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転生先は蛇さんでした。  作者: 時雨並木
下克上編
13/261

13話 分解

「あああああああああああ」


どうも皆さん蛇です。

ただいま俺はとんでもない速度で穴を落ちてます。

やばい! 思ってたより深い、水飛沫で着地できると思ったがこれは無理だ!

水は高すぎるところから落ちるとコンクリートと同じレベルの強度を持つと聞いたことがある。

少なくともこの速度で今の高さ絶対死ぬ。


油断を会得しました。

油断が2度目の会得のため特殊スキルを解放。

計算を会得。


油断したのに計算ってなんやねん!

なんだこのスキルでもっと知的に立ち回れってか!?

やかましいわ!

けどまぁナイスだこの新スキル使わせてもらう!


「計算!」


……は?


「計算!」


あ〜あれか貯蓄と同じで俺が何かしないとダメなのか。

今からここで! 計算しろと!?

できるかそんなもん!

いやてかほんと死ぬどっか引っかかる物ないか?


「ええい! やけくそだもぉー!」

「毒糸!」


引っかかれ引っかかれ何処でもいい早く何か。


錬金術(毒特化)がLv4になりました。


ありがたいから早くどっか引っかかってくれ!

あー!! 地面見えてきたやばいやばいほんと死ぬまじ死ぬ!

……一か八かだ!


「毒糸、蜘蛛の巣バージョン!」


さらに錬金術で大量のクッションを配置!

水流魔法と土流魔法を活用して泥沼生成!

これで死んだら仕方ない俺は頑張った!


第1の蜘蛛の巣作戦は速度が少し遅くなる程度しかし蜘蛛の巣とクッション作戦はそこそこ成功、少しバウンドしたおかげでだいぶ速度が落ちた。

あとはもう沼に任せるしかない!


「大丈夫! 行ける!」


俺はそう信じて地面に激突した。



…….。

グチャリと音がした後泥沼から蛇が這い出てきた。


「よし! セーフ」


いやグッチャグチャだけどまぁ死ぬよりマシだろ。

魔法力は減ったが体は無事だ。

いや俺すごい、よく生き残った。


錬金術(毒特化)がLv6になりました。

水流魔法がLv9になりました。

土流魔法がLv2になりました。

Lvが上がりました。

ポイズンハイスネークがLv5になりました。

計算がLv3になりました。


おぉ〜Lvも結構上がったしまぁ良かった良かった。

ってそんなことよりケルロスはどこだ!?

探索……反応はある。


「おーいケルロス〜?」


俺は探索で反応があった方向に向かって行った。


「ケルロスや〜出ておいで〜」


反応自体は近くにあるんだけどなぁ。

そんなことを考えていると上から冷たい何かが落ちてきた。


「うわぁ!」


水? 液体が頭にピチャリと当たった。

俺はしっぽで頭の液体を触る。

少し粘着質な液体のようだ。

……なんだこれ鑑定。


毒液


毒液……え? 毒?

……いやぁいきなり毒液は殺意高くない?

と思いながら毒液を払っていると上から大量の液体、毒液が降り注いできたのだ。


ザバァ!


……そこには紫の少しネバネバした液体で全身をコーティングされた蛇が佇んでいた。

あっそうか状態異常無効のおかげで毒効かんのか。


「で誰や!」


俺の事こんなにベッタベタにしやがって絶対ぶん殴ったる!

……俺は上を見たことをものすごく後悔した。

そこには隙間なく集まっている蜘蛛たちがカチカチと嫌な音を立てて俺を見ていた。


……あっこれは数が多すぎ。

考えるよりも先に体が動いた、いくら毒が効かないとはいえあの量の敵を倒し切れると思えない。


「無理無理無理無理あんな数どうすんだよ!」


しかし蜘蛛たちは俺を追いかけてこない。

様子が変だこんな奥地にいる蜘蛛だ、相当に飢えているのでは無いかと思ったのだが。


「毒が効かないとわかって追ってこないのか?」


鑑定

ポイズンスパイダーLv3

ポイズンスパイダーLv8

ポイズンスパイダーLv7

ポイズンスパイダーLv5

ポイズンスパイダーLv4

ポイズンスパイダーLv8

ポイズンスパイダーLv9


頭痛い!

いや多すぎる多すぎる!

