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転生先は蛇さんでした。  作者: 時雨並木
聖王国編
108/261

107話 舌戦(第二回戦)

ゼールリアン聖王国と戦争をしてから2週間……。

情報封鎖や各国の工作を最大限したがあの大きな戦闘を隠し切ることは出来ず、フィデース信栄帝国とゼールリアン聖王国の戦争は世の中の大きなニュースとなっていた。そして……それと同時に。

「ノーチェが魔王ってのもいよいよバレちまったな」

ケルロスが新聞を片手に嬉しそうに話す。

「随分嬉しそうじゃん」

「……まぁ俺の主だからな!」

喜んでくれるのは嬉しいけど命を狙われることも多くなるってことだよ?

俺が頭を抱えて悩んでいるとクイックがお茶差し出した。

「大丈夫……六王率いる国を1つ潰してるんだ。簡単には手を出さないさ」

「だといいけどさぁ〜」

「それにルリアの森との同盟だけじゃなくてコロリアン妖精圏の同盟も公表したんだ。同時に3カ国相手にしようなんて思う国は少ないさ……まぁ力を合わせてって可能性はあるけどそれにも時間がかかる」

外交を担当してるクイックは色々詳しいなぁ。

「ゼールリアン聖王国は今回の敗戦で王が変わってる。それも友好的だ。ドワーフの国に関しては更なる進歩のために友好的な関係を築きたいって連絡も来た」

ということは。

「ガレオン獣王国とルーグント帝国は?」

「あの2国は反応無し。ガレオン獣王国に関しては色々考えるとこあるけどルーグント帝国はここから遠いしね……干渉する気はないんじゃない?」

魔王会議も呼ばれてないし……大丈夫なのかな。

「1つ……問題があるとすれば観光客が減ってることくらい?」

あ〜……そりゃそうだよな魔王って本来恐れられる存在だし。

「ゼロになってないだけいいんじゃないか?」

ケルロスの言う通り……来てくれてるだけ感謝したいくらいだよ。

「逆にどんな客が来るのか気になるわ」

「エルフと妖精が多いよ」

……そういうことか。

「良かったな……同盟結んどいて」

そういう意図はなかったんだけどなぁ。

「とはいえ……客足が遠のいてるのも事実。新しい何かを探すべきか」

って……特段思いつかないんだけどね。

バタン!

「ノーチェ!」

勢いよく扉を開き俺の名を叫んだのはつい最近まで入院していたフィーだった。

「元気になったのか?」

新聞を置いてケルロスがフィーに近寄る。

「大丈夫だ! それよりも何か考え事をしてたみたいだな!」

フィーの勘は俺以上に鋭い……聞いていたのかどうかは知らないけど何がいい案が出てくるかも。

「……最近客足が遠のいててね……人を呼び込むために新しい何かを考えてるんだ」

「なるほど!」

元気よく返事をしてくれたが……。

「うーん」

悩み始めてしまった。

まぁ……自給自足はできてるし……人が来なくても問題はないんだけどね。

「ご主人様……コード商会の方達がお見えです」

……。

「わかった」

俺は部屋に3人を残してコード商会の人たちと話をしに行った。

途中クイックが着いてこようとしたが……話の内容次第で酷いこともするかもだし……どうにか留まってもらった。



「こちらの部屋です」

応接室……。滅多に使わないからな、掃除とか大丈夫だろうか。

そんな心配事をしながら俺は扉を開いた。



「お待ちしておりました」

最初の挨拶はアランが……後ろで頭を下げてるのは上司だろうか?

「それで……今回はどのようなご要件で」

俺は少しだけ威圧的に質問する。意地悪な言い方だが……コード商会の人達が来た理由はわかっている。

「……ノーチェ殿は回りくどいのが苦手でしょうから単刀直入に」

「この度は我々コード商会が信頼を裏切ってしまうような行為をしていたこと深くお詫び申し上げます」

アランの謝罪に伴い後ろにいた老人も頭を下げる。

「そうですね。ですが話には聞いています。アランさんはこの件に関わって居ないのですよね?」

「はい。……国王が変わり様々な改革が行われた際にコード商会の悪事も公となりました。現在は……」

「この私がコード商会取締役です」

後ろの老人が立ち上がり挨拶をした。

「ティノ・ランゼルフと申します」

……凄腕の商人って感じがビンビンする。

「そうですか。……もう既にお話は来ていると思いますが今後銃器の輸出は一切するつもりはございません。技術提供に関しても考えてはおりません」

今回の戦いで自分の愚かさを知った。国を成長させるために作った物が国を滅ぼすきっかけになっては意味が無い。

「はい。我々としては苦しいですが……フィデース信栄帝国様と交易が出来なくなってしまうのは不利益が多すぎますからね」

すんなりだな……まぁあの貴族たちなんかより全然優秀っぽいし。

「……俺からの話はこれだけですが……他に何かありますか?」

アランは後ろにいる老人と一瞬だけ目を合わせた。すると老人はアランの目を見つめて静かに頷いた。

「この度ゼールリアン聖王国は多くの兵士と王を失い軍事力が落ちています。傀儡国として支配していた国々もだんだんと離れております」

……まぁそうだろうな。13万人の兵士が一度に居なくなったんだ……それも傀儡国から無理やり集めた兵士も。信用も失う。

「我々コード商会はゼールリアン聖王国を拠点に商業をしており各国への移動に関しても安全な国を跨いでいました。しかし軍事力の低下で盗賊や反乱が増えコード商会にも少しではありますが被害が出ております」

