好きと言うまで -3
ヒーローの登場が遅くてすみません。
「兄が間もなく来るそうですので、お茶でも飲んでお待ちください」
「クリスが自慢しまくってる妹さんのお茶ですね。おや、クッキーもつくのですね」
「はい。今日は生姜のクッキーと、ブルーベリーのクッキーです」
この人、クリスって兄様を呼び捨てにしてるってことは、同僚か上司?
カラカラカラーン。すごい勢いでドアが開き、そこにはものすごく慌てた顔をしたクリス兄様が
現れた。なぜそんなに慌ててるうえに汗をかいてるんだ?走ってきたのか?
「あ、クリス兄様。こちらの方が・・・・」
「なんで、あなたがベルの店に、いるんですか??ジュード様!!」
ジュード様、と呼ばれた男の人は、兄とは対照的に落ち着いたさまでクッキーを全部食べ
お茶のカップをからにしてから兄に目を向けた。
「クリスが、そわそわして帰るときはたいてい妹さんのお店にいって防御魔法をかけるときですからねぇ。妹さんのお店は評判で、一度行ってみたかったし、ちょうと仕事の手も空いたので♪」
「“仕事の手も空いたので♪”じゃないですよ!!王宮でジュード様のこと捜してましたよ!!勘弁してくださいよ~。あ!ベルに近づかないでくださいよ!!
あなたの評判、王宮に知れ渡ってるんですから!!」
「おや?どんな評判でしょう?」
一方的にまくしたてるクリス兄と、そんな兄を間違いなく面白がってる “ジュード様”。
「クリス兄様。静かにしてください。ここは店内。私の部屋ではありません!」
「あ、すまないベル。とりあえず茶くれ、茶。」
「はいはい。でも、その前に、この方はどなたですか?」
「あれ?紹介してなかったか、悪い。こちらの方はジュード・クラドック卿。俺の上司で特級魔法騎士」
は?特級魔法騎士って・・・・魔法騎士の中で、武術も魔術も超一流の人の中から選ばれるという、あれですか。
なんで、そんな人が私の店に防御魔法をかけにきた?
・・・どうやら私の困惑が顔に出ていたらしく、ジュード様はこちらを見て微笑んだ。
「ジュード様、ベルの防御魔法は私がかけますから、さっさと王宮に戻ってくださいよ!!」
「妹さんには、美味しいお茶とクッキーをご馳走になりましたからね。そのお礼と言ってはなんですが、私が今かけていきますよ。・・・・おや?クリス?なんです、その顔は?」
ジュード様は結局、苦い薬を飲んだような表情のクリス兄を尻目に家全体に防御魔法を施してくれた。私には「また来ますね」と言い残して、颯爽と店から出て行った。
なんだか嵐のような時間だった・・・あっけに取られた私に対してクリス兄は「よりによって、ベルに眼をつけるなんて・・・・まずい、まずいぞ。」とぼやいていたことを私は知らない。
読了ありがとうございました。
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ヒーローが登場しました。
が、詳細な顔の描写が全然ないのはひとえに作者の力不足のせいです。
細かいところまで分かりやすく書ける方ってすごいです。