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転生先は蛇さんでした。  作者: 時雨並木
下克上編
16/261

16話 新たな仲間

緩やかではありますが一日一日のアクセス数が増えていって嬉しい限りです!

圧倒的な速度でこちらに向かってくる何かは俺の作った防壁にぶつかった、追撃が来ると身を構えた俺達は静かになったそれを不思議に思い様子を見ることにしたのだった。



……しばらくの沈黙のち先に口を開いたのはケルロスだった。


「なんだったんでしょうか?」


ケルロスは分身を出したまま聞いてくる。

2匹の分身は未だ防壁を見つめ臨戦態勢で構えている。


「ケルロス、分身を一体向こう側に移動させてくれ。少しだけ隙間を作る」


そう言って壁に犬が入れる穴を少し作りその正体を確認しに行った。


「ノーチェ大丈夫そうですよ」


向こう側に行った犬がそう伝える。

俺はその声を聞いて土の壁を崩した。

壁の奥にはモグラが居た。

……鑑定


レッドモールLv7

耐性

物理攻撃耐性Lv4

スキル

探索Lv8、隠密Lv3、採掘Lv8、高速移動Lv9

魔法

土石魔法Lv10、土流魔法Lv10、土斬魔法Lv10


なるほど……スキルや魔法は少ないがLvは高いな。

しかしこいつ……なんというかどうするべきか。


「ノーチェどうしますこれ?」

「いやどうするって……」


ケルロスも困った様子で俺を見てくる。

しばらくの沈黙の後……。


「まぁこの強さなら2人いればもし何かあっても大丈夫だろ」


ケルロスは少し間を置いてから呆れた顔をした。


「もしかして助ける気ですか?」

「え?そうだけど」


俺はケルロスの質問に合間を置かず答えた。

ケルロスは一瞬何かを言いたそうにしたが結局何も言わずにモグラを運んでいった。



「ノーチェ……こいつ割りと重いんですけど」


ケルロスが先程から不貞腐れた声で俺に訴えてくる。

俺はその度に持とうか?と言ってるのにケルロスはもっと不満そうな顔をして断ってくる。


「持とうか?」

「……はぁいいです!」


やっぱり機嫌悪くなっちゃった。

そんなことを繰り返していた時、モグラの目が覚めた。


総合把握がLv3になりました。


ん? なんのアナウンスだ?


