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ふたりは恋人 –10

主人公の家族が登場。

 バザー当日、私はジュードの移動魔法のおかげで、あっという間に実家に到着していた。いつもなら馬車で2時間はかかるのに。移動魔法が使えるっていいな。私は自分の方向音痴が恨めしい。

 バザーの準備で忙しいはずなので誰も迎えには出てこないだろう・・・と私は勝手に思っていた。ところが、治療院の前には両親が立って待っている。

「ベル!!」両親は私を抱擁したあと、ジュードを見た。

 母親のほうは友好ムードでにこやか。でも父は・・・・なんとも複雑な顔をしてジュードを見ている。

 それに気づいた母が「ちょっと、ロディ!なんて顔してるの?ベルの恋人に失礼でしょう。」と父をたしなめた。

「恋人?友達だろ?友達」あせる父。

「ふふっ。あなたもただの父親ね~。あの頃の私の父の心境かしらね?」

 まずい。このまま二人で言い合いを始められると、紹介しそびれちゃう!!

「お父様、お母様!!ジュードが驚いてます!!」私が割って入ると、両親ははっとしてジュードに向き合った。

「お父様、お母様。こちらがジュード・クラドック卿です。ジュード、両親です。」

「はじめまして、ジュード・クラドックです。ジュードと呼んでください」

「はじめまして。母のノーラです。ノーラでもいいけど・・・・お義母さんと「よろしく。父のロデリックです。」母の発言に自分の挨拶をかぶせる父。

「ノーラ、別の呼び方ができるようになるまで、そうお待たせしないつもりです」とにっこりするジュード。

 母は藍色の目を輝かせて「あら♪じゃあ、そろそろ準備をし始めたほうがいいかしらね。」

 私と父は「何の準備?」と、二人の発言の意味に何も気づいていなかった。


「今ね、バザーの準備をしている最中なのよ。だから、ジュードには申し訳ないのだけど、残りの家族との挨拶はひと段落ついてからにしましょう。

 ベル、あなたは私と一緒に台所でお菓子の袋詰め。ジュード、来て早々悪いけどロディを手伝ってくれる?・・・ロデリック、分かってるわね?」母が父の名前を正式名称で言うときには、相当な念押しをされている証拠だ。

 父は母を見て、次にジュードを見て、ますます複雑な顔をして「じゃあ、ジュード。こっちで私たちを手伝ってくれないか?」とバザー会場のほうへジュードを連れて行った。


 母は私と二人きりになったとたん「ベル、ジュードいい人じゃないの。さすが私の娘ね。男性を見る目があるわ~。」と上機嫌だった。

「ところで、さっきのジュードとの会話、なによ、あれ?」

「さっきの?ああ~。あれ。そのうち分かるわよ」

 ・・・・・・・この意味がわかったのは、少し後のことでした。


読了ありがとうございました。

誤字脱字、言葉使いの間違いなどがありましたら、お知らせください。


主人公の家族構成は、父方祖父母・両親・兄2人・主人公の設定です。

嫁姑の仲は、良好。


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