第3話 俺ギルドに入るわ
ヴィルナちゃんのお父さんに応接間に案内され、ソウヤの隣には、ヴィルナちゃんが座っている。全員が座ると、メイドの人がお茶とお菓子を出してくれた。
「どうぞ、食べてくれ。」
「ありがとうございます。」
そういわれ、少しお腹が空いていたので一枚いただいた。
「わたしは、ダンセル = モリコーネ。ヴィルナの父親だ。君には、ヴィルナだけでなく、騎士団も助けてもらったようだし。お礼としてこれを受け取ってくれ。」
手のひらサイズの麻袋を渡された。手に取り中を見ると、シルバーのコインが入っていた。おそらく、お金なのだろうがどれくらいの価値かわからない。なので、コソコソとヴィルナちゃんに聞いてみた。
「これって何?」
ヴィルナちゃんはソウヤのその質問に驚いたようで、口をポカーンと開けていた。
「!…。これは、白金貨と言って最も価値の高い貨幣です。ちなみにそれだけあれば、ここみたいな屋敷が買えます。」
「まじかよ。」
すげぇ!こんなのぽんと渡せるなんて。貴族って本当にすごいんだな。とりあえず、資金は大事だからありがたく頂戴しよう。
「なんか、ありがとうござます。」
「いやいや、当然のことをしたまでだ。」
それから、ソウヤの出身地、服装など馬車の中のヴィルナちゃんと同じ質問をされた。血の繋がりを感じたね。
「そういえば、ソウヤくん君はこれからどうするのかね?」
そうだな。いまは、この世界の知識が欲しい。何も知らないままじゃ、色々と不便だろうし。あ、仕事も探さないとな。
「とりあえず、仕事を探そうと思います。何かいい仕事知りませんか?」
「君みたいな強い人は、冒険者になればよい。ソウヤくんならすぐAランク以上の冒険者になるだろうな。ギルドならこの街の中央にある。明日連れて行こうか?」
「お願いします。」
これで仕事は、決まったも同然だからな。これからの衣食は、大丈夫だな。
「そういえば、宿などは、決まっているのか?」
あ、忘れてた。衣食住の住が足りないやん。
「決まってないです。」
「よし、ここに泊まっていくか?」
「いや、そこまでしていただくわけにはいけないので。」
「そうか、なら私の所有している宿に紹介しよう。それならいいか?」
わぉ、すごいな宿まで持ってんのか。貴族っていいな。お言葉に甘えて、紹介してもらおう。
「はい、お願いします。」
それから、軽い別れの挨拶をし、言われた宿に行くことにした。まぁ、やはりと言うか、そこそこよい宿だった。受付で、紹介状を渡しその宿で一番良い部屋に泊めさせてもらった。部屋の中は、四人泊まっても大丈夫なくらいに広かった。
ソウヤは晩飯と風呂を済ませ、異世界の最初の1日を終えた。
次の日、朝食を食べ自分の部屋で出かける準備をしていると、部屋のドアからノックの音が聞こえた。
「はーい。どなたですか?」
「ヴィルナ=モリコーネです。」
あれ?ダンセルさんが案内してくれるはずじゃなかったっけ?
