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Perfect Day  作者: 高崎 祐
12/22

最初の晩餐

私は、薄暗くなった帰り道を歩いていた。


今日は大して面白いこともない普通な日だった。あったとしたら、面白くないが校長が花壇の横に牛乳パックが捨ててあったとか言って終礼前に集会を開いたことぐらいだ。まったく、たかが牛乳パックの1つや2つが落ちていたくらいで全生徒集めるなど、皮肉に言えば素晴らしい行動力である。犯人は名乗り出なかったが、それも当然と言えば当然だろう。

まぁ、今日は金曜日だ。明日は土曜で本当なら部活があるのだが何らかの理由で無くなった。つまり、土曜の朝から寝放題である。10時くらいになると流石に親が起こしにくるが、鍵をかければ

No problemだ。


家に着くと、いつもと違うことに気がついた。何故か家に電気が点いていない。

ドアを開けても、家は(もぬけ)の殻である。

私を置いて飯でも食いに行ったかと思ったが、それは違うことを思い出した。

母は悠介の母親と2人で旅行に行くと言っていた。そして、奈那は友達の家に泊まりに行くと言っていたので、今日明日と私はこの家で1人だ。非常に嬉しい。


しかし、よく見れば晩飯が無い。冷蔵庫の中に明日の朝と昼のものであろう飯がラップに包まれて置いてあったが、今晩の分は何故か見当たらない。米すら炊いていない始末だ。自腹で出前でも取れと?

とりあえず椅子に座ると、机の上に紙きれの様な物が置いてあることに気づいた。

母の書置きだ。



‘‘晩ご飯は、沙百合さんが作ってくれたから。食べに行って”



沙百合とは、悠介の母親の名前である。








オイ







私は目を疑った。

悠介の家に食いに行けということか。

悠介の家族構成は母親と姉だが、母親は旅行に行っていて姉は社会人になって独り暮らしをしているから向こうも1人だ。

2人で楽しくディナータイムということになる。

悠介の家族と外食に行くことは過去に数回あったが2人で食ったことは一度もない。

冗談だろ???

そんな風に考えていると、インターホンが鳴った。

居留守(いるす)を使う訳にはいかなかった。


「・・・悠介」


「よぉ、お前、なんかメモとかあったか?ウチでメシ食う事になってたみたいだけど」


「さっき帰ってきて、今、その事知った」


「そうか。まぁ俺も、1時間くらい前に帰って来て気づくのに30分くらいかかったんだけどな」


じゃあ、と悠介は続けた。


「とりあえず、ウチ来い」


私は作ってもらった側の人間だ。拒否権はない。

ただ、


「待って、お風呂入るから」


私は部活の後だ。汗まみれでは無いにしろ、他人(ひと)の家に上がるとなれば気にかかる。


「わかった。色々済んだらウチのインターホン鳴らしてくれ」


「うん」


「寝るなよ?湯船で」


「大丈夫。ご飯食べてないから」


悠介が少し笑ったのが、画面にうっすらと映っていた。




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