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冬の記憶  作者: 夜霧
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転校生

  朝、教室の窓際の席に座って雪景色を眺めていると、横から声をかけられた。


「おーい、何黄昏てんだよ」


 今声をかけてきたのは西村淳、入学式の時に知り合った。


「別に、ただ景色を眺めていただけだよ」


 そう言い返しながら少し笑った。


「おい、おれなんか変な事言ったか?」


「いや、相変わらず寝癖直してないなと思ってね」


「だから前にも言ったろ。俺の髪絡まりやすいから、直しても風とかですぐ絡まっちまうんだよ」


 その事は分かっているのだが、やっぱり寝癖が少し面白い。


「それにしても、ただ外眺めんの何か寂しくね?」


「別に?」


 寂しいというか、単なる暇つぶしなんだけど。そんな風に会話していると、また声をかけられた。


「二人ともおっはよー」


 高橋智子、西村と同じく入学式の時に知り合った。


「ねぇねぇ、二人とも聞いてよ聞いて聞いて!」


「何だよ」


「何?」


 今日はいつもよりテンションが高いな。何かいい事でもあったのかな?


「あのね、今日転校来るって!」


「マジ!」


「へぇ!」


 なるほど、それでか。


「なぁ高橋、どこでそれ聞いたんだ?」


「さっき、部室の鍵を職員室に返しに行った時に先生が話していたのを聞いたの」


「なるほど」


「それより西村、転校生が来るんだから少し位寝癖直したら?第一印象良くしとこうよ」


 すると西村は無言で首をふる、どうやら直したくないらしい。直すだけ無駄だと思っているのか、それとも面倒くさいと思っているのかどうなのやら。


 そんな事を考えていると、予鈴が鳴った。クラスメイト達はぼちぼち席に着き出す。


 時間通りに現れた担任の先生が言う。


「よし、全員揃ってるな。今日は連絡事項がいくつかある。一つはこのクラスに転校生が入ってくる事になった」


 転校生という言葉に教室がざわめく。


「それじゃあ冬木、入ってくれ」


 先生が声をかけるとドアを開けて入ってきた。転校生は女の子だった。


「彼女がこの教室に入ってくる事になった冬木桜だ」


「冬木桜です。よろしくお願いします」


 少し緊張のまじった声だった。


「席は根津の隣で、教科書はまだ届いてないから見せてもらえ」


「はい」


「それじゃあ席に着いてくれ。残りの連絡事項も言うぞ」


 1時間目が終わった後、冬木の周りは女子で囲まれ色々と質問されていた。その中にはもちろん高橋もいて質問をしていた。


「女子っていいよな、初対面でもすぐ話す事が出来て」


「そう?男子でもあまり変わらないと思うけど」


「そうか?」


 西村と話をしながら一つ疑問に思う事があった。

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