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異世界日記~魔道冒険譚~  作者: ゆうあき
1/3

彼は異世界に転移する

極普通のサラリーマンはある日、異世界に転移した。

そもそもサラリーマンといえるのか!?


とあるゲーム制作会社に就職して数十年。

社内ではある程度の地位にいた、、、と思う。

先月まではオンラインARPGのプログラマー兼プロジェクトリーダーを任されていた。

だがスマートフォン普及による利用者の減衰、外部からのデータ改築などにより、

サービス開始してから6年程でサービス終了に追い込まれた。

ゲーム制作期間は2年。ベータテスト期間を1年、そして正式サービス開始から6年

合計9年間。このプロジェクトに関わり魂をささげてきた。

最後はスマートフォン向けにアプリをリリースして利用者の早期回復と新規利用者の増加などを行うも

結果は大失敗。

サービス終了と同時にプロジェクトスタッフは解散した。

それから、すでに出ているオンラインゲームのデバッグを担当していたが、、、。


とある日、朝出勤しようと家を出た瞬間に白き光に包まれとっさに腕で目の前を遮り何とか前を見ようとする。

しかしそれでもまぶしさは変わらない。光に耐え切れなくなり目を瞑る。

光は目を瞑ってもなお感じられるほどの強さであった。

しばらくしてそのまぶしさが嘘のように消えたとき、緑に広がる景色を眺めていた。

まるで異世界の如き葉っぱが風で揺らめく木々や原っぱが広がる田園だった。

急な出来事に頭がついていかずぼーっとしていたのだろう。

ふいに荷車を押す50代くらいの男性が声をかけてきた。

「おぉ。そこの若人よ。どうしたぁ?さっきからぼーっとしているが?」


その声にはっとする。

だが俺も30後半に差し掛かる年齢だ。若人ではないわ!と心では思いながらも反応する。

「あぁ。はい」

日本語が通用するかわからないが発声する。

それに乗じ前方の男性が言葉を紡ぐ

「どうしたんじゃ?こんな道端で」

相手は確かに日本語を話していた。普通に理解し会話が成立する。ここは日本のどこかなのか?

だがしかし、日本に人力の荷車など見たことがない。

車やバス、さらには電車などが走っている世界に。


自動車というものが存在せず、人が木でできた荷車を引っ張り、建造物はレンガを積み上げており近代的な外壁がありインターフォンなどというものは全くない。

いくら日本にある地方でもあり得ない光景だ。

そもそもここはどこなのか?まず間違いないのはここに広がる風景からして日本ではないだろう。

だがここで思考を巡らせたとて行きつかぬ答えがある。

声をかけてきた者に聞いてみよう。それが手っ取り早い

「少々、景色に見とれていました。それよりもつかぬことをお伺いしますが、ここはどこですか?」

その問いかけに、目の前にいる人は高らかに笑ってしまった。

それも当然だ。

ここに住んでいるであろう格好でここはどこですか?と問いかけるのだから。

頭がおかしいと思われても仕方がない。

だが悠長にはしていられない。俺は自宅のドアをあけると光に包まれた。普通であれば見慣れた店や住宅が並ぶはずの景色が一転した。

まずはここがどこなのか?

なぜこのような場所に転移したのか?

それの情報から必要である。

「ははは。頭を打ったのかね?ここは帝都ユージリアと国境の町、イルメリダをつなぐ森の道だ。ここから北方向に進めばユージリア。南に進めばイルメリダにつく。町人はユージリア森林道と言っているが」

帝都ユージリア?日本にそんな都道府県はないしそんな街もない。

「ありがとうございます。とりあえず帝都方向に向かってみます」

まずは大きな町などに赴き情報収集と衣食住を確立することが最優先するのが定石だ。

つくづくプロジェクトリーダーやっててよかったと思う。

異世界に転移など、ライトノベルやゲームのシナリオにありがちな設定だ。

いくらオンラインゲームであろうとストーリーは存在する。

そしてそのストーリーに矛盾をあたえないためのシナリオが存在する。

当たり前のことである。

そしてプロジェクトリーダーである以上、開発ゲームのストーリーやシナリオ把握しておかなければならない。

これは開発に関わる者、全員にいえよう。

だからこそ、このような事態には定石の動きをしたほうがいいし、落ち着いてことに当たったほうがいい。


日本に帰る方法が簡単に見つかるとはおもえない、そして帰る以前になぜここに来たのか?

これを見つける必要がある。そのために必要なのは情報。

そして情報を得るためには生活の基盤である早期的な衣食住の確立、そして人脈の確保が最優先である。

「わたくしも帝都に用があるし一緒に同道しようか?」

願ってもない申し出だ。

「えぇ。よろしくおねがいします」

ここは紛うことなき異世界なのだから。


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