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転生先は蛇さんでした。  作者: 時雨並木
狂愛編
118/261

117話 調べる時間

聖王国 貴族街



「ここで?」

「そうですね〜ここで最初子死体が見つかりました」

さすがに何も残ってないな。まぁ色々調べたりするだろうし何か残ってたらそれはそれで問題だけど。

「ベリルはこの事件で知ってる情報はあるかい?」

「……いえ俺は王城の守護を任されてるのでこの辺の捜査は別の奴がやってると思いますわ」

そういうものか。

「この事件を調べてるのはどこなんだ?」

「あ〜……多分警備隊ですねぇ」

そっちに行った方が色々分かる……か。

「王に頼んで警備隊の情報を渡してもらうように頼めるか?」

「じゃあそれやっときますわ〜……警備隊の本拠地はここから王城の見える方に歩いて行って左側の大きな建物です」

そういうとベリルの姿はもう既になかった。

「早いですね……」

「あぁ」

見切れなかった訳じゃないが早い。監視役として派遣されたなら並大抵の者ではベリルからは逃げられないだろう。まぁ俺も逃げるつもりとかないけどさ。

「まぁいい。サクも頑張ってる事だろうし俺も頑張るよ」

「はい」

俺は死体があったとされる地面を少し触りそのまま警備隊の拠点へ向かって行った。



「案外すんなり通れましたね」

「そうだな」

ベリルと別れてから数十分しか経ってないのに聖王国の連絡手段はここまで早いものなのか? 何で連絡取り合ってるのか気になるな。

「ここが連続殺人事件に関する資料がある場所です」

「ありがとう」

女の警備員に案内されて大きな部屋に来た。棚の中には大量の紙が入っており奥の方には被害者だろうか? 大量のベッドが置かれていた。

「多いですね」

「確かに」

こんな量全部見てたら日が暮れるどころか1週間近くここで暮らすことになりそうだ。

「まぁ……書類は後にして死体の状態を確認しよう」

「はい!」

ドールは死体とか平気な子で良かったわ。サクだったら今頃倒れてそうだし。

俺達は死体が置かれているベッドに近づき上にある毛布を取った。

最近の遺体だな……首を鋭利な刃物で一撃か。

「こっちの遺体は心臓を突かれてます」

「心臓?」

俺は遺体の毛布を掛け直しドールの元へ向かった。

「恐らくですがレイピアのような先端の尖った物で刺されたかと」

武器が違う?

「他の遺体も見てみようか」

その後色々な遺体を見てみたが……。

「武器も殺され方もバラバラですね」

「そうだな」

それ以外にも気になることがある。遺体には魔法で殺された人もいた……。その魔法について色々調べたんだが。

「属性がバラバラ過ぎます。とても同一人物の犯行とは思えません」

ドールの言う通り恐らくだがこの殺人事件は複数犯……もしくは組織的な何かが関わっていると考えて良さそうだ。

「面倒事に巻き込まれたのはこれで間違いないかと」

「全くだな」

とはいえ……こんなわかりやすいことを警備隊が見落としてるとは思えない。

「書類も調べてるみるか」



「やはり……警備隊も複数犯であると特定している様子です」

俺が上にある書類を漁っているとドールが下から大きめの声で教えてくれた。

「そうか。……まぁここで得られる情報はこんなものかな」

かけたハシゴから飛び降りる。

その時地面に落ちていた紙に目がいった。

「ん?」

教会関与について……?

