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ふたりは恋人 –5:魔法騎士団の騎士見習いジョン君の視点

マグをもらったあとのジュード卿を第三者視点で。

ジョン君は、これだけの登場です。(たぶん)

 僕は魔法騎士団の見習いとして働くジョンです。18歳です。

 仕事は、騎士としての訓練のほかに、騎士の皆様が仕事をしやすいように環境を整えることで、いわゆる雑用係です。

 最近、魔法騎士団で一番の話題は「特級魔法騎士のジュード・クラドック卿の恋人は誰なのか?」ということです。


 ジュード卿は特級魔法騎士というエリート職業、外見のよさ、家柄と三拍子そろっているため女性たちから絶大な人気がありますが、王宮の中ではランス・アイルズバロウ魔道士長の次に怒らせてはいけない人とも言われております。

 そういえばジュード卿の直属の部下で上級魔法騎士のクリス・アイルズバロウ様はアイルズバロウ魔道士長の甥に当たります。

 この方は裏表のない快活な方で見習いや使用人にも気さくに接する、とても気持ちの良い方です。有能ですが、若干おちょくられやすいため、ジュード卿によく遊ばれております・・・気の毒に。


 さて、ジュード卿ですが、前は何か入った袋を見て、最近は生成色のマグカップを見てはニヤニヤしているところを複数の方が目撃しています。

 仕事中の顔は以前と変わらず淡々としておりますが、騎士団の間で「ジュード卿が不気味だ」という話が広まるのは早かったです。

 見習い仲間の一人が、使用されたマグカップを洗おうと手にとったところ

「それは私が自分で洗いますから、そこに置いたままにしておいてくださいね」と言われました。

 実際、水場でジュード卿がスポンジでマグを洗っている姿が、その後目撃されたのでした。

 カップに対しての大事な扱いぶりから、あのマグカップは好きな女性からの贈り物なのではないか、と誰かが言い出しました。


 騎士団では卿の恋人について、さまざまな憶測が飛び交う状況になっております。

 そんなある日ジュード卿の友人でアイルズバロウ魔道士長の直属部下でもあるデルレイ・クロスビー魔道士が、ふらりと現れ爆弾を投下しました。

「ジュード、お前、彼女が出来て不気味なんだって?」

「いきなり現れて開口一番が不気味というのは、どういう了見だ。」一瞬眉をひそめるジュード卿。

「お前が最近妙に上機嫌で不気味なのは彼女ができたせいで、それが誰なのか噂になっているのを知らんのか」

 僕はその日、たまたまジュード卿の雑用を担当する当番で同じ部屋で書類の整理を手伝っておりました。

 “クロスビー様、その話を僕がいるときにしないでください~~居場所がありませんっ!!”

 どうせ、僕の心の叫びなんて届かないでしょうけど!!声には出しませんが、心の底で叫びます。

「ジョン。お茶を二人分持ってきてくれないか?」ジュード卿に命じられた僕は、これ幸いとばかりに部屋を出ました。


 なるべくゆっくりお茶をもらい、ジュード卿の部屋へ戻ると、そこで見たのは冷やかすような顔をしたクロスビー様と、淡々とした表情は崩していないものの憮然としたジュード卿という、対照的な表情のお二人でした。

 「実にめでたいな、ジュード。俺はこれから先が楽しみだ。」クロスビー様がお茶を飲んで席をたちました。

「なんとでも言え、デルレイ。ここで時間を潰してないで、さっさと戻れ」とジュード卿。

 さすがに、友人のデルレイ様には恋人の名前を教えたようです。

 そういえば、ジュード卿の恋人当てに、なぜか普段は付き合いのいいクリス様が参加していません。 

 それどころか、その話題が口にのぼるのを嫌がっているようです。

 なにか、知っていることでもあるのでしょうか・・・。


読了ありがとうございました。

誤字脱字、言葉使いの間違いなどがありましたら、お知らせください。


主役の二人を書くのも楽しいですが、脇役(次兄クリスとか)を書くのが楽しいです。

ラブラブエピソードを考えなくていいからかも・・・・

いちおう恋愛物なのに。


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