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閑話:ランス・アイルズバロウの報復 -3

閑話、最後です。

「さて、ご令嬢への処分ですが。」

 令嬢は、うつむいたままだ。顔を上げることもできないらしい。

 伯爵は、こちらを見ているものの顔色が悪い。

「まず伯爵に対しての処分は考えておりません。なぜなら、伯爵は令嬢のしたことを知らなかったことは明白ですから。ご令嬢はもう成人されていますから今回の責任は彼女にだけ負わせることが可能だ。  ・・・ですから、お嬢様には今後2年間王宮でメイドとして働いていただきましょう。

 ちょうど王太后様付きのメイドが一人、結婚のために辞めることになっています。その後任ということで私が話をつけてあげます。

 もちろん、メイドの間は社交界への出入りはできません。結婚相手を探すのは無理ですね。」

「そんな・・・・他に選択肢はないのですか・・・・」

「ありません。なおかつ、あなたがしたことは全ておおやけにします。私は自分の名前を利用するのは好きじゃないのですが・・・・こういう事態だ。しょうがありませんね」

「そんな・・・そんな・・・・ひどい」

「ひどい?姪を誘拐して髪の毛を切ろうとしたり縄で縛ったりしといて何を言うんです」

「・・・・・」

「それに、私が何もしなくてもジュード卿が黙っていないでしょう。彼も私と同じことをすると思いますよ?」

 私はワイラー伯爵を見た。ここで抗議されたら、どうしようか。

ところが、意外なことに彼は私に頭を下げて「その処分で当家はかまいません。よろしくお願いします」

「そんな、お父様!!」

「私たちは、お前を甘やかしてしまったようだ。王太后様のところで、学んでくるといい」

 これで、令嬢がなにを言おうと、彼女の処分は決定した。


 ちなみに王太后様は王宮では「公明正大な女傑」と知られており、その居住区域は静かで規律正しい。メイドに対しても、出身で差別はしないが指導が厳しいことで知られている。

 令嬢が自分のしたことを悔やむのに実にぴったりな場所である。



 数日後、王太后様のもとに新しいメイドが加わった。彼女が来た理由も同時に広まった。それによってついて回るイメージを払拭できるかは、彼女しだいである。

 同時に、この話はジュード卿と付き合いのあった女性たちが、ベルに手を出そうとするのを抑制するのに一役買ったのは、言うまでもない。


読了ありがとうございました。

誤字脱字、言葉使いの間違いなどがありましたら、お知らせください。


閑話はこれで終わりです。

次回からは本編に戻ります。

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