12話 新しい世界
前回はノーチェの別進化先個体を倒しステータスとLvが上がり少し強くなることが出来た。
しかしここではまだまだ未熟であることから新しい出会いと敵を探して旅に出ることにしたのであった。
「ノーチェ!」
「何!?」
「これ! どうにかしろ〜」
「無理ぃ〜!」
今俺は大量の牛の魔物に襲われています。
こいつらのステータスは弱いんだけど集団行動ってスキルが非常に厄介で周りに仲間がいればいるほど基礎ステータスが爆上がりするらしい。
要するにあんなやばそうな牛!
「倒せるわけないだろ〜!」
中速移動がLv5になりました。
ありがとう! けど今は無理!
「なにかいい案はないんですか?」
「幻影魔法で俺たちを作り出してその間に土石魔法で地下に隠れる!」
「それでいきましょう!」
そう聞いたケルロスは少し速度を上げて先に出る。
「幻影魔法!」
これでとりあえずはいい、あとは土石魔法で
「土石魔法! 地下生成」
そんで、急いで地下室に入れば。
……
「ふぅ……」
幻影魔法がLv2になりました。
土石魔法がLv5になりました。
土石魔法が土流魔法、土斬魔法に進化できます。
どちらにしますか。
今は疲れてるからパス、後で考えてよう。
「流石にやばかったですね」
……息を切らしながらケルロスが言った。
しかし中速移動を全開で使用してる俺に同じ速度で着いてくるってケルロス割と化け物なのでは?
「火炎魔法、小火炎」
「まぁ……とりあえずここで待機だね」
俺は炎をしっぽから出しながら伝える。
「全く、いくら弱いからって水流魔法で一掃しようとするからああなるんですよ」
ため息をついて呆れた様子のケルロス。
……そうだ、俺はあの牛に似た魔物を狩るために水流魔法で攻撃をしたんだ、しかし結果は少量の牛を仕留めてあとは全員生き残り……あの数に追われまくったって訳だ。
「それにあれだけ倒しても食べきれませんからね」
うぅ……ケルロスがまともなこと言ってくる。
「ごめんなさい」
最近ではケルロスが色々と俺に向かって圧が強い。
いや確かに色々考えてくれてるんだろうけどその分危ないことをしたりするとすごい怒ってくる。
正直怖い。
「……音が止みましたね」
先程までうるさかった牛の足音が消えている、恐らく幻影魔法に吊られてどこかへ言ってしまったのだろう。
隠密がLv5になりました。
はいはいありがとさん。
「とりあえず出ようか」
「そうですね」
地上は牛たちが踏み荒らしたせいか土埃が舞っている。
「うーん……場所を変えようか」
ここにいてはあいつらが戻ってくるかもだしな。
「はい!」
ケルロスは相変わらずいい返事ができるなぁ。
優等生さんだな。
あの辺は木が結構あるな……森? そこまで深くないと嬉しいんだけど。
「あっちに行こうか」
「あーあの森ですか……分かりました」
まぁ……俺たちがいた森の方が怖いだろうし大丈夫だろ。
油断を獲得しました。
……あ? 喧嘩売ってんのか?
油断か……これはスキルじゃないのか鬼畜と似たような特性を持ってる特殊ななにかと予測するのがいいだろう。
隠しクラス? ……まぁ分からないものは仕方ない。
「ノーチェ? 行かないんですか?」
「あっあぁ行こうか」
……まぁ弱くなることはないと思うし平気だよね。
俺達は森についてまず……転がることにした。
「さっきは木が1本もなかったですからね〜涼しい〜」
ケルロスは地面に寝そべりながらそんなことを言っていた。
あった頃からほとんど変わらない姿……小さいのによくやるなと思っていたが……1mを超える俺と並ぶとその小ささはさらに際立つ。
……とはいえずっと休んでも居られない、今日のご飯に殺されそうになってしまった今何か違うものを探さなければ。
「ケルロス」
「はい? なんですか?」
まったりと寝そべっていたケルロスが体を起こし俺に近づく。
「ご飯探さないとね」
「あ〜……そうですねノーチェが今日のご飯逃がしちゃったから」
あらぁ酷い言い方……いやまぁ俺のせいだけどさ。
「まぁこの辺は自然豊かな感じするしすぐ見つかるさ」
俺は周りをグルグルと見渡してそう言った。
「だといいですけど、まぁとりあえず探しに行きましょう」
ケルロスは視線で俺に語ってきた……。
あっ俺はあっち見てこいってことね……分かりました〜。
少しだけケルロスに足でまといって言われた気がして悲しかった。
ケルロスと離れて1時間俺は
不貞腐れていた。
「いやさ……確かに牛逃がしたのは俺だけどさ……けどあんなスキル持ってると思わないじゃん」
「大体……水流魔法使ってみたかったし……まぁLvは上がったからいいけどさ……」
まぁ文句言っても仕方ない……とりあえずはご飯だ。
食べないと死ぬ可能性もあるしな。
それにあのでかい蛇は輸送スキルで持っていこうとすると魔物寄ってくるから欲する者に入れちゃったし。
Lv上がらなかったけど!
