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転生先は蛇さんでした。  作者: 時雨並木
耽溺編
150/261

149話 天月姫

進化条件を満たしました。

ノーチェ・ミルキーウェイ、ケルロス・ミルキーウェイ、クイック・ミルキーウェイ3名の進化が可能です。

俺の意識が戻り危険がないことを表した瞬間の出来事であった。この声は俺以外の2人にも聞こえたらしくそれぞれが固まったまま動かない。しかし俺がニヤリと笑いかけると2人ともそれに反応して笑いかけてくれた。

「「「進化」」」


進化を開始します。

ノーチェ・ミルキーウェイ……最終進化に移行。

天帝月夜蟒蛇から天月姫に進化しました。


……蛇の表記一切無くなったんですけど!!

そんな驚きもゆっくりさせてくれないまま俺たち3人はそれぞれの変化に驚かされることとなった。

「うぉ」

「わぁ」

「すご〜」

自分の見た目は後で確認するとしてまずはケルロス、身長は195くらいで白い髪が伸びた印象。目の色がオッドアイ、黒と白になってる。クイックの方はケルロスと並べると少し小さいけど大差は無い190ちょいくらいかな? 目に変化はなくパッと見そこまで変わった感じはしないけど魔力量が増えているのが見て取れる。

さてと……俺の方は。

「髪がもうほとんど白だね、黒と白の割合が最初とほとんど逆だよ。背丈は150cmくらい?」

ご丁寧にどうも。いやまぁ知りたい情報だったからいいんだけどさ。

「進化した時の名前は?」

「俺は星帝白狼」

「冥帝土竜」

星に関連してるのは名前が影響しているのだろうか?

「ってそんなことよりもノーチェ体は大丈夫? あと何があったのか詳しく教えて!」

「わかってるわかってる。でもそれはここが1度片付いてからでしょ?」

俺は後方に指をやる。心配そうに見つめる軍のみんなや未だ申し訳なさそうにしているルルも含めて謝って話をして、話を聞かないといけない。

「とりあえず軍の帰還はクイックとエレナが担当、テグとケルロスはここに残ってルルから話を聞かせてもらう。あっ傀儡大隊は妖精圏の被害をまとめて」

「もうまとめ終わっております。大きな被害はなく壊された壁などを修復すれば問題なく生活が可能かと」

さすが、仕事が早いな。

「じゃあそのように頼む」

ネグとドロブにそう伝えてルルの元へ近寄った。

「ノーチェ……」

「いつもの元気はどこへ行ったのかな……まぁ大丈夫。とりあえず話をしよう」

俺はルルの前に手を差し出し優しく微笑んだ。それに応えてくれるように俺の手に乗ったルルはその身を預けてくれた。

「よし。テグ! お茶の用意! 椅子は俺が作るからよろしく」

「かしこまりました」



「さて……準備はできたね」

「ありが……とう」

俯いてて元気もない、話を聞くだけではあるけどちょっと大変かもな。

「ケルロスとテグは離れた所で待機させてる。ここには俺とルルしか居ないよ」

「……私は、フィデース信栄帝国の情報をルーグント帝国に流してたんだ」

ルルの口から出た言葉は意外……ではなく俺の予想通りの言葉だった。まぁいつから? とかどこまで? とかの疑問は残るけれどルルの様子から裏切った的な言葉が出てくるのは想定していた。

「そっか」

まぁ想定通りだったんでそこまで怒ることも慌てることも無く俺はただ落ち着いた様子でテグの入れてくれたお茶を飲む。

「怒る……なんかよりも呆れだよな。私の方から同盟を結びたいって言ったのにこんなことになって。しかも情報を渡していたルーグント帝国からも用済みだと思われ国ごと潰されそうになった挙句、裏切っていた国から助けが来てそこに保護される。無様すぎてもう自分で自分のことが酷く面白いよ」

