好きと言うまで -6
主人公、災難に巻き込まれるの回です。
ジュード様が店の常連っぽくなって3か月がたとうとしていた。
「最近、お店の周りに変な人がいるわよ。」アデルが開店前の打ち合わせで言い出した。
「え。なにそれ。」思わずぎょっとする。防御魔法がかかっているから悪意ある侵入は防ぐけど、あまりいい気分じゃない。
「お店に入るでもなく、ただ窓からベルのことを探してるみたい。20歳くらいの女の人で、どこかのお屋敷に勤めているメイドっぽい。知っている人?」
「メイドさんは、当主さまか叔父の家に勤めている人くらいしか、知り合いいないよ?」
「もしかしてクラドック卿に、ご執心の人の手先じゃない?」アデルは何を思ったのかすごいことを言う。
「手先って・・・どうして私を捜さなくちゃいけないのよ?」
アデルはわかってないなぁ・・・とぼやいて
「あのね、ベル。クラドック卿って女性たちにとても人気があるんだよ。そういう人には熱烈な恋心を持っている人だっているでしょうよ。
クラドック卿の行動を調べさせる貴族のお嬢様がいたって不思議じゃないわけよ。
そういう人が、クラドック卿が、この店にほぼ毎週1回必ず通っていて、店の主は若い女性で、しかも店で楽しげに会話してる・・・というのを知ったら、面白くない人がいたっておかしくない。
この店は強力な防御魔法がかかっているから店内は大丈夫だけどさ、外は気をつけなよ。」
「はあ~、クリス兄から聞いてはいたけど、ジュード様って本当にもてるんだね。でも誤解なのに」
「ベルは自覚なさすぎなの!!」
このとき、私はまるきり他人事でアデルの忠告を聞いていた。
・・・・・・・朝、アデルにこんな軽口をたたいていた自分をののしりたくなるわ・・・・・・・
この日、私は伯父に頼まれたケーキを届けるために、店に鍵をかけて外に出た。
どこから現れた男女のうち、女性がよろけてぶつかってきたな、と思ったら私は意識が遠のいた。
気がつくと、私は知らない部屋で椅子に縛り付けられている、という現在の状況。
目の前には最新流行のドレスで着飾りスラリとした金髪の女性が怒りの表情で見据えている。
「ジュードは、こんなパッとしない容姿の娘のどこが、よかったのかしら。わたくしを断った理由が、こんな平凡な女だと?冗談ではありませんわ」
「あの、なんのことでしょう。私とジュード様は、なんの関係もありませんが」
「とぼけるのもいい加減になさったらどう?」
お嬢様は私をキッとにらみつけ、オリーブ色の瞳が怒りでいっぱいになっている。
どうやら私の言い分は聞いてもらえないらしい。
読了ありがとうございました。
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次の話は、この続きからです。
主人公が災難に合っていますが、災難の描写が微妙だ・・・・。
ちょっと盛り上げようと思って思いついたのですが。