4 おばあさんとおじさん
ポンポンの決意…
それは素晴らしいケーキでした。生クリームは舌の上にすっととろけて、スポンジは焼いた小麦の香ばしさが口いっぱいに広がり、ジャムにした果物も生のままのも甘さと酸っぱさが際立っていて飽きることがありません。
「毎日でも食べたいや」
とポンポンが言うと、おばあさんはさびしげに目をふせました。
「実はね、私の手はもうだいぶくたびれて、思うように動かなくなってしまったの。掃除も洗濯もできなくなって、顔を洗うのも一苦労。ケーキだけは頑張って作ってきたけれど……明日、隣町の老人ホームに引っ越すの。今日のは、私が作る最後のケーキなのよ」
「そんなぁ」
「このお店、なくなっちゃうの?」
ポンポンとコンコンの泣き出しそうな顔を見て、男の人は「大丈夫さ」と言いながら2人の頭をわしわしと撫でました。
「明日からお店は僕が引き継ぐんだ。僕はこの人の息子でね、レシピは全部(頭を指さしながら)ここに入ってる。小さい頃から食べてきたから味も覚えてる。母さんにはまだまだかなわないかもしれないが、かならずこの店にふさわしいケーキを作ってみせるよ」
力強い声に、ポンポンはほっとすると同時に、むくむくやる気がわいてきました。
「おじさん、僕もケーキが作ってみたい。僕を弟子にしてください!」
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