1くらい上がってもいいじゃん! 何あれ食いしん坊か!
しかし俺もただ不貞腐れてたわけじゃない、ずっと探索スキルを使用しているのだ……そのおかげで探索スキルはLv3になったのだが……なんにも引っかからん。
周りは木、木、木、木、木、木、木、木、木、木、木、木
生命体が居ないんだけど!
てかさっきから風に煽られる葉っぱの音しか聞こえないし……ここって生物いるのか?
逆に居ないんなら何故だ……。
こういう時は大抵生物が住めない理由があるはずだ。
ということはここは危険ってことか……!
「まずいケルロス!」
探索スキル全力使用、集中も発動。
ケルロスは俺とは真反対に向かったはずだ、そっちを探せば。
探索がLv4になりました。
集中がLv3になりました。
ナイスだ! 今はありがたい。
探索範囲が広がり探しやすくなった……しかしケルロスのやつどこだ。
反応が見つからない……それはだんだん焦りと不安を呼び起こす。
もう既に何か、遠くに移動した? ……逃げたのか?
俺の方に来た? ……それとも。
考えれば考えるほど不安が強くなる。
そんな時ひとつの反応を見つけた。
探索範囲ギリギリのため正確に何かは分からないが俺はそれがケルロスだと信じて走り出した。
集中と中速移動を全力で使用。
集中の効果で速度がある程度出ても物にぶつかることはない、それに速度も普通より少し上がる。多分!
何かと便利なスキルだ……。
集中がLv4になりました。
中速移動がLv5になりました。
スキルを使えばLvが上がるのも美味い。
集中スキルは使用している時の経験値量にも変化を与えるのか? 体感だけどレベルアップが早い気がする。
いや、今はそんなことどうでもいい。
ケルロス無事でいてくれ。
反応が近いところまで来たが……不気味な雰囲気だ。
周りの気は枯れている、土も……水分がほとんどなく死んだ土といった表現が正しいだろう。
「ここは……」
しかしそんなことよりひときわ存在感を出すものがある。
それは大きな穴、下は深く暗い。
いやな風が地上に向かって吹いてくる。
反応はこの下か……。
間違えて落ちた? いやケルロスはそんな馬鹿じゃない。
誰かに連れられた? それとももう死んで……。
いや考えるな、俺はケルロスと一緒に旅をしているんだ。
何があっても受け入れる覚悟を持たなければ。
「行くぞ」
そして俺は深い闇に落ちていった。
現在のステータス
ノーチェ・ミルキーウェイ
ポイズンハイスネークLv5
耐性
物理攻撃耐性Lv4、精神異常耐性Lv1、状態異常無効Lv10
スキル
総合把握Lv1、錬金術(毒特化)Lv3、心理把握Lv1、鑑定Lv8、拘束Lv8、中型輸送Lv6、思考Lv1、集中Lv4、隠密Lv5、探索Lv4、回避Lv2、中速移動Lv5、探索阻害Lv4、悪食Lv2分解Lv1、融合Lv1
魔法
回復魔法Lv7、幻影魔法Lv2、破壊魔法Lv7、火炎魔法Lv6、水流魔法Lv8、土石魔法Lv5、土流魔法Lv1、闇魔法Lv2
???
欲する者Lv1、???
ケルロス・ミルキーウェイ
ホワイトドックLv5
耐性
痛覚耐性Lv3、毒耐性Lv3、
スキル
隠蔽Lv5、分身Lv7、探索Lv4、鑑定Lv3、強化Lv1、咆哮Lv1、斬撃Lv1
魔法
風新魔法Lv2、光魔法Lv2