第1話 異世界に来たらしい
目を覚ますと森の開けた場所にいた。
結構な時間眠っていたのか、今は昼間だった。
辺りを確認する。周囲には誰もいない。
木、木、木。森だ。一面緑だ。
さっきまではコンクリートジャングルにいたはずだが...。
「ええ...」
困惑はしたが、緑が労働でボロボロになっていた俺の心を癒してくれる。
森に来たのなんていつぶりだろう。
これが森林セラピーというやつか。
コンクリートの反射で極限まで仕上がっていた暑さも森の中ではそれほどでもなく、どこからか聞こえてくる水の音に涼しさすら感じていた。
それにしても、ここはどこなんだろう。
「うーん...そういえば異世界に行きたいか、とか聞かれたけど」
まさかそんなはずないよなぁと思った時、急に日光が遮られた。
空を見上げると、立派な空飛ぶトカゲが空を飛んでいた。
「ええ...」
とりあえず、見つかったら怖いから森の中に避難しよ...。
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異世界に来た、らしい。
ドラゴンがいるってことは他にも魔物っぽい生き物もいるかもしれないと思ってひとまず丈夫なツタがついていた木の枝に登って今後について考えている。
そういえばこの木もやたらデカいよな。異世界って感じ。
「あの幼女、神とかだったんかなぁ...」
幼女が神だった、と仮定して。
もしそうならここは異世界系のテンプレを試すべきではないか。
「ステータス」
「オープン」
「コマンド」
「システムコンソール」
何も出ない。
どうやらステータスが開ける系の世界ではないらしい。
そりゃそうだよな、なんだよステータスって。
異世界って言ってもここは現実だもんな。そんなもんないよな。わかる。
なら魔法はどうだろう。
魔力的なやつが宿って魔法とかスキルが使える、みたいな。
「...まぁあっても使い方わかんないんですけどね」
仮にそういうがある世界だとしても、今は情報がなさすぎる。
独学で魔法が使えるようになるなら、今頃俺はサラリーマンじゃなく発明王とかになっている。
俺は大衆の一人、物語に出るとしても大衆の一人として街並みに歩く住人Cだ。
「さて...どうしたもんかなぁ」
幼女からの神託もないし、ひとまずこれからの身の振り方を考えないと。
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「うーん...とりあえずは水源、火、拠点、食糧の確保か」
サバイバルの基本である。動画サイトで見たので間違いない。
今回の場合の優先度は水、拠点、火、食糧...かな?
わかんないけど人類に受け継がれし野生の本能がそう言っているので多分そうだと思う。
「水源...多分近くに川があるよな」
水の流れる音が聞こえるので、多分近くに川がある。
傾斜に沿って歩けばそのうち見つかるはずだ。
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あれからどれくらい経っただろうか。
歩けど歩けど川は無く、緑がひたすら俺の心を癒してくれている。
「方向違ったのかなぁ...」
いや、根拠なく適当に歩いた訳ではない。
傾斜に沿って歩けばいずれ川が見つかるって動画で言っていたんだ。
信じて欲しい。専門家が言ってた。
「他に当てもないし、もうちょっと歩くしか...」
ないかぁ、と呟こうとした時、近くでパキッと枝を踏む音が聞こえた。
勢いよく音のした方を振り向くと、
10mくらい先にナタのようなものを持ったゴブリンっぽい人?がこっちを見ていた。
第一村人発見...?
投稿頻度はとりあえず気にせず書き次第投稿していきます。