ふたりは恋人 -2
妹、兄を励ます。
「ジュード様が、不気味なんだ」
店にやってきたクリス兄が、カウンターの椅子に腰掛けて開口一番言った言葉がこれだ。
「不気味・・・?」
今日の3の時にジュードは来ない。
その代わり、クリス兄が勤務明けだとかで店でお茶を飲んでいる。
「そう!!昨日、ちょっといなくなって戻ってきたときに、も~~今まで見たことないくらい上機嫌!職場でのジュード様は、いつも淡々としていて何考えてるのかわかんない人なのにさ。
それが・・・昨日は、ときどき袋を見てニヤついてるし。俺たち、も~不気味で不気味で。」
しまった。クリス兄には言ってなかったんだ。
「たぶん、それ、私のせいだと、思う・・・」
「は?なんでベルが?」
「私、ジュード様に交際申し込まれて、承知したの。それで今度の休みに二人で出かけるの・・・」
げほっ!!クリス兄が盛大にお茶で咳き込む。
「ちょっとクリス兄、大丈夫?これで拭いて」と私はタオルを渡す。
「す、すまん。なんでまた、そんな展開に。」口を抑えつつ動揺を収めようとする兄。
「この間、私がお嬢様に絡まれたことあったでしょう。そのとき、助けに来てくれたの。その後、そのう・・・」
「そういえば、昨日ジュード様が不気味な笑みで見ていた袋はベルの店の袋に似てたなあ」
「だって、来ることができないってがっかりしてたから、パンとケーキを詰めて渡したの。」
「ジュード様が、がっかり・・・・見たことねぇ。ベル、お前は最強だ」
「なによ、最強って」
「一緒に出かけるってどこ行くのさ」
「ちょうど休みの日に東の広場で蚤の市があるの。それに付き合ってくださるって」
「ふーん。おまえ、昔から蚤の市好きだもんな」
「ジュード様、退屈しないかしら。私すぐ商品に見入っちゃうじゃない?」
「大丈夫だよ、あの方は。きっと、それすらも楽しむね。癒しの魔法に甘い空気かよ~。
俺なんて彼女もいないのに~~~王宮ではジュード様にはこき使われるし。実家じゃユアン兄にこき使われ・・・・俺って、かわいそうだと思わないか?」
クリス兄は、優秀な魔法騎士として頭角を現してるって聞いてるんだけど、本当なんだろうか。
今は勤務明けで気が抜けてるんだろうな~。
「クリスお兄様、お兄様のことジュード様もユアン兄様も期待してるのよ。」
私はクリス兄のお茶を暖かいものに入れ替えたのだった。
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