「あれ、ダンセルさんはどうしたの?」
「お父様は、急用ができたので来られなくなったので代わりに私が迎えに来ました。」
「そうなのか、じゃぁ、ヴィルナちゃんギルドまでの案内よろしく。」
「わかりました。では、行きましょう。」
軽い会話をしながら、歩いていると冒険者ギルドと書かれた看板がある建物に着いた。
「ここが冒険者ギルドです。では、受付に行きましょう。」
「おう。で、何か試験とかあるのか?」
「いいえ、その人のスキルやステータスを見るための魔法具があるのでそれで測定します。冒険者には、F~SSSランクまであり、どんだけ強くても最初は、Fランクからスタートするんですよ。」
へぇー、なんか便利な魔法具があるんだな。そう思いつつ、受付のお姉さんに話しかけ受付をした。
「ようこそ、冒険者ギルドへ。」
「すみません、冒険者になりたいんですけど。」
そう話すと「少々お待ちください」と言われ、待つと水晶のようなものが出された。
「では、この魔法具に手を当ててください。」
言われた通りに魔法具に手を当てた。すると魔法具が高音を出しながら七色の光を発し、弾けた。そのあと、ひらひらと手帳が落ちて来た。
「申し訳ありません。魔法具の故障でしょうか。いつもなら弾けないのですが…。あ、これがあなたのギルド手帳になります。ギルドの盟約の他にステータスなどが書いています。基本見せたい相手のみ見せることができますが、鑑定などのスキルを持っている方は見ることができます。ご注意ください。これであなたも冒険者です。命はお大事にしてくださいね。」
受付が終わり、ギルド手帳を眺めてると、ヴィルナちゃんが寄ってきた。
「終わったソウヤ?ちなみに私も冒険者なんだよ。」
「え、マジか。だったらあの時ヴィルナちゃんも戦えたんじゃ?」
「まぁまぁ、ほらギルド手帳読もうよ。」
ヴィルナちゃんに上手くはぐらかされ、近くのソファーに促された。ソファーにすわり、自分のギルド手帳を読んでいたところ自分のステータスのページがあった。
name:クロイ ソウヤ 18歳
HP:5000000/5000000
MP:5000000/5000000
スキル:全武器適正 全魔法適正 全魔法取得
ユニークスキル:創造
称号:神々の加護を受けしもの
他にも使用魔法や所持武器、魔物討伐数などの欄があった色々書いてあったが、見るのをやめた。よくわからんが、想像以上だった。
ギルドを出ようとすると、ヴィルナちゃんがしょんぼりとした顔をしていた。
「このあと、街を案内したかったんですが少し用事があるのでここで失礼します。」
「そうか、少し残念だね。ギルドまで送ってくれてありがとう。また今度会おうね。」
「はい、明日クエストに一緒に行きましょう!では!」
「え?」
なんか最後に、一緒にクエスト行きましょうって言ってた気がする。とりあえず、暇になったからこの世界について調べるか。まずは、図書館があるなら図書館に行こうかな。図書館を探しに街をぶらぶらしていると丁度泊まっている宿の近くだった。今日は残りの時間をこの世界について調べる時間にしようと考えた。
図書館の中は、日本のどんな図書館も比にならないくらいの量を保有しており、しっかりとジャンル別に並んでいた。ソウヤはまずはじめに歴史の本を手に取り歴史について知ることにした。
10冊くらい読んだあたりだろうか、急に耳鳴りが起きる。しかも、キーンというか耳鳴りではなく、キュイーン、キュイーンとリズムよくなっている。
「うっ、なんかへんな耳鳴りが…」
すると、頭の中に直接頭に声が聞こえてくる。
(ぁ…あー、あ、初めましてマスター、マスターのアシスタントを務めることになりましたアストといいます。よろしくお願いします。)
突然脳に直接声が聞こえて、少し驚いたがノベルなどでそんなのあったなーとか思い落ち着いて対処した。
(はじめまして、アスト。ところでなぜ、いきなり現れたりしたの?)
(はい、マスターが一定以上の知識欲を持ったので学問の神の加護より私が生まれました。絶対神ほどではないですが、ほとんどのことはわかります。)
これは、本を読まずともアストに教えてもらえれば、いいんじゃないのか。さすが俺冴えてるな。
(なるほど、ちなみにこの世界の歴史は全部わかる?)
(当然です。マスター)
よし!決まりだ。アストに教えてもらおう。
(部屋に戻ったら、この世界について教えてくれ)
(わかりました)
そうと決まれば、善は急げ。
ソウヤは宿へ走って戻った。
この作品は、ノベルバでも投稿してます。
なんていうか、毎日更新辛いわ
誰か読んでるのかな?