非情な響き
真白は男子の中学の名門硬式野球クラブに混じって練習をしていた。
彼女は天才的なバッティングセンスを評価され、チームのレギュラーに選ばれていた。
監督をして、真白のバッティングは、その一振りをする為に生まれてきたようなものだと言わせるほどだった。
左右への打ち分けも可能で精密なバッティングコントロールを有し、また真白は反射神経と選球眼にも優れており、その一振りを支える為の十分な才能に恵まれていた。
彼女のバッティングフォームはバスターにも応用が出来るもので、色々な作戦に幅を持たせることが出来た。
練習が終わると、中学最後の夏の大会に向けて、レギュラーの選出が行われた。
当然、真白はメンバーの1人として呼ばれ、4番の背番号を与えられた。
夏の大会では、昨年全国大会準優勝のチームと対戦が決まり、真白はワクワクして、自分の持てる力を全てぶつけられる気がした。
そして大会の日を迎えた。チームは後攻となった。
試合は一回表から相手チームの猛打に捕まり、3失点という形。
相手チームの投手は剛腕で、1番バッターは早々に三振となった。
しかし2番打者で出場していた真白は、第一打席で真芯を捉えたバッティングで打球は外野の間を抜けていった。
長打コースだった為に二塁を蹴って三塁にまで向かった。
一点に繋げたいが為に、無我夢中で走っていて周りが見えない状態に一瞬なってしまう。
真白「あっ」
普段の真白なら、こんな単純なミスはあり得ないことだった。
身体はスライディングする体制に移っていたが、一瞬の判断が身体をこわばらせてしまい、中途半端なままスライディングしてしまった。
ズザザ
ボキッ
神の宣告を受けたかのような容赦のない響きと共に、真白の右足首があり得ない方向に曲がっていた。
長編の難しさが身に染みております。