ドラゴニア教会? なんか龍人好きそうな教会だなおい。

関与の可能性があるのはドラゴニア教会で龍の国からフィデース信栄帝国への妨害工作を行っている可能性が高い。

一方フィデース信栄帝国が関わっている可能性も捨てきれず……。

ふむ……まぁ色々な方向性で調べてはくれてるのか。俺達を陥れようとはしてないらしい。いやまぁ陥れようとしてるならそんなやつここにいれないだろうけど。

「じゃあサクと合流しよう」

「はい」



「いやぁ〜疲れた」

「お疲れ様です」

俺達は1度王城に戻りサクのことを待っていた。

「それにしてもここのお菓子もなかなか美味しいですね」

ドールは甘いものが好きなのかな? さっきから結構な量食べてるけど。

「ほら……これも食べな」

目の前に置かれたケーキをドールに渡す。

「あっ! ありふぁとうごふぁいふぁす!」

「うんうん。口の中の物無くなってからね」

「ふぁい!」

こう見ると普通の女の子だよなぁ。

「お待たせ致しました」

サクがドールの後ろから現れる。それに驚き持っていたケーキが空を飛んだ。

「ひゃっ!」

「あっ……すみません驚いてしまって」

ドールの飛んだケーキに驚いたのか……。

なんて言うか2人とも天然入ってるのかな?

「それで? 何かわかった?」

「はい、今回の事件は教会が関わっていると言われています。そして龍の国が裏で糸を引いているのでは無いかと」

「あ〜……それは」

「あっ……すみません」

顔を赤くして下を向いてしまった。

「いやいや! 大丈夫! 本当にありがとう」

「……でも、他にもあります!」

「うんうん」

良かった顔を上げてくれた。

「殺人が起きたと思われる現場におかしな魔力が残っていたそうです」

「おかしな魔力?」

俺は紅茶を1口飲んで聞く。

「……その魔力は洗脳系だったとか魅了系だったとか。とにかく誰かが人を操りこの騒ぎを起こしているのでは無いのかと考えられてるみたいです」

そういうことなら教会との関わりは薄い? いや教会こそそういう洗脳の線も考えられるか。

「情報としては以上ですね……フィデース信栄帝国のせいだと噂している方も居ませんでしたし」

うーむ……来ているからそういうのを言わないように抑えているのか? だけど使用人同士の噂話とかならうちの国の悪口位出てもおかしくないと思ってたんだけどなぁ。

いや……出てきて欲しい訳じゃないけどさ、もしそうならこっちに不利益を与えようとしてる奴のしっぽくらいは掴めると思ったんだが……。

俺達を呼んだ理由と裏に関わってると考えられてるやつの関係性が全く見えてこない。龍の国……ルーグント帝国が怪しいと思ってるなら俺以外にもっと頼れる奴らがいるはずだ。

あ〜……ダメだなんもわかんねぇ。

痛む頭のために皿にあるシュークリームみたいなのを口に運んだ。

「ん〜……美味い」

でもこう甘いものばっかりだと塩気のある物も食べたくなってきたな。

口に着いたクリームを指で拭き取りそれを舐めながら考える。

もう1回街に……あっいやこの姿で出るから警戒されるのか? でもなぁ部屋を勝手に出たらそれはそれで問題になりそうだし……何より扉の前で待機してる兵士が可哀想。

「はぁ」

「はっ! すみませんつい食べ過ぎてしまって」

ドールは何を勘違いしたのか食べる手を止めて皿にあるお菓子達を俺の前に置いた。

「今のため息はそういうのじゃないから大丈夫だよ。遠慮しないでね」

渡された皿をそのままドールに返す。ドールは嬉しそうにして再度お菓子を食べ始めた。

ボーッと窓の外にある空を眺めているとあるアイディアが浮かんできた。

「サクって姿見られてないんだよね」

「え? ……まぁ恐らく」

俺はサクの隣に立ち背丈を確認する。

「うーん……まぁ幻影魔法使えばごまかせるか」

「な、何を?」

「名付けて……変装大作戦さ!」



「いやぁノーチェ殿と食事ができるなんて光栄です」

「あ……あはははは」

ノーチェさぁぁぁぁぁぁぁぁぁん!?

私は今王様に誘われてパーティなるものに参加しています。……ノーチェさんの姿で!

後ろにいるドールさんは甘いもの食べまくって全然助けてくれないし!

