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エヴァンの門出


ベルンハルトは泣き虫ベルンを卒業したらしく兄様のように紳士で強い剣士を目指しているそうだ。



ある昼下がり、庭で私、ベルンハルト、エヴァンと休憩をしていた。


「今年の夏にあるヴォルバッハ帝国学園の入学試験を受けようと思うんだ。」


エヴァンのその言葉に私とベルンハルトは首を傾げる。


「何?それ?」


私は質問する。


「帝都にある一番大きな学園なんだ。」


エヴァンが丁寧にヴォルバッハ帝国学園について教えてくれた。


ヴォルバッハ学園とは大賢者ヴォルバッハが優秀な人材を育てるべく建てたとされる学園で、一学年10000人は所属しているサンドリア大陸一の学園だそうだ。試験は他の国や地方にある学園に比べて難しいらしく、学園に入れば平民でも卒業後良い進路に進めるらしい。


その為、入学志望者は多く、各国から12~17歳までがここぞとばかりに集まるそうだ。



「エヴァン兄さんなら絶対合格できるよ。」


ベルンハルトはそう言ってにっこり笑った。



「ふふ、そうかな?僕は騎士科を受けようと思うんだ。そして目指すわ特殊科かな?」


エヴァンの言った最後の特殊科にまた首をかしげる。」


「特殊科っていうのはね、入学した者の中でも戦闘・魔法・知識がトップレベルの者が集まるクラスを特殊科って言うんだ。おじい様も特殊科を卒業したはずだよ。」


エヴァンの説明を聞いてうぉーー。と2人して目をキラキラさせた。



「特殊科かっこいいですね!!特殊科以外どんな科があるんですか?」


私はすごくこの学園に興味を持った。



「えっと確か兵士科その上位学科が騎士科、医学科次の2学年に上がると薬事科と治癒魔法科が選べるんだ。そして魔法科、その上位学科が魔導科、あとは、社交科、冒険科、商業科だったような。」


エヴァンの答えにほうほうと頷く。


「社交科というのは必要があるのですか?」


ふとした疑問を言った私に少し困った顔を見せた。



「うーん、、貴族であるエラお嬢様にこのような事言うのは気が引けるのですが、、、。」


エヴァンはそう言って話してくれた。



帝国内の貴族は高額な入学確約金を払えば入学できるそう。特に貴族は騎士科、医学科、魔導科へ進みたがるが、この三つに関しては能力の見定めが厳しく入れない貴族が多くそういった処置の為に社交科が出来たそうだ。



「私はそんな高い入学確約金は払わず実力で特殊科に入学してみせます!」


ドヤ顔で私は立ち上がりそう言った。



「ふふっ、エラお嬢様らしいな。でも特殊科とは別に他の科に所属しておかないといけないんだよ。」


私の頭を撫でながらエヴァンは言った。



「!!?そうなの??じゃあ何処に入ろうかな?」


うーん?と悩む。


「僕も受けたい!」


ベルンハルトは爛々とした目でエヴァンを見た。


「よし!ベルン!特訓しよう。一緒に試験を受けて特殊科に入ろう。」


私はそうベルンハルトに言い、固く握手をかわした。







それから月日は経ち、エヴァンは見事合格した。

そして特殊科に選ばた。私も含めみんなで喜びを分かち合い

エヴァンの旅立ちを見送った。



「おじい様、お父様、お母様、強くなって戻って参ります。必ずやこの領を守れる強き騎士になってみせます。」


エヴァンはそう言って荷物を持つ。



「ベルン、エラお嬢様を守れるのは君だけだよ。しっかりと守ってあげるんだよ。」


そう言ってエヴァンは涙も目に溜めているベルンハルトの頭を撫でながら言った。


ボロボロの涙が零れるベルンハルトはこくこくと縦に頷いた。



そしてエヴァンは私の前で片膝を立て膝まづき私の手をとった。



「エラお嬢様、ベルンは泣き虫で護衛としては心もとないかもですが、弟の事をよろしくお願いいたします。」


そう言ってエヴァンはニッコリと笑った。



「はい、私たちも特殊科へ入れるように精進します。兄様立派な剣士になってください。エヴァン、汝に女神エレノアの加護があらんことを」


私はそう言ってエヴァンの額にキスをした。

わたしの頭の中に「その言葉聞き届けたわ。」と声が響いた。



その瞬間、白い羽がヒラヒラと舞う。


「ふふふ、女神エレノア様が聞き届けたって。」


驚いているエヴァンにそう言った。



その場にいるものは膝をつき天に祈りを捧げる。



「では、行って参ります。」


そう言ってエヴァンはヴォルバッハ帝国学園へと旅立った。

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