自分を呪うかのように、そして嘲るかのように渇いた笑いをするルル。俺はそんなルルに質問した。

「今の君は何者だい?」

「……」

俺の質問を聞いて固まるルル。真っ直ぐに合わせた目は逸らすことなくルルを見続ける。

「妖精圏を建て直した英雄、俺と同盟を結んでいる友。……妖精圏をめちゃくちゃにした凶悪人、俺達を裏切った背信者」

「……」

「他人から見たルルはこういう評価かもしれないけどさ自分で見たルルは何者なの?」

「え……」

俺の質問の意味がわかったのかわからなかったのかは置いておく、今は俺の言いたいことを言わせてもらうよ。

「俺だって他人から見れば勝手に国を作り、ルリアの森革命に加担して、魔王を2人討ち滅ぼして、人の国の王も殺して、龍の国と敵対しようとしているって見えるだろ? 立場に寄っては俺なんて完全な悪さ。それでも守りたいモノの為に、自分が正しいと思っている道の為に前へ進んでる。ルルはなんの為に今の道を歩いているの?」

「道……」

長年生きているルルは何を見て何を考えてどうして今こうしているのか俺には分からない。もし仮にこれから俺と敵対することになったとしてもそれを責めるつもりは全くない。ただそうだな、良き友人をまた手にかけるのは少しだけ心が痛むな。

「私は……」

ゆっくりと顔を上げたルルは何かを決めた様子で話し続けた。

「妖精圏の王、ルル・メリル。国を守る為なら何でもする。もしフィデース信栄帝国が私の国と同盟を続けるなら私を飽きさせないと誓いなさい!」

「ふふ、こりゃ随分と傲慢な妖精さんだ」

手を前にピンッと出すルル、傲慢な態度に偉そうな口ぶりだがその体は震えている。俺は震えている手を優しく握り同盟継続を示した。

「改めてよろしく」

「こちらこそ」

奥にいた2人も安心した様子だ。

その後は壊れた国を軽く修復して1度国へ戻ることになった。まぁそこそこ魔力残ってるから転移でサクッと戻ったんだけど。みんなの方が先に着いてたようで軍の整備や補給、部隊によってはもう解散しているところもあった。



「みんな色々終わったばかりで申し訳ない」

疲れているとは思うけどルリアの森で起きたことを聞かないとダメだし、こっちで起こったことも報告しないといけないからな。

「大丈夫、それよりもルリアの森で起きたことを話すよ」

フィーが1枚の紙を手に取り書いてある文章を読み出した。

「ルリアの森に攻めてきた獣人はほとんどが戦意の無いもので武器を破壊するなどの攻撃をした途端降伏を申し出たよ」

なるほど……今回の作戦は獣王国が中心となっていると踏んでいたがあっち側はそこまで乗り気じゃなかったのかもな。

「あと……あ〜! もうエリーナ! これ読みにくい〜!!」

「フィーが書くのサボるから私が書いたんでしょ! そんなこと言うなら最初から自分で書いてよね!」

あっ……フィーにしては真面目だなぁと思ったらエリーナが書いてたのか……通りで普段フィーが使わないような言葉が沢山出てきた訳だ。

「やだぁ! めんどくさい〜!!」

「はぁ……進まないから私が読むわよ」

フィーが持っていた書類を少し強引に奪い取り呆れた様子でエリーナが続きを読み始めた。

「獣王国の兵士は捕虜として捕まえたわ、あくまで私達は助けに来た援軍だし、捕虜の措置はルリアの森に一任。まぁそんなに酷いことはしないと思うけれど。」

面倒事に首突っ込むのはごめんだからな。

「あと少しだけ獣人から話を聞いたけど今回の戦は国内でも賛否両論あるらしく獣王が反対派、貴族? まぁ政治のお偉いさん達は賛成派と分かれているみたい」

「? 獣王が反対してるならいくら偉い奴らが賛成でも大きく動けないんじゃないか?」

良い質問だイヴィル

「獣王は昔のルリアの森と同じで政治には関わってないんだ。だから軍隊を動かせるのは獣王じゃなくてお偉いさんの方なんだよ」

博識ですねケルロスさん。てか前リーベさんもこんなこと言ってたな。

「なるほどねぇ」

「まぁルリアの森を攻めてた獣王国兵士も何か報せ?みたいのが飛んできたからか知らないけど全員撤退したみたいだし、それからしばらく待ってても動きなかったんで1度帰ってきたって感じね」