「……ん..あぁ、あれここは」


モグラは何が起きたか分からない様子でこちらを静かに見た。

俺が声を掛けるより前にモグラは反応した。


「うわぁ! デカい蛇! 助けてください助けてください」


モグラは酷く慌てた様子で逃げようとする。


「いやいや、食べてるなら君はもう胃の中だからね」


そんなことを言っている時違和感を覚えた。

あれ? 普通に話せている。

なるほど総合把握にはこんな使い方があるのか。


「……けど非常食にするつもりじゃ」


モグラは怯えた様子で聞いてきた。


「なら起きた時点で殺してるよ」


モグラはそれを聞くと納得したようで静かに俺たちを見つめた。


「た、確かにそうですね。どうやら助けて頂いたみたいです、ありがとうございます」


モグラは深々とお礼をした。

その間に入るようにケルロスが言葉を放った。


「……ノーチェ! もうこいつ起きたんだから運ばなくていいだろ?」


ケルロスはめちゃくちゃに機嫌が悪そうだ、証拠にさっきから少しだけグルルと唸っている。


「あ、あぁそうだねもういいよ」

「じゃあもう行こうよ」


ケルロスは俺の事を後ろから押して先に進もうとする。


「いや、せっかくだしこの子も」


そう言おうとした時ケルロスが怒った声で俺に言葉を返した


「ノーチェ! これ以上足でまといを増やしてどうするつもり!? 僕だけでも本当は無理してるのにこのままだと本当に死んじゃうよ!」


そうか……ケルロスは自分の不甲斐なさにイライラしてたのか。

それでこのモグラも助けようとしてて俺に何かあった時ケルロスじゃ何も出来ないから。


「ふふ……あははははは」

「なんだよ! なんで笑うんだよ!」


ケルロスはワンワンも激しく吠えている。


「いやだって俺の心配してくれてるんだもんね」


そういうとケルロスは少し下を向いて言った。


「そうだよ……いつも護られてばっかりで何もしてあげられない」


……ケルロスはケルロスなりに自分が何も出来ない無力感で頭がいっぱいになっていたんだろう。


「ケルロス」


ケルロスは怒られるのかと思ったのか体を少し震わせた。

俺はそれを見て静かに抱きしめた。


「ありがとうケルロス、じゃあ俺の事守れるくらいに強くなってくれよ。互いに背中預けられるようにさ」


そう伝えるとケルロスはしっぽを振って答えた。


「……当たり前だ! ノーチェを超えて! もっともっと強くなるからな!」


うんうん、ケルロスは元気な方がいいな。


「楽しみに待ってるよ」


それと前々から思ってたこと……


「ケルロス、これからは敬語やめてくれよななんだかむず痒くて」


それを聞いたケルロスは少し戸惑った顔をしたがすぐに嬉しそうにして


「わかった! これからよろしくなノーチェ」


大きな声で答えてくれた。


「それで……あのーいい感じの時にすみません自分は一体どうすれば」


あっ忘れてた。

この辺に住んでいるなら地形を知ってるかもしれない……。できれば着いてきて欲しいんだけどなぁ。


「逆に君はどうしたいかな? 俺達としてはここから出るための道案内をお願いしたいからもう少し着いてきて欲しいんだけど」


モグラは困ったような顔をして黙り込む。


「えっと……」

「自分は上の方には行ったことがなくて」


そうかぁ……テリトリー? みたいなものかな。モグラは上には行かないのか。


「てかさっき相当怯えてたし置いといた方がいいんじゃないか?」


……あ〜単純に怖いから嘘ついてるかもってことね。


「それもそうだね……無理言ってごめん」


俺達は頭を下げて外に出る為歩みを進めた。


「あ、あの!」


立ち去ろうとするとモグラが叫んだ。


「外の世界のご飯が美味しいってほんとですか!?」

「え……?」


急な質問を投げられ間抜けな声を出してしまった。


「あっ……いや多分ここよりは美味しいと思うよ」

「じゃあ空気は!?」

「外の方がいいんじゃないかな?」

「綺麗な生き物が沢山いるっていうのは本当?」

「そうだね……今の所外の生物の方が綺麗かも」


怒涛の質問を乗り越え両者が息を切らす。

少し落ち着いたモグラが深呼吸をして質問する。


「ここから出るんですよね?」

「うん」

「……自分は仲間からもおかしい奴だと思われて群れにも入れないんです……そんな生きづらいここよりも外の方がいいかなって」


俯いてしまった……仲間と一緒に居られない自分を思い返して悲しくなっちゃったのか。


「仲間がいないなら俺達と仲間にならない?」


道案内……それ以外にも色々と助けてもらおうとは思っているけどそれよりも仲間に入れて貰えないモグラが昔の自分に似ている気がして。

顔を上げて嬉しそうにするモグラ。

俺は少し不安になってケルロスを見たが呆れた様子で頷いてくれた。


「これからよろしく頼めるかな?」

「……はい! 弱くて力もないですけどよろしくお願いします!」


今は小さい力かもしれない……それでもみんなが集まれば強くなる。

……モグラが仲間になった! なんてね。

しかしモグラモグラと呼び続けるのも失礼かな。


「あのさ……名前とかあるの?」


そう聞くとモグラは不思議そうな顔をまたして答えた。


「? 名前ですか……野生の魔物には名前がありませんよ」


え?そうなの!?いやそうか、自分も名前なかったし。


「じゃあ俺が付けても平気かな?」

「付けてくれるんですか? じゃあ喜んで」


モグラは期待した目でこちらを見ている。

名前、名前、ミルキーウェイは入れるとして。


「クイック・ミルキーウェイでどうかな?」

「クイック……素早いって意味ですか?」


こ、このモグラ賢い!


「よくわかったね」

「あっいえ、昔人が落とした本を読んだことがありまして」


よく読めたねと色々突っ込みたくなるところもあるけどとりあえず置いとこう。


「それでミルキーウェイはどういう意味ですか?」

「え?」

「え?」


意味聞かれると思ってなかった……ま、まぁ苗字みたいな物だよな……。


「俺がノーチェ・ミルキーウェイだから」


そうするとクイックは少し照れくさそうに答えた。


「それは……これからずっと一緒にいるって意味になりますけど大丈夫なんでしょうか」


……!?


「ケルロス!」

「はい!」


俺はその後ケルロスに同じ苗字にする意味を知っていたのか問い詰めてしばらく説教をした。



「ごめんなさいノーチェ……」

「全く! そういう意味があるなら最初に教えてよ」


ケルロスはシュンとした顔をしている。


「あっ……いやなんか自分のせいですみません」

「いいよ、むしろ教えてくれてありがとう」


クイックは結局クイック・ミルキーウェイで決定した。

ケルロスは少し不満そうだったが……意味を黙って同じ名前にしたんだから自業自得だよな。

俺達はクイックを仲間に入れて地上を目指し進んでいくことにした。


現在のステータス

ノーチェ・ミルキーウェイ

ポイズンハイスネークLv6

耐性

物理攻撃耐性Lv4、精神異常耐性Lv1、状態異常無効Lv10

スキル

総合把握Lv2、錬金術(毒特化)Lv6、心理把握Lv1、鑑定Lv9、拘束Lv8、中型輸送Lv6、思考Lv3、集中Lv4、隠密Lv5、探索Lv9、回避Lv2、中速移動Lv5、探索阻害Lv4、悪食Lv2、分解Lv2、融合Lv1

魔法

回復魔法Lv7、幻影魔法Lv3、破壊魔法Lv8、火炎魔法Lv7、水流魔法Lv10、水斬魔法Lv1、土石魔法Lv6、土流魔法Lv3、闇魔法Lv4

???

計算Lv3、渇望する者Lv3、???


ケルロス・ミルキーウェイ

ホワイトドックLv5

耐性

痛覚耐性Lv3、毒耐性Lv3、

スキル

隠蔽Lv5、分身Lv7、探索Lv4、鑑定Lv3、強化Lv1、咆哮Lv1、斬撃Lv1

魔法

風新魔法Lv2、光魔法Lv2


クイック・ミルキーウェイ

レッドモールLv7

耐性

物理攻撃耐性Lv4

スキル

探索Lv8、隠密Lv3、採掘Lv8、高速移動Lv9

魔法

土石魔法Lv10、土流魔法Lv10、土斬魔法Lv10

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