ふたりは恋人 –6
ヒーローが主人公に対して過保護な感じ、出ているといいなあ。
一緒に蚤の市に行ってから、3ヶ月が過ぎた。
でも、二人の休みが全然合わず私たちが一緒に過ごすのは相変わらず、3の時にジュードがお茶を飲みに来るときが多い。
店の出口まで見送ったときに、閉店後に来てくれれば、もう少しゆっくりできますよ、と言った私に対して、ジュードは「ゆっくりねぇ・・・そのとき帰るのは朝だね」と笑ってキスをして帰って行った。
自分の発言をジュードがどう解釈したのか、さすがに分かった私は、顔が真っ赤になってしまい固まってしまったのだった。
「来週から、演習で1ヶ月王都を留守にすることになったんだ。」
いつものようにお茶を飲みにきたジュードが、たいそうがっかりした顔で言う。
「そうなんですか・・・・さびしいですけど、仕方ないですものね」
「それで、俺がいない間はベルのことが心配だから、これ」
取り出したのは、リングを通した銀色のネックレスで、リングには藤色の石が埋め込まれている。
「わあ、きれい・・・・」
「これには、あらゆる防御魔法と緊急時にペンダントをかけたまま通話魔法で話をすると居場所がわかる探知魔法がかけてあるから。」
「もう、ジュード、本当に大丈夫ですよ?あれから変な人が店をのぞくようなこともないし。でも、このネックレスは素敵です。ありがとうございます、嬉しい。
・・・・私も防御魔法とか自分で覚えたほうがいいでしょうか。癒し魔法と通話魔法だけって頼りないでしょう?」
すると、ジュードがニッコリ笑って
「俺は癒し魔法を使えないし、魔法を使う能力のある人がどの分野に向いているのかというのは、最初に学校に入ったときに教授方に調べてもらうだろ?
ベルの能力は癒し魔法の力がずば抜けて高いから、その方面を重点的に鍛えられたんだよ。俺は特に攻撃と防御が向いていたらしくて、その面を鍛えられて現在の職業についてるわけだし。」
お茶を飲んでジュードはさらに続けた。
「それに、魔法を覚えるってことはまた学校通うんだろう?だめだよ。変な男に目をつけられちゃ困るからね。」
・・・・・何言ってんのかしら、この人。それは過剰反応というやつです。
「あのね、ジュード。私見た目こんなに地味だし、性格も見た目裏切らないし。学生の頃、一度もそういうことなかったのよ?今だって、何もないよ。」
「とにかく、魔法を覚えたかったら俺が帰ってきてからいくらでも教えるから。わかった?」
ジュードに、そうお願いされてしまうと私、弱いのよね・・・・。
これから演習に出かける人に余計な心配をかけるのもどうかと思ったので、私は「魔法を覚えよう計画」をしばらく保留にすることをジュードに約束した・・・というかさせられた
読了ありがとうございました。
誤字脱字、言葉使いの間違いなどがありましたら、お知らせください。
どうして、学生時代に主人公が男性と縁がなかったのか・・・もちろん兄2人(どっちかというと長兄)が巧妙に邪魔をしていたからです・・・ひねりもなにもありません。