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迷惑男の撃退法



すべての試験が終わり、ベルンハルトと合流し馬車にはこりごりと歩きで帰る。


「エラお嬢様、お疲れ様でした。実技試験の方はどうでしたか?」


ベルンハルトがそう聞いてきた。


「うーん、やり過ぎたかもしれない。魔力計測用の水晶を粉々に砕いちゃった。」


はははと苦笑いで答えるとベルンハルトもはははと空笑いが返ってきた。

その空気にいたたまれず、ベルンハルトにどうだったか聞き返した。



「ん?俺か?剣を使っての試合形式でしたよ。人数が多いから5つにグループが分かれて勝ち残り戦で楽勝でした。とりあえず俺がいたグループで最後まで勝ち残りました。」


ベルンハルトはそう言ってニッと笑う。


「ふふっ、流石ベルン。合格発表が楽しみだね。」


ふふっと私は笑った。





そんな穏やかな会話の中




「おい、お前。」



人気がなくなった道で突然話し掛けられた。



私とベルンハルトはその言葉に振り返る。



「お前、その男とどういう関係だ?」


なんだか偉そうなずんぐりむっくりな男が話しかけてきた。

ベルンハルトの顔を見ると険しい顔をしていた。


ボソッ「こいつ騎士科の実技試験にいました。」


ベルンハルトが耳元でコソッと言う。



「ベルンは、わたくしの護衛ですわ。」


にっこりと笑顔を作り笑う。


「そうか、おい、その護衛を俺に渡せ。そこの護衛、そいつより高い賃金で雇ってやる。着いてこい。」


ドヤ顔でそう言ってのける男に対して私は飽きれた様に苦笑いをする。

チラッとベルンハルトの顔を見ればエヴァン兄様直伝のブリーザードスマイルだった。


「大変申し訳ありませんわ。ベルンとは生まれた頃から一緒に育っていますの。護衛とは言っても兄弟みたいに育ったので渡す事はできませんわ。」


ニッコリと笑ってお断りを入れる。少し後ろから漂うブリザードが少し治まったような気がした。

そして続けるようにベルンハルトが話す。


「僕はエラお嬢様にしかお仕えするつもりはございません。たとえどのような大金を積まれてもその意思を変えるつもりはございません、」


そう言って深く頭を下げる。



「ふ、ふざけるなよ!!俺を誰だと思ってるんだ!俺は伯爵家の長男だぞ!お前らなんか一瞬で潰せるんだ!」


そう言って怒る男に心底めんどくさいという顔を出してしまった。



「おい!今すぐ俺の物にならないと護衛対象の女を痛め付ける。」


ニヤリと歪んだ顔をする。


ベルンハルトとは、額に青筋を浮かべた。



「大変!わたくし痛めつけられてしまいますわ!きゃー助けてくださいませ。くっ、ふふふww」


そう言ってベルンハルトの後ろに隠れるが自分の演技の下手さに思わず笑い肩が揺れる。



「な、なんで笑ってるんだ!本気だぞ!来い!」


迷惑男がそう言うとぞろぞろと雇われたのだろうか十数人剣をもった人たちがやってきた。


「エラお嬢様、やれないことはないのですが、この数を手加減するのは少しきついです。」


そう言ってベルンハルトは剣は使わず構える。


「剣を消したら余裕?それとも数名私が相手する?」


「剣なんて消せるのか?」


「あの魔法試してみたいのよね。」


「あれ使うのか?・・・まぁ、いいか、、。」


ベルンハルトは少し焦ったような顔をしたが最後は諦めたみたいだ。


「ふふふ、お任せあれ。闇炎(ダークフレイム)弾丸(バレット)。」


私はそう発すると私の周り黒い炎をいくつも飛びかわし敵の武器に向かって魔法を放った。



放った黒い炎は武器を一瞬で消し去った。敵全員驚き騒然とする。



「な、なななんだ!今の魔法は!!??」


迷惑男は尻餅をつき私を指さしわなわなと震えてる。



「ふふっ、ベルンこれでいい?」


「充分だ。」


私がニッコリ笑って問いかけるとベルンハルトはニヤリと笑いバッと敵の懐へ加速する。



グハッ!


ガハッ!


と敵が次々と倒れていく。



そして残るは迷惑男になった


「お、おい!お、俺は伯爵家だぞ!こ、こんな事をして許されると思っているのか!!??」


迷惑男は指をさしてそう叫ぶ。恐怖なのか腰が抜けて足をガクガクを震え上がらせている。



「失礼ながら、伯爵家のご子息の方、あなたには指一本触れていませんわ。何か抗議したい事があるのでしたら、私の父であるレオナルト・ホラーツ・ドレッセルまでお願い致しますわ。」


そう言ってニコっと笑うと迷惑男の顔がサッと青くなった。



「ど、ど、ドレッセル、、、、。」


そう言って放心している。



「では、ごきげんよう。」


私はそう言ってその場を離れた。





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家に帰ると


「エラお嬢様、あの魔法は今後封印しておいてください。あまりにも危険な魔法です。」


ベルンハルトは真面目な顔でそう言った。


「うん、それはそう思う。危機的状況で他に手がない状態になった時に解禁するわ。」


そう言って少し困ったように笑う。



するとベルンハルトが頭をポンポンと撫でてくれた。


「大丈夫、、。絶対に俺が守る。」


そう言って安心させるかのように優しい笑顔でベルンハルトは言った。

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