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ボス?討伐!

試したいことはまだまだある。


次は強撃。

戦士だけじゃなくて拳闘士のスキルでもあるからきっと素手で大丈夫でしょ。

拳を握りシャドーボクシングする。

「シュッ、シュッシュ!」

私にそんな風切り音出せるわけない、雰囲気作りだよ雰囲気づくり。


よし、別に体は温まってないが気持ちは温まった。

右手を振りかぶりパンチする。

特に音もない、ミトンのポンポンが少し揺れただけだった。


強撃をイメージする。

何故か棍棒がバチバチしている、これでいいのかな?

イメージが消えたから出来たっぽい。


また振りかぶりパンチする。

ミトンのポンポンが揺れた。

うん、当てなきゃわかんないや。



次もダメそうだけど耐えるもやる。

ボクサーが防御してるようなイメージだ、すぐできた。

うん、知ってた。

攻撃されなきゃわかんないよね。



次は流石にわかると思う、走るだ。

部屋の壁に手をついて反対側に走る、反対の壁に手をついて戻ってくる。

何往復か走ってみた。


スキルを使わなくても体力を消耗したけど、今の速さを覚えなきゃだから仕方ない。

走ってるイメージだ、そのままだ。

すぐに発動する。


さっきのように走ってみる。

「うわっ!」

あきらかに速い、このやり方じゃダメだ。

距離が近すぎるので、壁タッチを辞めて部屋をぐるぐる回る。


サラマンダーより、ずっとはやい!


と思っていたら失速した。

持続時間は10秒くらいかな?

多分敵に切り込む時に使うスキルっぽいけど、逃げるのにすごく使えそう。


いったん隅に座って水を飲む。

多分強撃と耐えるも10秒くらいだと思う。

効果時間が10秒なのか猶予時間が10秒なのか、そんな感じだろう。


休み休みじゃないとスキルを使えないのがもどかしい…



水を飲みながら休憩していると、通路からペタペタと音がする。

またゴブリンかな?

入り口から通路を覗くと、ゴブリンがフラフラと歩いていた。


私には気づいていない。

あっちに行ったりこっちに行ったり、それこそ当ても無くって感じだ。

あ、こっちに来た。


この距離なら流石に気づかれちゃうよね。

と思ったけど、フラフラと戻ってしまう。

何で気づかないんだろう?


部屋から少し出てみると、後ろを向いていたゴブリンが急にこっちに向かってきた。

えー、後ろ向いてたじゃん!?

隅に戻りバットを取ってくる、入り口からゴブリンを見るとまたフラフラしていた。

あれ、さっき気づいたんじゃ?


もう一度通路に出るとゴブリンが向かってくる。

そのまま後ずさりし、部屋に入ったところでゴブリンはまたフラフラしだした。

部屋の中に居たら気づかれないんだ。

セーフゾーンってやつかな?


こうなると部屋の中から攻撃出来るのか気になっちゃう。

ポーチから石を取り出して投げてみる。


自分の石で爆ぜろっ!


それっ!当たらなかった

もういっちょ!はずれ

ていっ!スカ

とりゃっ!MISS


全部外してしまった。

通路には石が4つ転がっている。

今度物を投げる練習もしておかなきゃ…


仕方ないので魔法を使おう。

今ならイメージを挟まなくてもすぐ出せる。

ゴブリンに向かって火の玉を打ち出そうとすると、スコープを覗いたようなマークがついた。

ターゲットマークだ、これならノーコンでも安心!


えぃっ!と火の玉を打ち出す。

火の玉がゴブリンに向かって飛んでいき命中する。

〈ポンッ〉

通路に石が増えた。

こっちからは攻撃できるらしい、ちょっとずるい気もするけど遠距離攻撃じゃなきゃダメだしこのくらいは良いよね。



通路に出て石を回収する。

最後の石を回収し終わった時に、天井からポトリと何かが落ちてきた。


落ちた方を見ると何やら球体が落ちていた。

どこかで見た事のある玉な気がするが、いまいち思い出せない。


しばらくすると玉からすごい勢いで煙が出始める。

そうか煙玉だ、サイズ感が違い過ぎてわからなかった。

煙の量もすごいオモチャとは火力が違う、これはきっと業務用なのかな?


煙が消えるとゴブリンが歩いてくる。

おぉー、ダンジョンってこうやってモンスターを出すのか!

ちょっとテンションが上がったが、冷静にゴブリンを小突いて倒す。


また石ゲットだぜ!

でも今度のは石じゃなかった、いや石だけど石じゃなかった。

【ゴブリンの魔玉】


いつもの石はピンポン玉くらいだったけど、これはビー玉サイズって感じ。

きっと当たりのドロップアイテムに違いない!

