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寮はとんでもなかった。


「自己紹介は終わったか~?」


気だるげな先生と思われる男性とその隣りにピシッと立っている美人の女性がいた。

私たちの歓談が終わるのを待っていたみたいだ。



「このたびはご入学おめでとうございます。この学年の特殊科を担当させて頂くルチア・ラロフォードと申します。」


そう言って軽く礼をする。



「俺はブランド・マクティア。この学園では生徒の身分なんて関係ない、この話し方で通すつもりだ。よろしく。」


先生はそう言った。


そしてルチア先生は魔道具なのか5mm幅ほどのバングルに虹色の魔晶石がはめ込まれた物を一人づつ渡された。



「これは念話用魔道具です。これを着けている者と念話できます。(念話をする場合は、このバングルに魔力を流し言いたいことを念じるだけです。)かなり高価なものなので取扱いには注意してください。」


ルチア先生はブランド先生の元へ戻りそう言った。


みな物珍しそうに見ているだけだったが、ヘレンだけは何故か興奮したようにバングルを凝視していた。




「特殊科に集まる者は戦闘・知識・魔法での強者が集まる。もし何も知らぬまま社会に出たらその力を悪用される。そうでなくても攫われ強制的だってこともある。この特殊科で学ぶ事は自分自身を知り守る術だ。自分を守るには自身の力量を知ることも大切だ。これからこの特殊科の仲間と共に訓練として様々な任務についてもらう。日帰りではない任務につく場合も有る、仲間との情報の共有、絆これが生死にかかわることだってあるかもしれない。だから特殊科は男女関わらず同じ寮に住むことになっている。」



ブランドが言った言葉に

私は考えさせられた。確かにまだ自分の力を知らない。きっと家族を人質にされるとどんな魔法でも使ってしまうだろう。家族をも守れるようにならないと、、、。改めて気を引き締める。



「一応、私とブランドも寮母・寮夫として一緒に生活しますので何かあれば相談してください。今から寮へ案内します。着いてきてください。」



ルチアはそう言って寮へと私たちを案内した。


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「エラお嬢様、荷物は後で運びます。」


ベルンが私の元へ来て話しかける。


「今日運び込むのは日も暮れているし迷惑になるかもしれない。明日の着替えだけ運んで、他の荷物は明日運ぶ方がいいね、」


私はベルンハルトにそう言う。


「わかりました。では、寮に着いて解散次第、屋敷に戻り荷物を持ってきます。」


ベルンハルトはそう言った。


「いえ、私も一緒に行く。寮で一人きりは心細いし今日はあまりベルンと話せてないから。」


私がそう言うと一瞬困ったようなだが少し嬉しそうな顔をして私の頭をなでるベルンハルト



「ふふっ、そこのお二人は仲良しなのね。」


「こここここ恋人なのでしょうか!!??」


にこにこ笑って言うフレイヤと恋人という言葉に赤面しながら言うヘレンが話しかけてきた。



「いえ、俺らは幼少の頃から一緒に過ごしてきたのでどちらかと言えば家族に近いかと。」


ベルンハルトはそう答える。


「ふふっ、その言い方だと兄弟ではなく、、。」


フレイヤが意味深な言葉を返しベルンハルトは少し焦ってどもった。



「??どういう意味?」


私とヘレンは置いてけぼりを食らった。



「ふふっ、これから楽しみですわね。」


フレイヤはどこか楽しげに笑って私の頭を撫でその後ヘレンの頭を撫でる。



私は説明を求む!とベルンハルトの方へ振り返ったらバッと目をそらされた。

なぜだ、わからぬ!!






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着いた先に驚いた。


そこは寮としてはあまりにも立派すぎる屋敷がドンっと建っていた。



「寮としは立派すぎじゃないか?」


皆の気持ちを代弁してくれた、双子の兄 ユリウス。



「特殊科に入れるやつは過去5名を超えることがなかった。今年が異例で皇帝陛下から特殊科に使えと渡されたのがこの屋敷だ。」


飽きれたように笑うブランド。


「すまない、父上がこのようなことをするとは、、、」


困ったように謝るフリッツ



「その位、期待されているってことですわ。皇帝陛下のご期待に添えるように尽力を尽くしましょう。」


フレイヤはそう言ってふふふと口に手を添え笑う。



屋敷に入るとそれはもの凄く豪華なもので、私の住んでいた家に比べてもお目見えしないような品物が揃っているような気がしてならない。フリッツは慣れているのか、いつも通りといった顔をしている。さすが皇太子殿下だった。




「こんな所に私が住んでもいいのでしょうか?」


目の前に広がる高級そうな物ばかりにガクブルと震えるヘレン。



「僕もこんな一流の品は家でもそうそう見ないよ。」


リビングルームに広がるソファを触りジルヴェスターがそう言った。




「何はともあれ、お前らはこれから卒業するまでここで生活する仲間であり家族だ。身分の差なんて関係ない。1つだけ言っておく、仲間を信じ頼ることが大切だ。1人で抱え込まず共有することが大事だ。忘れすなよ。」


ブランドはそう言って仁王立ちをする。



そしてルチアに連れられて敷地内の案内をされる。


リビング、ダイニング、書斎、お風呂、などなど様々な場所が存在した。覚えたつもりだが自信はない。



「そしてここが、研究室です。」


地下につながる階段を下りた先には一体が研究室となって設備も整えられていた。




「うわぁぁぁぁぁ!ルチア先生ここは自由に使っても!!??」


目をきらっきら輝かせて言うヘレン



「もちろんです。」


ルチアのその言葉に興奮を隠せないヘレン。



「あの!!この部屋に一番近い寝室を私が使ってもよろしいですか!!??」


勢いよくフリッツに許可を求めるヘレン。



「ふっ、あぁいいぜ。」


彼女の意気込みフリッツはすぐに了承した。



「やったーーーー!!!!」


ヘレンは研修室を隈なく見て回る。離れそうにない。



「案内は一通り終えましたので皆さんで部屋を決めて下さい。後は各自自由行動です。それでは私はこれで失礼します。」


ペコリと頭を下げ見取り図を机に置きルチアは部屋を出た。



「俺とルディはすまないがフリッツ皇太子殿下の両隣を希望する。」


ユリウスがそう言う。


それに皆了承し頷く。


「では、わたくしはヘレンの隣りにいたしますわ。あの子、研究に没頭して何もかも蔑ろにしそうですから。」


フレイヤはそう言った。


こうして着々と部屋割りは進んでいった。

私の隣りはもちろんベルンハルトだった。もう片方の隣りはルディだ。


「ルディ。お隣同士よろしくね。」


ルディにニコッと笑いかける。



「(コクッ)」


ルディは縦に軽く頷いた。

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