15話 渇望する者
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パチパチ( 'ω'ノノ
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いやぁ嬉しいですねぇ。
まだまだ続きますのでこれからもよろしくお願いします。
「しばらくはここで休憩かな」
お腹が膨れた俺はそう言って暖かい草に寝そべった。
「そーですねぇ〜」
ケルロスも可愛らしく犬特有のまとまり方をして休んでいる。
もちろんここでゆっくり休むのだが、あの骨が気になる。
老衰か? それともここに運ばれてきたのか?
もしくは致命傷を負ってここまで逃げてきた?
まぁ考えても答えが出るはずもないので考えるのはやめてとりあえず寝ることにした。
……どのくらい寝ていただろうか、久しぶりのゆっくりした睡眠だったので体が楽になった。
ケルロスはまだ寝てるな。
まぁあれだけギリギリの環境にいたんだ。無理もないか。
そう考えていると俺は骨だけになった龍が気になり近付いていた。
近くで見ると改めてその大きさに驚かされる。
俺なんて生きている時にこんな龍に出会えば歩いてるだけで殺されてしまうだろうとそう思った。
そして興味が湧いた、この龍は欲する者で回収出来るのだろうか?
生命体は欲する者で回収することはできないことがわかっていた。
しかしもしこれを回収することができるなら、そう思うと体が勝手に動いていた。
「欲する者」
欲する者のスキルによって龍の残骸が回収されてゆく。
しかし異変はその残骸を半分程度回収した時に起こった。
欲する者のスキルLvが最大になりました。
欲する者が渇望する者に進化します。
進化完了。
渇望する者の能力によって魔力が半分以下になります。
「あっ……がぁ…….うぅ…….はぁ、はぁ、」
そう聞こえると体が針に刺されたように痛くなった。
魔力が半分まで下がっている。
まさかバットステータスを与えるスキルだったか……。
迂闊だった、特殊スキルか何かと思っていたがこんなことになるとは……。
しかしその直後その考えは打ち消されることとなる。
渇望する者により残りの骨を回収します。
渇望する者がLv3になりました。
渇望する者のLvが上がりました。
魔力の一部を返還します。
返還……?
どういうことだ、渇望する者。
こいつの欲しいものを与えられないとステータスから差し引かれる……ってことか?
なるほどならただのダメスキルって訳じゃ無さそうだ。
「いいぜ、渇望する者か。俺がお前の望むもの渡してやるよ」
俺はそう言って龍の残骸があった場所から離れていった。
……----龍を渇望する者により回収しました。
???の資格を会得
認知不可、一定Lvに達していないためこの確認不可。
一定Lvになり次第再度通知。
渇望する者であのでかい龍を回収したはいいが、この後どうするかだよなぁ。
謎の広い空間にぶち込まれて出口は来たところしか無さげだし。
「どうしようって顔ですね」
「うわぁ!」
「驚いた顔頂きました」
そこにはさっきまでゆっくり寝ていたケルロスがいた。
「考え事もいいですけどここまで近付かれて気付かないのは危ないですよ」
ケルロスは少し呆れた顔で言ってきた。
「ごめんね、つい」
これは集中スキルのせいなのか? さっきのスキルみたいにマイナス的な作用を果たすスキルがないとも言いきれない。
「まぁいいですけど、それとどうします? この後」
「あー……まぁ最悪土石魔法で上に穴開けて脱出かなぁ」
まぁ魔法力回復する果物あるし、何とかなるとは思うけど。
そんなことを考えているとケルロスは俺たちが来た方向から見て左側を指さした。
「あっちに小さいですけど入れるところがありますよ」
そう言ってケルロスはそちらに向かっていってしまった。
病み上がりなのに元気だなぁ、と思いつつケルロスについて行く。
「ここからなら2人でも出られますね」
そこには人間には通れないが、俺とケルロスならギリギリ通れるであろう穴が空いていた。