要するに毒蜘蛛だな。

全体的にステータスはケルロスと同じくらいか。

タイマンなら負けないだろうがあの量はなぁ。

それに追ってこないなら戦う必要も。

……いや待てあの奥にケルロスの反応がある。

なるほどそういう事か……あの毒液でケルロスを弱らせて巣の奥に運んだのか。


「そういうことなら許せないなぁ」


本当は戦いたくないが……あいつらは俺に攻撃をまだしていない。

それに、倒し方ならいくらでもある。



「よし! まずはあいつらを巣から引きずり出す!」

「水流魔法、洪水!」


巣穴に大量の水を流し込む、ケルロスには申し訳ないが少しだけ耐えてくれ。


そして少し時間が経った後奥から大量の蜘蛛たちが出てきた。

ドドドドドドと地響きが巣の中を揺らす。

正直すごい怖いが巣穴の出口はひとつ……なら罠を設置するしかないでしょ。

俺は巣穴の少し外で待機、この魔法を放ったのは俺であることを知っている蜘蛛たちは周りをよく見ずに俺に突っ込んでくる。


「少し卑怯だがそこには罠があってな、足元に気をつけるんだな。」


最前列にいた蜘蛛達は俺の幻影魔法で穴の空いた地面に気づかず落ちていった。

下には無数の刃を設置、体力が少ないからこれだけでも十分死ぬ威力だ。


「さあどんどんこい。」


しかしそう上手くもいかなかった。

どうやら蜘蛛は特殊な情報共有システムがあるらしく

最初の数百匹を倒してからは横の壁をつたいながらこちらに向かってきた。

まだまだ数が多いな。


「まぁけどそのくらい計算してたっての!」


順調に進軍していた蜘蛛たちは急に動けなくなり驚きの音を出した。


「横の壁には粘着シートを貼らせてもらった、ゴキブリホイホイならぬスパイダーホイホイだぜ。」


あとは消化試合だ、破壊魔法、土石魔法、土流魔法、水流魔法、火炎魔法、様々な魔法をぶち込みまくる。

魔法力も結構消費するが今のままなら押し切れる。

経験値も手に入るしスキルレベルも上がる。

これはいい狩場だな。


そう……俺は油断していた。ただ突っ込んでくるだけだから。

冷静に考えるべきだったんだ。

巣があるなら主がいるはずだ、この蜘蛛たちが主と認める強い蜘蛛がいるとその可能性を俺は失念していた。


後ろから咆哮が聞こえる。

状態異常無効と精神異常耐性のおかげで特段変わりはなかったが後ろを振り向いた時俺は絶望した。

体長30mはあるだろう巨大蜘蛛がそこには立っていた。

直感した、考えるより先に本能が理解していた。

これが主だ。

子供を大量に殺されて怒っている。



鑑定!


-------------スパイダー

測定不能

測定不能

測定不能

測定不能

測定不能

測定不能

測定不能



……まじか。

あの人間すらLvとなんか職業は見れたぞ。

あれよりも格上……無理だ恐らく、いや絶対に勝てない。

どうする、逃げるか? どうやって後ろは蜘蛛の巣、前には母蜘蛛。

後ろの蜘蛛への攻撃も止まっている。いずれ攻撃してくる。

ケルロスを助けないと、生存方法は、倒せるのか、逃げられるのか?


思考と集中を最大限使い回す、しかしいい案は思い付かない。

母蜘蛛は痺れを切らしたのか俺に向かって尖った前足を振り下ろした。


ダメだ防御できない、回避スキルを!

間に合わない直撃する、あれは死ぬ、当てられたら一撃で死ぬ。謎の直感が走る。

ここで終わるのか……俺はここで。

嫌だ、死にたくないこんな所で死にたくない!

生き残るんだ、この世界で生きて、生きて、生きて、絶対に生きてやる!


それは蛇の本能だったのか、俺の願望だったのか、そんな生物であるなら思うであろう願いは謎の声に聞き届けられた。


欲する者の条件達成。分解と融合が使用可能になりました。

分解を発動。


その声を聞いた瞬間、振り下ろされていた腕が消えていた。

なっ……これが分解の力? なのか。

俺はもう一度分解スキルを使おうとした。

しかし分解スキルはクールタイムかわからないが使えなくなっている。

おそらくはあれが限界なんだろう。しかしLv1であの威力、破壊魔法にも引けを取らないってそんなこと考えてる場合じゃない。


とりあえずさっきの攻撃で母蜘蛛は怯んでいる。

選択肢は2つ、このまま母蜘蛛と戦うか巣の奥に逃げ込むか。

…….いや母蜘蛛と戦うのはダメだな、分解スキルが使えるならまだ可能性は高いがあれが限界となると倒すのは不可能だろう。

なら……。


「よしここまで来たら絶対助けてやるからな! ケルロス!」


俺はそう叫び中速移動を使用して最大速度で巣に突っ込んでいった。


現在のステータス

ノーチェ・ミルキーウェイ

ポイズンハイスネークLv6

耐性

物理攻撃耐性Lv4、精神異常耐性Lv1、状態異常無効Lv10

スキル

総合把握Lv2、錬金術(毒特化)Lv6、心理把握Lv1、鑑定Lv9、拘束Lv8、中型輸送Lv6、思考Lv3、集中Lv4、隠密Lv5、探索Lv4、回避Lv2、中速移動Lv5、探索阻害Lv4、悪食Lv2、分解Lv1、融合Lv1

魔法

回復魔法Lv7、幻影魔法Lv3、破壊魔法Lv8、火炎魔法Lv7、水流魔法Lv10、水斬魔法Lv1、土石魔法Lv6、土流魔法Lv3、闇魔法Lv4

???

計算Lv3、欲する者Lv1、???


ケルロス・ミルキーウェイ

ホワイトドックLv5

耐性

痛覚耐性Lv3、毒耐性Lv3、

スキル

隠蔽Lv5、分身Lv7、探索Lv4、鑑定Lv3、強化Lv1、咆哮Lv1、斬撃Lv1

魔法

風新魔法Lv2、光魔法Lv2

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