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An event to marriage-5:親族と会う-ジュード両親編

長いので2つに分けました。

2話続けて更新です。

 公爵家は、すこし遠いから、とジュードは移動魔法を使うことにしたらしい。

 お兄さん夫妻の家に行ったときのように、リンゴとシナモンのケーキを焼いたのだけど公爵様たちってこういう庶民のケーキを食べるのかな。


 さすがに、公爵家は違う。重厚で壮大な屋敷に私は驚いてしまった。私の実家の10倍は広い。

驚いて固まる私をジュードは優しく手を握って「俺がついてるから」と励ましてくれる。

 執事さんに応接間に案内されて、私たちはお茶を飲んで待つことになった。

カップは金の縁取りで繊細な花模様。うちで使用しているカップよりはるかに高級品。壁にかかっている絵は(ちなみに実家にかかっているのは“よく使うハーブ一覧”と題されたハーブの絵だ)たぶん、有名な画家が描いたもの。どこもかしこもきらびやかな部屋。

「お待たせしたね。」穏やかな声がした。


 部屋に、群青色の髪の毛と青緑色の瞳をしたジュードに似た男性と、金茶の髪に金茶の瞳をした、華やかな女性が入ってきた。

「父上、母上。お久しぶりです。」

「久しぶりだね、ジュード。元気そうだ」

「父上も、お元気そうで。父上、母上。紹介します。ベル・アイルズバロウさんです。王都でベーカリー兼カフェを経営しています。私は彼女を妻に迎えるつもりです。ベル、父のクラドック公爵と母の公爵夫人だ。」

「ようこそ、我が家へ。どうぞイネスと呼んでください」公爵様はにこやかだ。

「ようこそ。わたくしはジュードの母です・・・あなたはアイルズバロウ家の方?」公爵夫人は笑顔だけど目が笑っていない。

「そうです。現在の当主は、私の祖父の兄です」

「それにしても・・・ジュードまで貴族じゃない女性を選ぶなんて。」公爵夫人は、ため息をついた。

 やっぱりピーターさんのときは押し切られたから、ジュードのときは自分と同じ貴族の娘をって公爵夫人は思っていたらしい。

 予想はしてたけど、正面きって言われるとちょっと悲しい。私は手土産のケーキを出しそびれてしまった。


「母上。失礼じゃありませんか。ベルは今日のためにケーキを焼いてくれたんですよ。」

「もしかして、ベルが経営しているのはベルカフェかい?」公爵が二人の間の冷たい空気をさえぎった。

「はい。そうです。あの、どうしてご存知なのですか?」ここから王都はちょっと遠いのに。

「王都に行くと、たまにピーターたちと会う約束をするんだ。そのときにハリエットがベルの店のケーキをいつも出してくれる。今日は何のケーキを焼いてきてくれたのかな。」

「はい。りんごとシナモンのケーキです。」

「すばらしい。私が一番好きなケーキだ。私の分は、ちょっと厚めに切り分けてもらおうかな」と執事さんを呼んでケーキを渡した。

 公爵様に言い争うタイミングを外されたせいか、ジュードも公爵夫人も黙ってお茶を飲む。


読了ありがとうございました。

誤字脱字、言葉使いの間違いなどがありましたら、お知らせください。

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