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冬の記憶  作者: 夜霧
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違和感の正体

すみません。5 探検の最後、少し書き足しました。

 

 

 暗くて何も見えない中、冬木さんが僕の手を引いて歩く。

 こんな暗い中、よく歩けるな。


「あのさ、なんでこの歓迎会を受けようと思ったの」


 黙って歩いていたが、なんだか気まずかったので話しかけた。


「私ね、小さい頃こんな風に探検とかする事無かったの。というより、出来なかったと言った方が良いわね」


「出来なかったって、親が厳しかったかの? それとも体が悪かったの?」


「さぁ、どうでしょう」


「どうでしょうって、はぐらかさないでよ」


「謎めいた女の子なので秘密です」


 ふふふと笑う声が聞こえる。


 謎めいた女の子。あながち間違ってはいないけど・・・


 こうして会話している間も、違和感を感じていた。


 なんなんだろう、この違和感は。


 なんかこう・・・う〜ん、上手く言葉に出来ない。


「ほら、着いたよ」


 そうこう考えている間に着いたようだ。でも相変わらず暗いままで何も見えない。


「ここは時計塔の屋根裏だよ」


「屋根裏? ここのどこが凄いの」


「まぁ見てて」


 ギィ


 何かが開く音が聞こえると月の光が差し込んで、夜の景色が見えた


「見て。ここからの景色、凄いでしょう」


 そこから見える景色は、昼間見るような景色と違って町に積もった雪が月に照らされている景色が見えた。


「確かに、これは凄い」


「でしょ! こっちからも見えるよ」


 別の場所からまた開く音が聞こえた。どうやら、扉を開けているようだ。


 その扉は四方それぞれにあり、町全体を見渡す事が出来た。


 そういえば、夜の景色を見るのは久しぶりだ。幼稚園か小学生以来だっけ。


 ん?久しぶり・・・なんか引っかかる。


 また新しい疑問か、違和感の事もあるのに・・・違和感?


 久しぶり、違和感、繋がってる気がする。


 あ、そうだ!違和感に似てるんだ。久しいに似たもの・・・解った!この違和感の正体は、


「あ! ふさちゃんこんな所にいた!」


「なんだ、安住も一緒だったか」


 振り返るとライト持った西村と高橋さんがいた。


「ごめんね、たかちゃん、寝癖くん」


 寝癖くん、というのは勿論西村の事だ。冬木さん曰く寝癖くんの方がしっくりくるそうだ。西村は嘆いていたが、自業自得だ。


「二人ともどうして此処に?」


「なんか大きな音がしたから、そっちに行ったら棚が倒れてたんだよ。で、回転扉が開いてたからその先に進んだら、ここにたどり着いたって訳」


 そういえば、扉はそのままにしていた。


「正直、からくり屋敷っていうから大きな仕掛けがあると思ったけど、回転扉じゃあ忍者屋敷だよ」


「それは僕も同感」


「そんな事より二人ともこの景色見て、凄いよ」


 冬木さんに促され、外の景色を見た二人は凄いと声を上げた。そんな二人を見て冬木さんも嬉しそうだ。


「こんな景色が見えるとは思わなかったぜ。それに機関部の場所も見つけたし、一石二鳥だ、いや三鳥か」


「どこにあったの」


「ここに来る途中にあったぞ」


「そうなんだ」


 まぁ、暗かったし気付かなくても仕方ないか。


「寝癖くん、この場所他の人に教えるの?」


「ああそうだ。もしかしたら新聞の載るかもしれないし、金一封も出るかもしれないぞ。その方が思い出として残りやすいだろ。」


 なるほど、そうゆう目的があったのか。金一封はともかく、新聞に載るのは思い出に残りそうだ。


「でもそしたら、ここに来れなくなるかもしれないよ。それよりここを私達だけの秘密の場所にしよ」


「それ賛成!」


「僕も賛成」


 冬木さんの言う通り、ここに管理人がいるようになればここには簡単に行けないだろう。


「まぁ、それで良いなら俺もそうするわ」


 西村は少し渋ったが、最後は賛成した。やっぱり金一封の方が良かったのかな?





 違和感の正体、それは夢の中で感じる懐かしさだった。もしかして、冬木さんは夢の中で会う女の子なのか?

感想などあればお願いしますm(_ _)m

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