お嬢様らしからぬ活発的に活動しております
この世界は王政で貴族が存在する。
皇帝、皇太子、大公、公爵、皇子・皇女、侯爵、辺境伯、伯爵、子爵、男爵、準男爵、騎士爵という順だと早々から学んだ。
私の家は、フィノイ王国との国境に位置する辺境伯爵である。国一番ぐらいの軍事力を持ち国境を警備している。
そして領内には帝国一番大きなダンジョンが存在するので冒険者が多く滞在している。
父の片腕となる騎士のフレンゼル家。
今、私と同じ年であるベルンハルトと一緒に剣の鍛錬中である。
指導してくれているのはベルンハルトの祖父であるアレクシス様。現役は引退されているがバリバリ元気なおじいさんである。小さい頃からアレクシス様に育てられベルンハルトとは兄弟のように一緒に育っている。
6歳になった頃には女神の加護もあるせいかそこら辺の少し年上のお兄さん達には負けないぐらいまで成長したと思う。
「おじい様もう僕出来ない。」
キツイ鍛錬に根をあげる、ベルンハルト。
「こらっ、ベルン。エマお嬢はまだ頑張っておるぞ!」
喝を入れるアレクシス。
「アレクシス様~!見て見て~!!ウォーターボール!」
ある程度剣術を学んだので、次は魔法について学んでいます。
それはもう、すっごく夢に見た魔法で無我夢中で楽しんでいます。
「エマお嬢!!!??流石にそれを弾けさせたらここら一体水びたしどころじゃないわい!エマお嬢、そのままそれを湖へ持って行けぬか!?」
女神様のお陰で魔力も半端なく調子のって直径3mほどの水の玉を上空につくった。アレクシス様が余りにも驚いて慌てた為、小さくなれ~と何度も念じようやくピンポン玉のような大きさまで小さくできた。まだまだ威力や大きさなどの調節が難しいな。
「エマすごい!」
そう言って泣きべそをかいていたベルンハルトはキラキラした目で私を見た。
「一緒に鍛錬してベルンも同じものを作ろう!」
私はそう言ってベルンハルトの涙を手で拭った。
それからというもの私とベルンハルトは魔法の秘密の特訓を始めた。
わたしの底の見えない魔力に魔絶え絶えに付いて来たベルンハルト。
秘密の特訓のお陰で彼の魔力は日に日に増えていった。
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「エマお嬢様、ベルン。そろそろ勉強の時間だよ。」
そう言って呼びかけてくれたのは、ベルンハルトの兄であるエヴァン。
5つ上のかっこいいお兄様である。本当の妹のように可愛がってくれてベルンハルトと共にエヴァンを慕っている。
「兄さん!見て!僕も兄さんみたいに剣に雷を纏わせることが出来るようになったんだよ。」
そう言って鍛錬用の木刀を取出し実践してみせる。
「ふふっ、ベルンすごいじゃないか。」
そう言ってベルンハルトの頭を撫でるエヴァン。
「私は何も披露しないけどエヴァン兄様、私の頭も撫でて?」
私はそう言ってあつかましく頭を差し出した。
「エマお嬢様もいつも鍛錬頑張ってますね。」
エヴァンはそう言って私の頭をなでる。
ベルンハルトと私は緩み切った顔でエヴァンの手を堪能するのであった。




