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ふたりは恋人 –8

また長くなってしまいました。すみません。

 ユアン兄は「バザーのこと、聞いてみてくれ」と念押しして帰っていった。

 今日は、ジュードが帰ってくる日。お店を休みにして朝からジュードの好きなパンやお菓子を焼き上げた。


 クリス兄いわく、ユアン兄とジュードは同類。「相手の動揺をするどく突いて、ばっさり切り込み、にこやかに奈落に突き落とす」タイプだそうだ。

 うーん。そうかなぁ。そりゃあ、二人とも少し策士っぽいところはあるけど、どうなんだろう?


 そのとき、ドアをノックする音が聞こえた。窓からのぞくと、そこにはジュードが立っているけれど顔色が悪い。私は慌ててドアを開けた。


「おかえりなさい、ジュード」椅子に座ったジュードにお茶を出す。

「ただいま・・・・・やっぱりここはベルの癒しが効いているね。やっと息がつける」

「何が、あったの?顔色が悪いですよ?」

「ベル、ちょっと充電させて?」ジュードは立ち上がって私のそばにきた。

そのまま、ぎゅっと私を強く抱きしめて動かない。私も彼の背中に手を伸ばす。

「何があったの?」少しだけ手から癒し魔法を出してみる。

「・・・さすがに1ヶ月の野外演習は久しぶりだとしんどい。今、俺に癒しの魔法をかけてる?」

「うん。だって、なんだか、ジュードがとっても疲れてるみたいだから。せめて気持ちだけでも、と思って」


「そっか。・・・・・そういえば、演習先にクリスに会いに男の人が来ていたよ。その後、クリスが俺を見る目に若干憐れみが入ってたんだけど、あれは誰だったのかな」

「それは、たぶん一番上の兄ユアンです。先週、こちらにも顔を見せに来ました」

「ああ、あの人がユアン・アイルズバロウさんなのか。」

「兄を、ご存知なのですか?」

「噂だけは。魔法の能力がどの分野でも長けていてエリートコースに乗るかと周囲が思っていたにもかかわらず、実家の治療院を継ぐためにあっさり故郷に帰ったとか。」

「そのとおりです。」

「そういえば、クリスがユアンさんと面会した後、俺を憐れみの目で見てたな。ベル、その理由を知っている?」

「ジュードの気のせいじゃないですか?」クリス兄のためにも、ここは知らないふりっ。

「クリスにも同じことを言われたけどね、妹のきみの前でいうのもどうかと思うけど、彼は仕事以外の話題のときは、顔にでやすい。察するにベルがらみだろ?教えてくれないか。」


 なんというか・・・・ユアン兄の言葉を伝えるタイミングがクリス兄のおかげで出来たけど・・・・。

 もしかして、それを狙って演習先に行ったとか。まさかね。

「月末に実家の治療院で、バザーを催す予定なのですが、ユアン兄からジュードにも、ぜひ参加してほしいと言っていました。以前私が助けられたことをランス伯父から聞いて、お礼がしたいとのことなんです。」

「そう。お礼ね・・・・」

「あの、都合が悪ければ、うちのほうは断っていいですから。無理しないでください」

「バザーに参加するのは初めてだ・・・・(ボソ)品定めってところか。ところで、ベル」

「はい?」

「パンのいい匂いがするね。もしかして俺のために焼いてくれた?」

「あ!そうです。今、持ってきます」と厨房に戻ろうとする私の手をジュードがつかんだ。

「・・・・それと、・・・・」と言って、私の耳元に顔を寄せて言った言葉に私は真っ赤になってうなずいた。


読了ありがとうございました。

誤字脱字、言葉使いの間違いなどがありましたら、お知らせください。


なんだか、へんな終わりかたになってしまいました。

この状態のまま、次からは3回ほど「閑話」が入ります。

すみません。思いついて、ついつい書いてしまったのです。

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