捜索
それから僕達は機関部への行き方を探したが全く見つからない。
「やっぱみつからねぇな」
「そうだね、やっぱりそう簡単には見つからないか」
「う〜ん、どこにあるんだろうね」
からくり屋敷なんだから、何か仕掛けがあるんだろうけど、その手掛かりが全く見つからない。
「ん? 冬木さんどこだ」
「え?」
「あれ? ふさちゃんどこ」
言われて周りを見回すが、冬木さんがいない。さっきまで一緒にいたのに。
「まさか、落武者の霊にでも連れ去られたか?」
「そんな訳ないでしょ!」
後、時代考証おかしいって。
「まぁ冗談はおいといて、ばらばらになって冬木さんを探そう。20分後に玄関に集合」
「解った」
「うん!」
今まで通った通路、部屋などを捜すがみつからなかった。どこにいるんだろう。
冬木さんを捜している中、忘れ物をした時に感じた違和感について考えていた。あれから、冬木さんと会話する事は何度かあったがその時にも違和感は感じていた。
それに、夢にも少し変化があった。夢の中で女の子と遊んでいるのだが、なにをして遊んでいたのかは覚えていない。ただ遊んだ事だけは覚えてる。
けど、あの違和感を感じた日から遊んだ内容を思い出せるようになった。雪合戦や雪だるま、雪ウサギ、小さなかまくらを作ったりして遊んでいた。
あの時、雪合戦したからなのかそれとも
冬木さんだからなのかな・・・
「おっと!」
考え事をしながら冬木さんを捜していたせいで、足元がおろそかになり何かに躓いた。
「うわっ!」
ドシン!
転げそうになり近くの棚に手をついたら、棚の後ろの壁が回転して棚ごと倒れこんだ。
「いてて」
壁が回転って、からくり屋敷というより忍者屋敷だ。
ギシ・・・
奥から足音が聞こえる。しかし、暗くて何も見えない。
・・・まさか落武者の霊じゃないよね。
そんな訳ないと思いつつ、少し身構えていたが現れたのは冬木さんだった。
「あ!安住君だ」
「なんだ、冬木さんか」
考えてみれば霊が足音たてる訳なかった。
「急にいなくなったからびっくりしたよ」
「ごめんね。でも、凄いもの見つけたんだ!一緒来て」
「え? ちょっと、冬木さん!」
そう言うや否や、僕の手を引いて歩きはじめた。
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