とりあえず部屋に戻りバットを立てかける。


しげしげと眺めるとほんとにビー玉みたいだ。

石と違ってまん丸になっている、だから名前が玉なのか。


探検箱を出してポーチの石を全部入れ、魔玉はポーチに入れる。

ほんとは魔玉を箱に入れたいところだけど、1種類しか入らないからしょうがない。

予期せぬ戦闘もあったけど、さっき走った疲れはもう大丈夫そうだし練習を再開しよう。



今度は家政魔法だ。

家政ってくらいだから家政婦さんとかメイドさんかな?

箒を持ったメイドさんのイメージができる。

今度はそれから他のイメージが生えてくる。


マッチに火が付いているイメージ

コップに水を注いでいるイメージ

洗濯物を乾かしているイメージ

小さいスコップと軍手のイメージ


4つ出てきた。

全部何となくわかる気がする。


イメージして指先に火をつける。

攻撃魔法と違って本物の火だ、ちゃんと熱を感じる。


1cm~5cm位に火力調整も出来るみたいだ。

両手を重ねて銃みたいな形にして壁に向けた。


「ばきゅーん!」


冗談のつもりだったけど火が飛んで行く。

3mほど先の床に落ちて消える。


これ人に向けてやっちゃダメなやつだ…

ちゃんと火種として安全に使おう。


この感じだと次のは水が出せるんだと思う。

どのくらい出るかわからないけど、ここを水浸しにする訳にはいかないよね。

丁度、土いじりみたいなのもあるし一旦外に行こう。



リュックを背負いバットを持って探検脱出で壁を出す。

そのまま外に出ようとしたら壁にぶつかる。

ぶつかったけど痛くは無い、黒い壁が膜を張った水みたいにビョ~ンとうねっている。

よく見ると壁が鈍く光っていた。


そっか、きっと入り口に誰か居るんだ!

私が朝ダンジョンに来た時に光ってたのはこれだったんだ。


ジョンさんのパーティの探検者さんが出てきた時キョロキョロしてたのは、出れなかったのに人が居なかったからだ。

入り口に居た探検者さんが私に注意したのも、私があそこに居たらみんなが入り口を使えなくなっちゃうからだったんだ。

すごい、ダンジョンって良く出来てる。



しばらく黒い壁に触ってポニョポニョを楽しんでいたら光が収まって手がすり抜けた。

今度こそ外に出る。


空を見るとちょうどお昼くらいだ。

探検者さんはやっぱり木のそばに立っていた。


まずは切り株へ向かう、切り株に座りダンジョンよりさらに奥の森を見る。

朝から気づいていたが、ダンジョンの奥にも道が続いているのだ。

あっちに行けば練習にちょうど良い場所があるかもしれない。


立ち上がり奥へ進む。

たいして進むことなく湖に出た。

この道はもともと湖に行くための道で、その途中にダンジョンが生えちゃったのかも。


岸辺を歩くと焚き火の跡があった。

どこかのパーティがここで休憩していたようだ。

ここでいいかな。

椅子にしたであろう丸太にバットを立てかけた。



家政魔法をイメージする。

さっきは水差しのイメージだったのに、シャワーヘッドみたいになっていた。

まぁ、やってみよう。


腕を伸ばして発動する。

やっぱり指先から水が出てきた、5本の指全部から出てきてちょっと気持ち悪い。

人差し指以外を閉じると1本になった。


さらには手の平からや両手からも出せた。

手の平に水を出して飲んでみたらちゃんと飲める。

細くしたり太くしたり、霧状やシャワーなど色々できた。


火の時のように撃つのを試すと、水の玉が飛ぶ。

湖に向かってパシュパシュ撃ち込む。

面白い!

ただ、残念ながら空中から水を出す事は出来なかった。


次は洗濯物を干しているイメージだったのにドライヤーになっていた。

私のイメージ力が進化しているのかもしれない。

手から風が出る、自分の意思で強弱も変えられる。

冷風や熱風とまではいかないが、涼しい風と温かい風くらいなら温度調整が出来た。


次もそうだ、スコップと軍手だったのがお花や野菜のイメージになってる。

適当な草に使ってみる。

ちょっと伸びた…気がする。

後は、土を盛り上げたりへこませたりも出来るようだ。

家庭菜園とかお花を育てたり出来るのかもしれない。

種や苗などがあればもうちょっと試せたかもしれないけど、こんなものかな。


検証も終わったし戻ることにする。

バットを持ってダンジョンの前まで行くと、冒険者さんが誰かと話していた。

また誰かの事を注意したのかな?