恐らくルーグント帝国の撤退で獣王国も引くことを選んだんだろうな。

「よし、わかった。それじゃあこっちであったことだが」

「俺が説明するよ」

「あっ……うんお願い」

俺よりもクイックの方が上手く説明できそうだしな。あと俺は今回の戦いで起きたある件の話をしないといけないし。



「とまぁこんな具合かな、途中で現れたノーチェに似ている誰かの正体がルーグント帝国の皇帝、クレアシオンってわかったのは大きな収穫だったけど」

クイックが一瞬だが俺の方を見る。

はい……ギリギリまで黙っててすみません。

「じゃあノーチェ……俺達と戦ってる間に何があったのか説明して?」

「あっ……はい」

怒られてはないんだろうけど自分のことを後回しにしてルルと話したり軍隊の心配したりでもっと自分を大切にしろ的なところでクイックは少しイライラしてるのかも。

「じゃあ……何があったのか話していくね」

俺の一言に周りの視線が一気に傾いたのを感じた。


現在のステータス

ノーチェ・ミルキーウェイ【反逆の刃】

天月姫Lv1

所持アイテム星紅刀、楼墨扇子

《耐性》

痛覚耐性Lv6、物理攻撃耐性Lv10、精神異常無効Lv8、状態異常無効Lv10、魔法攻撃耐性Lv8

《スキル》

貪慾王ガイツ高慢王ホッファート、支配者、知り尽くす者、信頼する者、諦める者、混沌監獄(ユニオンプリズン)研究部屋(マイワールド)不達領域(リーチキャンセル)完全反転(フルフリップ)極限漲溢(ルプトゥラ)魔法無効(アンチエリア)

《魔法》

火炎魔法Lv10、火斬魔法Lv6、火流魔法Lv1、水泡魔法Lv10、水斬魔法Lv9、水流魔法Lv10、氷結魔法Lv10、風新魔法Lv7、風斬魔法Lv3、土石魔法Lv10、土斬魔法Lv8、土流魔法Lv9、回復魔法Lv10、破滅魔法Lv1、幻影魔法Lv10、闇魔法Lv10、深淵魔法Lv10

《七獄》

強欲、嫉妬、傲慢

《資格》

管理者-導く者

《称号》

神に出会った者/神を救った者/呪いに愛された者/病に愛された者


ケルロス・ミルキーウェイ

星帝白狼Lv1

《耐性》

痛覚無効Lv6、物理攻撃無効Lv3、精神異常耐性Lv5、状態異常無効Lv3、魔法攻撃無効Lv9

《スキル》

知り尽くす者、信頼する者、混沌監獄(ユニオンプリズン)研究部屋(マイワールド)不達領域(リーチキャンセル)完全反転(フルフリップ)

《魔法》

水泡魔法Lv5、水斬魔法Lv6、風新魔法Lv10、風斬魔法Lv10、風流魔法Lv8、稲妻魔法Lv9、創造魔法Lv7、光魔法Lv10、神聖魔法Lv9

《七獄》

強欲、嫉妬


クイック・ミルキーウェイ

冥帝土竜Lv1

《耐性》

物理攻撃無効Lv5、精神異常無効Lv4、状態異常耐性Lv3、魔法攻撃無効Lv5

《スキル》

貪る者、永久保存(アイスロック)欲望破綻(ダイエット)

《魔法》

火炎魔法Lv10、火斬魔法Lv8、火流魔法Lv3、風新魔法Lv6、風斬魔法Lv10、土石魔法Lv10、土流魔法Lv10、土斬魔法Lv10、溶岩魔法Lv10、闇魔法Lv3

《七獄》

暴食

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