……まぁここにいつまでも居てもどうにもならないし。
「わかった……ここから地上を目指そう」
けど、その前に錬金術スキルで作った袋に果実を何個か入れて……よしこれで平気だな。
最初の穴は狭かったが中はそうでもなく小さな子供なら走り回る位のスペースはあった。
まぁ、狭いより広い方がありがたいし。
そんなことを考えているとケルロスが立ち止まった。
「どうした?」
俺はケルロスの隣に行って確認をする
「あれは魔物ですね。」
ケルロスが指さした先には大きな岩があった。
しかし下の方を見てみると指のようなものが見えている。
……鑑定
ビッグロックタートルLv2
測定不能
鑑定Lvは高いが俺のLvが低いせいで最後まで確認できない。
「測定不能が作ってことは恐らく格上だ、気づかれないように逃げよう」
そう言って俺の隠密とケルロスの隠蔽を使いそこから離れることにした。
……ここにいる魔物は俺たちが森で何とか倒してきた敵たちより圧倒的に強い。
蜘蛛の時みたいに経験値稼げたらいいなと少し思っていたが、そんな望みは捨てた方がいいな。
「ケルロス」
「はい? なんですか?」
ケルロスは前を向いたまま答える。
「ここの魔物は圧倒的に強い、もし見つけても静かに逃げるのを最優先にしよう」
臆病かもしれないが、生きていなければ意味が無い、それは蜘蛛との戦いで痛いほどわかった。
「……分かりました。その時は僕がノーチェを守りますね」
ケルロスは俺の事をじっと見つめたと思ったら少しだけ前に行ってしまった。
……そういう事じゃないんだけどなぁ。
と思いながらもしもの時は無理やりにでも連れて逃げるとノーチェは強い意志を持ったのであった。
「結構な距離を歩いたと思うが……」
俺が独り言をつぶやくとケルロスがくるりとこちらを向いた。
「?もしかして疲れましたか」
ケルロスはそっとこちらに近付く。
「いや疲れたわけじゃないんだけどなんか……風景に変化がなくて」
まぁなんというか退屈になってきたわけだ。
「あ〜……まぁ外と違って新しい発見とかありませんからねぇ」
ケルロスも頷いていた。
まぁ……今までがやばかっただけで普通はこんなものか。
「……変わり映えはしないけど地上に出ないと話にならないからな」
「そうですねサクッと抜け出しましょう」
そういうとケルロスは前を向いて再び歩き出した。
……その瞬間探索にものすごい勢いで突っ込んでくる何かが認識された。
それはこちらに一直線で向かってくる。
「ケルロス!」
俺はケルロスの名を叫び飛んでケルロスを捕まえ逃げ出した。
ケルロスは困惑した様子だが今そんなこと気にしてる場合じゃない。
この速度、本当に生物か? だとしたら逃げきれない……。
「……ケルロス!」
俺はケルロスを降ろして言った。
「凄い勢いでこちらに向かってくる何かがいる、こいつから逃げるのは無理そうだ。倒していくぞ」
そう言い切るのが早いか俺は土流魔法を使い最高強度の壁を作った。
ケルロスも俺の言葉を理解してくれたらしく分身を使い迎撃体制に移る。
準備が出来て数秒……その何かはドゴッ! と大きな音を立てた。
追撃が来ると恐れていたが……その音がもう一度鳴ることはなかった。
現在のステータス
ノーチェ・ミルキーウェイ
ポイズンハイスネークLv6
耐性
物理攻撃耐性Lv4、精神異常耐性Lv1、状態異常無効Lv10
スキル
総合把握Lv2、錬金術(毒特化)Lv6、心理把握Lv1、鑑定Lv9、拘束Lv8、中型輸送Lv6、思考Lv3、集中Lv4、隠密Lv5、探索Lv9、回避Lv2、中速移動Lv5、探索阻害Lv4、悪食Lv2、分解Lv2、融合Lv1
魔法
回復魔法Lv7、幻影魔法Lv3、破壊魔法Lv8、火炎魔法Lv7、水流魔法Lv10、水斬魔法Lv1、土石魔法Lv6、土流魔法Lv3、闇魔法Lv4
???
計算Lv3、渇望する者Lv3、???
ケルロス・ミルキーウェイ
ホワイトドックLv5
耐性
痛覚耐性Lv3、毒耐性Lv3、
スキル
隠蔽Lv5、分身Lv7、探索Lv4、鑑定Lv3、強化Lv1、咆哮Lv1、斬撃Lv1
魔法
風新魔法Lv2、光魔法Lv2