第92話 次にやること
ソウヤは、今四つの殺気に囲まれていた。ソウヤは何もできずにただ、気をそぐわないように正座している。四面楚歌という四字熟語があるがおそらくこういうことを言うだろう。なんでこんな状況になったのかは、ソウヤが魔王を連れ出したところから話した方がいいだろう。
「お前はなぜ俺を殺さなかったんだ?俺を殺し首を持ち帰れば永遠に名が語り継がれるだろう。」
隣を歩いている魔王ことガルベートが話しかけてきた。
「あ~、まぁ、あれだよ。そもそも俺は魔王軍幹部を倒す使命というかお願いをされてるんだよ。そんで、魔王は殺さなくていいって言われたからかな。」
ガルベートは、ふ~んといいながらソウヤの横を歩いていた。なんだか納得がいっていないようだった。
「でもそうなら、お前は俺をつれさらわなくていいんじゃないか?ほっとけばよっかたんじゃないか?」
ごもっとも意見が来てしまった。
「ま、まぁあれだよ、気分。いつも魔王軍幹部に先手を取られてたから、こちらからも攻めてやろうと。」
「しかし、やったのが誘拐とはな」
二人は笑いながら、歩いて行った。
しばらく歩き、王城までついた。
「お、お前はここの王か王子かなんかか?」
「違う違う、ここの国の王と知り合いなんだよ。部屋を一つ借りてるんだよ。」
「そ、そうか」
ソウヤの姿を見た執事がこちらに来た。
「おかえりなさいませ、ソウヤ様。ほかの皆様は、お部屋におられますよ。」
「ありがとうございます。」
ソウヤはガルベートを自分たちが借りている部屋まで連れていき、部屋のドアを開けた。
「ただいま~」
ソウヤがそういうとヴィルナがやってきた。
「おかえりソウヤ、どこにいって…た…のかな~?」
ヴィルナの言葉の最初と最後の明るさがかくじつにちがう。確実におっこている。ソウヤはなぜ起こっているのかわかっていなかったが横を見た瞬間わかった。ガルベートが腕にしがみついていたのだ。すぐ、ソウヤが弁明しようとしたのだが、間に合わなかった。ヴィルナに腕をつかまれ部屋に連れ込まれた。そして冒頭につながる。
「ソウヤ、一人で何をしていたのかな?」
「メイドの人からは、早朝にどこかに行かれましたと言われるし。」
「妾が魔力で見つけ出そうとしても、遠すぎて感知できないし。」
「本当に~困っちゃうよね~」
四人から皮膚に穴が開きそうなほどの鋭い視線を感じる。ソウヤはまだ正座から解放されない。
「なんなの?ま~た、女の子ひっかけて。」
「今夜は妾たちの良さをその体に覚えてもらわないとじゃな。」
「と、とりあえず、どこか行くなら報告しないとですよ。」
「困っちゃうよね~」
ソウヤは縮こまって四人の話を聞いていた。ガルベートに関しては、四人の迫力に驚いていた。
「ごめん。というか、よく女だということが分かったかな。」
ソウヤは疑問に思った。ソウヤは、ガルベートのこと男と間違えたが、ヴィルナたちは一発でガルベートのことを女だと見抜いた。
「なんでって、そりゃ、パッと見でわかるでしょう。」
「とうぜんじゃな」
「見たらわかるよ」
「でもまさか魔王をつれてくるとは、思わなかったな~」
ベルメスのその一言がその場の空気を凍らせた。
「「「えぇ~~!?」」」
ヴィルナ、リアン、エルンが驚きのあまり壁まで後ろに下がった。そうやもさすがにそこまでわからないだろうと思っていたのでびっくりしていた。
「なんでわかったんだベルメス?」
「なんでも何も~、一回見たことあるからね~。前にふらふら、飛んでたら~、いつの間にか魔王城のところまでいたから~ついでに襲ってみたんだよね~、その時に指揮してたから覚えてるよ~」
普通の顔で普通なように話していたがみんな唖然としていた。ガルベートは何やら考え込んでいた。
「待って、その事件今でも覚えてるけど、もしかしてあなたってベルメテウスダークドラゴン?」
「せ~か~い」
嬉しそうにベルメスが手を叩いた。
「と、とりあえず自己紹介をね。」
ソウヤが言うと、ガルベートは咳ばらいをした。
「俺の名前は、ガルベート=イルステリア。現魔王で魔族の中で一番の魔力を持っている。」
ガルベート言い終えるとお辞儀をした。
「こっちも自己紹介をしないとな・・・」
そこから、自己紹介をしてすこし親睦を深めた。
「とりあえず、俺はカルシテナ王に仲間が増えたと伝えてくるな」
ソウヤはそういい、カルシテナ王のいる部屋に向かった。
「カルシテナ王、仲間が一人増えたんだが…」
部屋の中に入ると、カルシテナ王は頭を抱え込んでいた。
「どうしたんですか?」
ソウヤが問いかけると、カルシテナ王ははっとしたようにソウヤのほうを向いた。
「おぉ、ソウヤ君かちょっと厄介なことが起きていてね。」
深刻そうにソウヤに話しかける。
「何やら最近、謎の四人組が暴れまわっているらしくてな。こちらも近衛兵団を出したんだが返り討ちにあったらしくて、この一件をおさめるために我の息子が二人行ってるんだがまだ帰ってこなくてな。被害は、村ひとつと山ひとつが消えた。幸いなのは、市民が死んでいないことだな。」
カルシテナ王は言い終えると、また頭をかかえこんでしまった。
「そうだな、世話になってるから俺たちが見てきますよ。」
「そ、そうかすまないなソウヤ君。また助けてもらうことになるとはな。」
カルシテナ王は申し訳なさそうに言う。
「いいですよ。これも、旅の面白さの一つなんですから。」
ソウヤはそういい部屋を出た。ついでにメイド長などにも一人増えたことを伝えた。
ソウヤが部屋に戻るともうみんな仲が良くなっていた。
「みてみて、ガル超かわいいよ!」
ヴィルナたちがガルを女の子らしくして遊んでいたようだ。ガルベートのこともガルと呼んで仲良くなりすぎだろ少しの間で。
「おう、かわいいな。」
ソウヤがガルは照れちゃった。
「とりあえず、次やることが決まったぞ。」
ソウヤはみんなに先程の話をした。




