第93話 お久しぶりです
「じゃぁ、行ってきますね。」
ソウヤはカルシテナ王にお辞儀をしながら言った。
「あぁ、頼む。これ以上被害は増やしたくない。」
カルシテナ王もお辞儀をする。
ソウヤたちは馬車に乗り込み、四人組が暴れまわっているところに向かった。
「で、その四人組ってそんなに強いのかな?」
ヴィルナがソウヤに向かい質問してくる。確かに、ソウヤたちはほかのやつらより卓越してる。控えめに言っても最強だ。ヴィルナがそうやって聞いてきても無理はない。
ソウヤは少し悩み口を開いた。
「どうだろうね。でも、山がなくなったらしいからな。強いと思うぞ。」
「ヴィルナ、おぬしはいつもそういう考えがあるから、けがをするんじゃないのか?」
リアンがヴィルナに向かい言うとみんな笑い、ヴィルナもてへへと笑った。
「みんなも今回の相手油断しないようにな。たとえ、世界最恐や魔王だろうと油断が命取りになるからな。」
ソウヤは今回の四人組には思い当たる人物がいた。それが正しかったら、今回の戦いは楽しくなりそうだ。
「ここか、すごい荒れようだな。」
もともと、アニマールの近衛兵団が野営地にしていたと思われる場所についた。しかし、テントが壊されて地面は抉れており、血が飛び散っている。過去にここで悲惨な戦いがあったのだろう、よく見ると兵士の死体が転がっていたり地面に埋まっている。
「楽しそうなことしてるね~」
「これは、すごいね。」
「確かにな、魔王軍みたいな奴らなのか。」
「ここ、臭いがひどい。早く離れたいですね。」
「なんだか、帝国軍を思い出すの。」
ソウヤは、リアンの呟きを聞き確信した。
「とりあえず、先に進むぞ。ここからはいつ戦いが起きてもおかしくはない、各自いつでも戦える準備をしろ」
みんなそれぞれの持ち武器を手に取ったが、ガルは何も持っていない。
「え、えっと、ガル?お前武器持ってないの?作る?」
ソウヤは不思議に思ってガルに聞いたがガルは何を言っているのかわかっていないような顔をしていた。
「待て待て、俺は魔法使いだぞ、そんな武器とか邪魔にしかならないわ。」
ガルはそういいながら様々な魔法を見せてきた。
「なるほどね、じゃぁまぁいいか。」
ソウヤたちは例の四人組を探し始めた。
途中、死肉の匂いにつられた魔獣に遭遇したものの四人組には遭遇していない。
「あれ、なんかでかい洞窟だね。」
「ソウヤ、あそこから強い血の匂いがする。多分今回の目標あそこにいると思われます。」
エルンは洞窟のほうを指さした。サーチを使うと四つ強い魔力を感知した。
「さて、ここからが本番らしいぞ。」
ソウヤたちは緊張感を高め洞窟の中にはいった。
足音が洞窟内をこだまし、水が流れる音も聞こえてくる。洞窟の中は、一本道でどんどん下に向かっている感じだ。ソウヤたちは奥に進んでいった。
「とまれ」
ソウヤはみんなを止めた。神の眼が地面から魔力を感じ取った。近くにある石をその地面に投げると天井に向かい魔力の矢が放たれた。トラップ魔法だ、なかなかいい精度と威力であることがわかる。油断したら他終えソウヤでもつらいけがを負うだろう。
「気を付けて、進もう。」
よく見ると、壁や天井にもトラップ魔法がある。これは、一つも発動させずに向かうのはむずかしいだろう。ソウヤはどうしたもんかと悩みこんでいるとガルがソウヤの肩をちょんちょんとつついた。
「ソウヤ、俺ならこのトラップ全部解除できるぞ。」
「マジかよ!頼む!」
ガルはエッヘンと顔に書いたまま両手を前に突き出し、詠唱を開始した。
「隠れたる力を見つけ出し、我の前に姿を現させ消し去れ。フィードウェイ!」
ガルの影が伸び、隠れていたトラップ魔法に覆いかぶさるようにうにゃうにゃと動き始め魔法陣もろとも消えていった。ソウヤたちは見たことも聞いたこともない魔法に驚いていた。
「ガルちゃん、今の魔法ってガルちゃんオリジナルの魔法?」
エルンは、みんなが思っていたことを代表して聞いた。
「今のか?あ~、昔の魔法だよ。古代魔法っていうのかな?城の書庫に関係の書物があったから読んで試してたらできるようになってた。」
ガルは、しれっとすごいことを言った。ソウヤたちは、開いた口がふさがらないのか、ポカーンと口を開けたままだ。
「と、とりあえず行くか。」
ソウヤがそういうとみんなも正気に戻ってきた。
しばらく歩いた後、どでかい空間についた、薄暗く隣にいるヴィルナやリアンらの顔が見えるか見えないかくらいだった。
「広いな、ここでおそらく行き止まりだろうな。」
ソウヤがあたりの捜索を始めようとすると、バッとあかりがつき目がくらんだ。
「久しぶりだな!クロイソウヤ!」
「お前を殺すために、俺たちは死ぬほど努力してきた。」
「今度こそお前に負ける気がしないな!」
「覚悟しろ!」
ソウヤたちは次第に目が治ってきて、前を見るとソウヤにとって久しぶりに見る、魔王軍四天王が立っていた。
「これはこれは、久しぶりだね。しかし、こんなことになろうとは誤算だったな。」
四天王の後ろには、三人の人が血を流してはりつけにされていた。
「さぁ、リベンジマッチと行くか。」
四天王は嬉しそうな表情を浮かべ、武器を構えた。




