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ふたりは恋人 –11

もうすこし、バザーでのふたりにお付き合いください。

ダルダルな展開ですみません・・・。


(ジュードサイド)

 ロデリックさんと並んで、バザー会場へ向かって歩く。

「ベルは家族の前ではおしゃべりだが、人見知りなところがあるので店を開くと言い出したとき、私は、やっていけるのか心配でした。幸いにも周囲の人間に支えてもらって楽しく働いているようですが・・・・ジュードから見てお店はどんな印象ですか?」とロデリックさんが話しかけてきた。

 恋人の父親と会う・・・今までこういう状況になったことがない(なにせ、その場限りのつきあいばっかりだった)ので慎重に口を開いた。「ベルさんのカフェは王都でも指折りの人気店です。彼女のつくるパンやお菓子は、評判ですよ。私もすっかり常連になりました」

「そうですか。それならよかった。・・・・じゃあ、女性としてのベルは、あなたにとってどんな存在ですか?」

 穏やかなロデリックさんの顔つきが一瞬だけ厳しいものになった。いつの間にか嘘を見破る魔法をかけたらしい。さすが、アイルズバロウ家の人間だ。私が自分にかけている耐性魔法をあっさり崩して、詠唱なしで魔法をかけてきた。


「ロデリック・アイルズバロウ殿。いずれ改めてあいさつに伺いますが、私はベルを妻にしたいと思っています。そのときは認めていただけないだろうか」

 ロデリックさんは、私の目を見て「やれやれ・・・・ノーラの予想が当たったか」と少し笑った。「ノーラ・・・妻が、ランスやクリスから話を聞いて“ジュード卿は今までの行いはともかく、ベルに対してはきっと真面目だ。”と言っていたんだ。確かにベルに対しては真面目なようだね。そのときは覚悟を決めて待ってるよ。ただ・・・あんまり早いと私の心の準備が整わないかな」


 私はロデリックさんにベルの相手として認められたらしい。とはいえ、時期に関しては彼の希望には沿えないと思う。きっと近いうちに、ここにベルと来ることになる。

 そして向かった先にはユアン・アイルズバロウがいて、私をみて「やあ、いらっしゃい。お待ちしてましたよ。ジュード卿」と、笑って私に大工道具を差し出し、ロデリックさんの指示でユアンと一緒にテントを設営したり、点検をしたりしたのだった。



(ベルサイド)

 私は、台所で祖母と母と3人でお菓子の袋詰めをしている。とはいえ手だけではなく、口も動いてしまうのは、やっぱり久しぶりに会ったからかな。

「ベル。クッキーは3枚でケーキは2切れの組み合わせで。この袋に詰めて隣の箱のリボンで口を閉めてちょうだいね」

「はい、おばあさま」隣では祖母と母がジュードの話で盛り上がってる・・・・ああ、いたたまれない。こうなったら袋詰めに没頭よ、没頭!!

「ところで、彼氏のジュード卿はいつ紹介してもらえるのかしら」

「作業が一段落したら、ここで皆でお茶を飲むでしょう。その時がいいわよ、リサ」

「そうね。今紹介されても、慌しくて見極めができないものね。

ノーラ、あなたの第一印象はどうだった?あなたは人を見る目があるから、最初にロディと一緒に会ってもらうようにしたのだけど」

「ベルに対して彼は真面目に思ってる。今頃、ロディも同じことをジュードに対して思ってるでしょう。たぶん、あれこれ質問したでしょうから」

「え!なにそれ!!」母の発言に、思わず反応してしまった。

「これで怖気づくような男なら、それまで。でもジュードなら大丈夫よ。」涼しい顔する母と、それにうなずく祖母。

「お母様、そういえばユアン兄は?」

「ユアンも会場の準備中よ。今年はクリスが仕事で来られないから、ジュードをこき使ってやるとか言ってたわね。」

ユアン兄・・・・最初からそのつもりだったのに間違いない。


 その後、治療院の仕事を終えた祖父や会場の作業を終えた父たちも加わって、台所でお茶を飲んだ。祖父は、父が何を話したのかは知らないけど、ジュードを気に入ったらしく楽しそうに雑談をしている。

 一方、ユアン兄は・・・・顔は渋いものの“気に食わないけど、認める”と私に言ってきたのだった。よくわからないけど、よかった。心からそう思った。


読了ありがとうございました。

誤字脱字、言葉使いの間違いなどがありましたら、お知らせください。


初めてジュードサイドで書いてみました。

どうでしょうか?


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