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失意の中の手術

マネージャーにならないか?



骨折をして選手としては、活躍が出来なくなった真白への監督の提案。



簡単にはおいそれと返事が出来なかった。



それもそのはずだろう。


今までは、持って生まれた才能を遺憾無く発揮し、女子でありながら男子のチームの中でも、レギュラーという選ばれた存在でいた。



その自分を真正面から否定されたのだ。


悔しくない訳がない。


しかも中学3年生という多感な時期の少女にとって、自身の否定という体験は、計り知れないものがあったに違いない。


色々な感情が交錯する。


何かに押し潰されそうになる自分を、何とか押し留めようと、何度も泣いてしまった。


病室は4人部屋だったが、入院してるのが真白1人だけだったということが幸いした。


ただでさえ負けず嫌いな女の子の性格なので、誰にも情け無い姿は見せたくなかった。


家族にさえ、見せられなかった。



何日か過ぎ、手術の日がやってきた。


主治医が挨拶に来た。


主治医「今日はよろしくお願いします」


それだけを伝えて、少し無愛想な感じで病室から去っていった。


今の状態の真白にとって、そちらの方がありがたかった。


家族にさえ情け無い姿は見せたくなかったのに、知らない人にまで同情はされたくなかったからだ。



看護師に手術衣に着替えてさせてもらい、手術に臨んだ。


手術が怖くないわけでは決してなかった。


むしろ怖い。


前に説明は受けてはいたが、身体にメスを入れて、ボルトで固定するというのだ。


失敗したらどうなるんだろう。


色々考えている内に手術室に運ばれた。


何人もの人が仰々しい雰囲気で佇んでいる中、手術が始まった。


全身麻酔だった為、最初に麻酔を背中から打たれた。


いつの間にか眠ってしまう。



不手際なのか、手術中に目が覚めてしまい、息が荒くなる。


足が動かなかったが、何かされている感覚があったからだ。


麻酔を増やして対応したので、また眠りに落ちた。




もう一度、目が覚めると病室に戻っていた。


看護師から、手術は成功し、静養するようにとの説明があった。


足の感覚が麻酔で戻っていなかった為、つい右足を上げようとしたら、上がり過ぎてしまい、看護師の顔にクリーンヒットを入れてしまう。



ただただ申し訳なかった。

看護師さんにクリティカルヒット!効果はばつぐんだ!

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