無効Lv3、精神異常耐性Lv5、状態異常無効Lv3、魔法攻撃無効Lv9

《スキル》

知り尽くす者、信頼する者、混沌監獄(ユニオンプリズン)研究部屋(マイワールド)不達領域(リーチキャンセル)完全反転(フルフリップ)

《魔法》

水泡魔法Lv5、水斬魔法Lv6、風新魔法Lv10、風斬魔法Lv10、風流魔法Lv8、稲妻魔法Lv9、創造魔法Lv7、光魔法Lv10、神聖魔法Lv9

《七獄》

強欲、嫉妬


クイック・ミルキーウェイ

冥帝土竜Lv2

《耐性》

物理攻撃無効Lv5、精神異常無効Lv4、状態異常耐性Lv5、魔法攻撃無効Lv5

《スキル》

貪る者、永久保存(アイスロック)欲望破綻(ダイエット)

《魔法》

火炎魔法Lv10、火斬魔法Lv8、火流魔法Lv3、風新魔法Lv6、風斬魔法Lv10、土石魔法Lv10、土流魔法Lv10、土斬魔法Lv10、溶岩魔法Lv10、闇魔法Lv3

《七獄》

暴食

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