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転生先は蛇さんでした。  作者: 時雨並木
狂愛編
124/261

123話 盛られた毒

七獄スキルやら何やら解放されて昨日は混乱したけどずっと悩んでる訳にもいかない。何故こんなことになったのか謎は多いが本日はゼクス・ハーレスのある日。弱みを見せるのも程々にしないと。

「準備できた?」

「うん……ってまぁ慣れない服装だから少しあれだけど」

「セナの件もあるし少しは真面目な服着ないとね」

と言ってもこれが威圧とかになるかはわかんないけど。

白いシャツを着て上に黒を基調としたコートをつける。

ネクタイもつけてまぁピシッとした感じを出して……まぁズボンは普通のズボンやね。あとはまぁ腰にそれっぽいベルト斜めに付けて……テグから貰った拳銃を隠して入れれば完成!

いや……厨二病か!! まぁエレナの言うことを聞いた時点で俺の負けか……。

ちなみにケルロスは腕が窮屈だって言うから半袖になったらしい。

てか俺よりも服ラフじゃない?

こう畏まった感じの服は俺も得意じゃないのに。

「準備は終わりましたか?」

「……あぁ、終わったよ」

唐突に現れたワニの獣人を見てケルロスが拳を強く握る。

「君はリーベさんの所にいた従者だよね」

ケルロスを止めながら尋ねた。

それを聞いたワニの獣人が驚いた様子を見せた。

「その通りでございます。本日のゼクス・ハーレスは主催がリーベ様というのもあり私が魔王の皆様を案内しております」

リーベさんの部下とは思えない丁寧さ。

「それじゃあ……よろしく頼もうかな」

「はっ」

ワニの獣人はその場に跪き謎の印を書いた。すると地面から見慣れた闇が顕現した。

「どうぞ」

俺たちはワニの獣人の誘導に従い進んで行った。



闇が開くと見慣れた会議場が現れた。

「って……俺達が最後かい」

まぁこの中じゃ新しい奴だし……全然最後でいいけど……うん! 全く気にしてないけどね!

そんな虚勢を張りながらいつもの席に座り込む。それと同時にゼロが話し出した。

「今回のゼクス・ハーレスは案内役のドルが言った通りリーベ主催のものだ」

あのワニさんドルって言うのか。

「本日はわざわざ集まってくれてありがとうなぁ〜」

手を振りながら挨拶するリーベさん……特に俺に手を振ってますねこれは。

「従者まで連れてこられたら行くしかないよね〜」

小学生がよくやる椅子を後方に偏らせる遊びをしながらセナが答える。

「リーベが主催っていうのも珍しいからな」

相変わらず渋い声ですねハクゼツさん。

「……」

あのエルフはドッキリとかしたら声出すかな?

とまぁそんなくだらない妄想をしながらリーベさんの話を聞いていると……とんでもない話題が飛び込んできた。

「まぁ……みんなに集まって貰った理由じゃかのぉ。……愛す者として決断したことがあるのじゃ」

全体の雰囲気が変わる。先程の柔らかな空気はなくなりゴツゴツとした固く思い空気感に晒される。

「それは?」

ゼロもいつになく真面目な感じだ。セナも椅子で遊ぶのをやめて机に手を置いて真剣に聞いている。

「……ノーチェ・ミルキーウェイの管理者権限を解除したいのじゃ」

……。

沈黙……俺も正直何を言われているのか全く理解できなかった。

「その理由は?」

ゼロが質問する。そうだ……理由だ! 俺も気になるし。

「理由はのぉ。ワシが……そうこのリーベ・エタンセルがノーチェを愛してしまったからじゃ」

何を言ってるんだ……とツッコミを入れたいが今の話を聞いても緊張した空気は解けない。全員がただ黙りリーベの話を聞いている。

「そうか……それなら致し方ない」

「じゃろ〜。という訳で……ノーチェ・ミルキーウェイ、承認してくれるよな?」

優しく微笑むリーベさん……だがその笑顔の裏には本能的な恐怖を呼び起こす何かが隠れていた。

「……悪いが俺は誰のものでもない」

それを聞いたリーベさんの目が一瞬獣の目に変わる。

「そりゃ……残念じゃのぉ。どうすればノーチェはワシのモノになってくれるのか」

席を立ちゆっくりと歩き出すリーベ。

「う〜ん……国がなければ良いかのぉ……仲間がいなければ良いかのぉ……友を失えば良いかのぉ……家族を……殺せば良いかのぉ」

バンッ!

立ち上がり机を叩く。さすがに……いくらリーベさんでも。

「冗談にしては言い過ぎだ……」

立ち上がった俺を見てニヤリと笑うリーベ……。しかし直ぐに後ろを向いて高い声で優雅に話し出す。

「魔王にはそれぞれ役割があると前言ったじゃろ? ワシは愛す者……その名前を口に出しお主を愛すと言ったんじゃ。それを拒否するということは……導く者、ノーチェ・ミルキーウェイとしてこのワシと戦いをするということじゃぞ」

「リーベさん……あなたには色々良くしてもらった。恩とは違うがそれでも感謝はしている。だからこそ……今ここでその発言を撤回してくれ」

立ち止まるリーベ……ゆっくりと振り返る、その時の顔は被虐と冷酷さ溢れる嫌な笑顔だった。

「決まったな」

ゼロの一言により普段の会議場が全く違う雰囲気に変化した。

「ここは?」

「……ここは血儀の間。分かりやすく言えば決闘場だ」

「なっ! 待て! 俺は戦うなんて言ってないぞ!」

それにケルロスを巻き込む訳にはいかない!