貴族はめちゃくちゃ話しかけてくるし! てかノーチェさんの姿だから下手なことできないし!

あぁ……もうノーチェさんもむちゃくちゃ言うよなぁ。

サクが胃を痛めている中……ノーチェは



「はぁ〜美味い! いやはや……適当に開かれてた屋台がこんなに美味しいとは思わなかった」

市民街の食事を堪能していた。

「そうだろ〜? うちはタレに力入れてんだ。鳥としっかり絡み合うようにね」

「確かに……これだけ美味しいと毎日忙しいでしょう」

「まったく! あんたは口が上手いね! ほらもう一本あげるよ」

「ありがとうございます!」

いつもの姿じゃバレるだろうから背を低くして限りなく人間の子供に見えるよう変装した。服装も市民街を歩いていた少女の物を元に作ったんだが……違和感はなさそうだな。

「それはそうと屋台の姉さん」

「ん〜ないんだ?」

どうやらお姉さんと呼ばれたのが嬉しいらしい……。

「最近貴族街で人がいっぱい死んでるって聞いたんだけど……こっちには来ないよね?」

どう思う? とか何か知ってる? って聞けばこのくらいの子供の質問にしては〜とか思われそうだし……ここは子供らしく。

「そうねぇ……まぁ市民街でそういう事件はないし。何より殺されてる貴族は黒い噂も耐えない人物ばかりよ」

なるほど……どうやら無差別に貴族を殺しまくってる訳じゃなさそうだな。

「そっか! ありがとう。私そろそろお母さんに怒られちゃうから帰るね!」

俺は小走りでおば……お姉さんに手を振りながら去っていった。

「気をつけて帰るんだよ〜」

お姉さんの声は暗くなる空に吸い込まれていった。


現在のステータス

ノーチェ・ミルキーウェイ【反逆の刃】

天帝月夜蟒蛇Lv4

所持アイテム星紅刀

《耐性》

痛覚耐性Lv6、物理攻撃耐性Lv9、精神異常無効Lv8、状態異常無効Lv10、魔法攻撃耐性Lv8

《スキル》

支配者、知り尽くす者、諦める者、混沌監獄(ユニオンプリズン)研究部屋(マイワールド)極限漲溢(ルプトゥラ)魔法無効(アンチエリア)

《魔法》

火炎魔法Lv8、水泡魔法Lv10、水斬魔法Lv9、水流魔法Lv10、氷結魔法Lv10、風新魔法Lv5、土石魔法Lv10、土斬魔法Lv8、土流魔法Lv9、回復魔法Lv10、破壊魔法Lv8、幻影魔法Lv10、闇魔法Lv10、深淵魔法Lv10

《???》

強欲、傲慢

《資格》

管理者-導く者

《称号》

神に出会った者/神を救った者


ケルロス・ミルキーウェイ

赫々白狼Lv9

《耐性》

痛覚無効Lv6、状態異常耐性Lv9、物理攻撃無効Lv3、魔法攻撃無効Lv9

《スキル》

信頼する者、不達領域(リーチキャンセル)完全反転(フルフリップ)

《魔法》

水泡魔法Lv4、風新魔法Lv10、風斬魔法Lv10、風流魔法Lv8、稲妻魔法Lv9、創造魔法Lv6、光魔法Lv10、神聖魔法Lv8

《???》

嫉妬


クイック・ミルキーウェイ

冥紅土竜Lv8

《耐性》

物理攻撃無効Lv5、精神異常無効Lv4、状態異常耐性Lv1、魔法攻撃無効Lv2

《スキル》

貪る者、永久保存(アイスロック)欲望破綻(ダイエット)

《魔法》

火炎魔法Lv10、火斬魔法Lv3、風斬魔法Lv8、土石魔法Lv10、土流魔法Lv10、土斬魔法Lv10、溶岩魔法Lv10

《???》

暴食

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