六王を失い威厳も消えつつあるゼールリアン聖王国……そこでの商売は危険を伴う……か。

俺からの意見がないことを確認来てアランが話を続ける。

「そこで……コード商会の拠点をフィデース信栄帝国様に移行したいのです」

「……喜んで。と言いたいところだが……俺が魔王になったのは知ってるはずだな?」

2人の顔が少しだけ曇る。

「何故わざわざ魔王の国に拠点を移す? 信用第1の商人が魔王領で商売するなんて信頼を捨てるようなものだ」

「……ノーチェ殿の言う通り……確かに魔王の国で商売をすれば客は減ってしまうかもしれません」

「それなら」

「ですが……現状我々が信頼をおける相手はノーチェ殿しかいないのです」

……何か事情がありそうだな。

「……。我々商人は旅の中で多くの商品……買い取るための金銭を持っています。六王の1人が収めるゼールリアン聖王国のコード商会という肩書きは影響力もあり襲ってくる者はいませんでした。しかし」

「それはわかりました。でもそれなら他の六王に泣きつけばいいのでは?」

「……まずルリアの森ですが、革命直後で軍隊が完全とは言えません。コロリアン妖精圏に至っては手紙を送っても返答が頂けず……」

「残りの3人は?」

俺が聞くと後ろのティノが口を開いた。

「ガレオン獣王国は魔王襲撃の被害を受け鎖国に近い状態……カーヴェ地下帝国とルーグント帝国に関しては不穏な動きが多くてですね」

「他の魔王に声をかける訳にも行かず……仕方なくってことですか?」

俺が仕方なくという言葉を強調して言うと2人は俯いてしまった。

「……まぁアランさんには色々助けて頂きましたからね。商業地区に相談しておきます」

「ノーチェ殿!」

「ですが」

俺は喜んでいる2人に釘を刺す。

「ここは魔王の統治する国です。それがコード商会にどんな影響を与えるか……それをしっかりと理解した上でこの地に拠点を置く……覚悟がありますか?」

「もちろん。覚悟がなければ魔王を前にここまでお話していません」

……。

「あははははは! いや〜試すような真似をして申し訳ない。ティノ殿は俺なんかよりも口が上手い!」

「商人最大の武器はこれですからな。 」

安心したのかアランは水を飲み干した。

「ありがとうございます。ノーチェ殿……それでは私達は準備を行いますのでこのくらいで」

「えぇ。詳しい話は……そうですね俺の部下と話し合ってください」

後でクイックに話とかないと。

「分かりました」

俺は2人を玄関まで送り届け自室へと戻って行った。



「随分とかかってたね」

……。いやどういう状況?

布団で眠るフィー……床には大量の本が散乱してるし……貴方たち2人はそのお高そうな紅茶何処から持ってきたの?

「……えっと」

「フィーがノーチェの読んでる本を見てみたいって言うから色々教えてたらこんなことに」

「……いやいいんだけどさ片付けは?」

「どこにあったのかわかんなくなっちゃった」

それで優雅にお茶してんの?

「……」

「ノ……ノーチェ?」

「ケルロス……気配消して居なくなろうとしない」

「はい!」

ガバァ!

「わっ!? な! なんだ!? 敵襲か!?」

「あぁ敵襲さ……この部屋どうなってんだ」

フィーは自分で散らかした部屋を見て冷や汗をかき出す。

「えっと……これは敵が」

「そうかぁ……じゃあ俺が敵を排除するのと部屋片付けるのどっちが早いか勝負するか?」

「……今すぐ片付けます」

今までフィーと結構一緒にいたけどあんなに消え入りそうな声で喋ったのはあれが初めてだった。

結局部屋は3人で片付けさせ俺はそれを横目にテグが入れてくれた紅茶を飲んでゆっくりしてました。


現在のステータス

ノーチェ・ミルキーウェイ【反逆の刃】

天帝月夜蟒蛇Lv1

所持アイテム星紅刀

《耐性》

痛覚耐性Lv6、物理攻撃耐性Lv9、精神異常無効Lv8、状態異常無効Lv10、魔法攻撃耐性Lv8

《スキル》

支配者、知り尽くす者、諦める者、混沌監獄(ユニオンプリズン)研究部屋(マイワールド)極限漲溢(ルプトゥラ)魔法無効(アンチエリア)

《魔法》

火炎魔法Lv8、水泡魔法Lv10、水斬魔法Lv9、水流魔法Lv10、氷結魔法Lv10、風新魔法Lv4、土石魔法Lv10、土斬魔法Lv8、土流魔法Lv9、回復魔法Lv10、破壊魔法Lv8、幻影魔法Lv9、闇魔法Lv10、深淵魔法Lv10

《???》

強欲、傲慢

《資格》

管理者-導く者

《称号》

神に出会った者/神を救った者


ケルロス・ミルキーウェイ

赫々白狼Lv8

《耐性》

痛覚無効Lv6、状態異常耐性Lv9、物理攻撃無効Lv3、魔法攻撃無効Lv9

《スキル》

信頼する者、不達領域(リーチキャンセル)完全反転(フルフリップ)

《魔法》

水泡魔法Lv1、風新魔法Lv10、風斬魔法Lv10、風流魔法Lv8、稲妻魔法Lv9、創造魔法Lv6、光魔法Lv10、神聖魔法Lv8

《???》

嫉妬


クイック・ミルキーウェイ

冥紅土竜Lv7

《耐性》

物理攻撃無効Lv5、精神異常無効Lv1、魔法攻撃無効Lv2

《スキル》

貪る者、永久保存(アイスロック)欲望破綻(ダイエット)

《魔法》

火炎魔法Lv10、火斬魔法Lv2、風斬魔法Lv8、土石魔法Lv10、土流魔法Lv10、土斬魔法Lv10、溶岩魔法Lv10

《???》

暴食

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