「もう無理だよ。こうなったら勝負が決まるまでこの結界は壊れない」

陽気なセナが低い声で伝える。

ハクゼツとレリアも黙って俺達を見守っている。

「……わかった! 戦うのはいい! だがケルロスを外に出してくれ! リーベさんの従者であるドルは外に居るじゃないか!」

そう……俺はこの時点で重大な見落としをしていた。こんなことを言ってケルロスが黙ってる訳ないんだ……普段のケルロスなら「俺も戦う!」って叫ぶに決まってたんだ。

ザシュ!

「は!?」

リーベさんは……動いてない。他の魔王だって結界の外だ。

俺は脇腹に刺さった何かを見て動揺を隠せなかった。

「ケル……ロス?」

腹に刺さっている腕は……何度も見たことがあるケルロスの腕だった。

グシャ……。

引き抜かれた腕には俺の血が大量に着いておりピチャピチャと音を立てながら地面に垂れていく。

「はぁ……はぁ……」

「おやまぁ……仲間に裏切られるなんて……可哀想じゃのぉ」

扇子で口元を隠しているが笑ってるのバレてるからな。

でも……そんなことより俺はブチ切れてることがある。

「お前! ケルロスに何をした!!」

「はて……なんの事やら」

恐らく俺がいなかった3日間の間……ケルロスに絡んでい

3日間の間に何かをしたんだ。

ドゴン!

「くっそ!」

また攻撃を開始したケルロス。

相手がケルロスじゃ俺も強気に攻撃できない。それに……今はいいけどリーベが動き出したら俺もまずい。

「とにかく回復を……」

「させぬ!」

リーベが扇子を動かすとそれに連動するようにケルロスが攻撃を仕掛ける。

ダメだ……回復出来るタイミングがない!

だけど今のではっきりした。確実にリーベがケルロスを操っている。

ならば!

「支配者!」

魔法の支配権をリーベから俺に移す!

しかし俺のスキルは発動することなくケルロスの攻撃だけが続いた。

「なっ!」

「残念じゃかノーチェ……そのスキルは使えんぞ」

俺の戦いを見ながら呑気にリーベが説明を初めた。

「支配者……空間や魔法、魔力をも支配する協力な技じゃが……ワシの持っている愛執者は全ての者の魔力を平等化する。故にいくらノーチェがワシと狼の間に繋がっている魔力権限を移そうとしても平等化された魔力量ではただの引っ張り合いしか起きん。となれば……元々結びついていたワシの魔力の方が繋がり的に強くなってしまう」

……なんとなくだが言ってることはわかった。要するに俺が魔力を抜いてこっちに移そうとしても平等化されてるんで俺はこれ以上移せないってことだろ? 最悪だな。

「おい! ケルロス!! 目を覚ませ!」

後出来ることはこんなもんか? いや……他にも何か方法があるはずだ。スキルなら魔力限界だってあるはず。絶対に……絶対どこかに隙が。

「希望に溢れた目をしておるのぉ……まだ諦めておらんのじゃなぁ。だが……お主の考えはなんとなく分かるぞ。狼を操る為に魔力を使ってるとでも思っておるのじゃろ? 残念じゃがその狼を操ってるスキルは魔力を消耗せん。いや正確には繋ぐ時は必要じゃが繋いだあとはもう要らんのじゃ」

「そうですか! そりゃご丁寧にどうも!」

いよいよケルロスも爪を使い始めた……。

さすがに俺もずっと素手のまま戦い続ける訳にいかないか。

俺は致し方なく腰にかけている星紅刀を抜いた。

ケルロス……絶対元に戻してやるからな。


現在のステータス

ノーチェ・ミルキーウェイ【反逆の刃】

天帝月夜蟒蛇Lv6

所持アイテム星紅刀

《耐性》

痛覚耐性Lv6、物理攻撃耐性Lv9、精神異常無効Lv8、状態異常無効Lv10、魔法攻撃耐性Lv8

《スキル》

支配者、知り尽くす者、信頼する者、諦める者、混沌監獄(ユニオンプリズン)研究部屋(マイワールド)不達領域(リーチキャンセル)完全反転(フルフリップ)極限漲溢(ルプトゥラ)魔法無効(アンチエリア)

《魔法》

火炎魔法Lv8、火斬魔法Lv1、水泡魔法Lv10、水斬魔法Lv9、水流魔法Lv10、氷結魔法Lv10、風新魔法Lv5、土石魔法Lv10、土斬魔法Lv8、土流魔法Lv9、回復魔法Lv10、破壊魔法Lv8、幻影魔法Lv10、闇魔法Lv10、深淵魔法Lv10

《七獄》

強欲、嫉妬、傲慢

《資格》

管理者-導く者

《称号》

神に出会った者/神を救った者


ケルロス・ミルキーウェイ

赫々白狼Lv9

《耐性》

痛覚無効Lv6、状態異常耐性Lv10、物理攻撃無効Lv3、魔法攻撃無効Lv9

《スキル》

信頼する者、不達領域(リーチキャンセル)完全反転(フルフリップ)

《魔法》

水泡魔法Lv5、水斬魔法Lv1、風新魔法Lv10、風斬魔法Lv10、風流魔法Lv8、稲妻魔法Lv9、創造魔法Lv6、光魔法Lv10、神聖魔法Lv8

《七獄》

嫉妬


クイック・ミルキーウェイ

冥紅土竜Lv9

《耐性》

物理攻撃無効Lv5、精神異常無効Lv4、状態異常耐性Lv1、魔法攻撃無効Lv2

《スキル》

貪る者、永久保存(アイスロック)欲望破綻(ダイエット)

《魔法》

火炎魔法Lv10、火斬魔法Lv3、風斬魔法Lv8、土石魔法Lv10、土流魔法Lv10、土斬魔法Lv10、溶岩魔法Lv10

《七獄》

暴食

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