そのままダンジョンに入った。



よし、今度こそ奥に進むぞ!

マップを見ながらダンジョンを歩く。


迷路みたいな構造なので行き止まり等もあって時間がかかる。

途中で何匹かゴブリンを倒したが、他のモンスターは見ていない。

そういえば人も見ていない。


そこでまた入り口を見つけた。

中を覗くと奥に扉がある、ついにゴールかも!

途中で何個か四角い部屋はあったけど扉を見たのは初めてだ。

構造は他の部屋と一緒で四角かった。


ミトンを外し指を咥えて、チューチューと水を飲む。

途中で水袋を出すのがめんどくさくて試したやつだ。


最初は水量の調整を失敗して通路の床を濡らしてしまったが、許してほしい。

きっとダンジョンの不思議パワーで何とかなるはずだ。

だって今まで歩いてきてダンジョンに何かが落ちているのを見なかった。


水じゃなくても誰かの忘れ物とか、食べかすとかが落ちていてもおかしくないのに。

武器による傷なんかもない、もちろん壁にも。

だからきっと大丈夫なはずだ、うん。



一応この部屋も移動できるか試してみる。

ちゃんと黒い壁が出た、壁に触れるとマップが表示されチカチカ光っている。


3個目の部屋で試したときに気づいた事だけど、マップと連動して行く所を決めれる機能だ。

そのままマップも見ると、この先にもちょうど1部屋分の隙間があってそれ以外は道でふさがっているのがわかる。


確認も出来たので黒い壁を消す。

水袋にはまだ水が入っているが、それは指から水を飲んでいたからだ。

帰ろうか迷っていたところだったし、ゴール出来るならゴールしてから帰ろう。



扉に触れるとゆっくりと扉が開く、中を覗くが何もなかった。

おそるおそる中に入ると扉が閉まる。

しばらくすると天井から何かがポトリと降ってきた。

きっと煙玉だ、落ちた所から煙が上がりはじめる。

煙が消えると木の剣と木の盾を持ったゴブリンが居た。


【ゴブリンファイター】


ゴブリンファイターらしい、ゴブリンさんが戦士のジョブを得たのかな?

相変わらず見た目は可愛いし武器も木製だ、あんまり強そうに見えない。


なんて思ってるとゴブリンが走ってきた。

え、走るの!?

剣を振ってきたので慌ててバットで受ける。


カコーンと木と木のぶつかる音が響く。

打ち合った後のゴブリンはヨタヨタしていた。

今のうちに少し離れて様子を伺う。


体制を立て直したゴブリンが今度は歩いてくる。

いつものゴブリンだ。

今度は油断せずにバットを握って待ち構えて、スイング!

ゴブリンは一応木の盾で受けたようだが、ゴンッって音とともに後ろに吹っ飛んだ。


そう吹っ飛んだのだ、私のバットで飛ぶほど軽いとかそういう事じゃなくて、ポンッってならずに生き残った。

道中のゴブリンだって、外に居た歩く木の枝だって触れた瞬間ポンッだったのに。

もしかして強いのかな…


油断せず構えていると、またゴブリンが走ってきた。

また木の剣を振ってきたのでさっきと同じようにバットで弾く。

体制を崩してヨタついているところにバットを縦に振り下ろす。

今度は盾じゃなくて頭に当たる、するとゴブリンはポンッと煙になった。


勢いそのままに地面をガツンッと殴ってしまった。

手がジンジンする…痛い。

煙が消えると何かが残る。


【ゴブリンの木剣】


ゴブリンが使ってた木の剣かな?

拾ってみると30~40cm位でオモチャみたいだ。

そのまま腰に挿してみた、こんなのでも腰に挿してるとなんか強くなった気がする。



【リリィ・S・ホワイト】〈人族〉

【14歳】

【魔女見習いLv1】[探検者Lv1][戦士Lv1][拳闘士Lv1][魔法使いLv1]

魔女の外套、魔女の服、魔女の靴、魔女の手袋、魔女の鞄、革の小袋、木の棍棒


◆魔女見習い

・能力ボーナス〈器用小上昇〉〈知力小上昇〉〈精神小上昇〉

・スキル〈初級毒生成〉〈初級薬生成〉〈初級攻撃魔法〉〈初級弱化魔法〉〈初級回復魔法〉〈初級強化魔法〉


◆探検者

・能力ボーナス〈筋力上昇〉〈体力上昇〉〈素早さ上昇〉

・スキル〈探検地図〉〈探検移動〉〈探検脱出〉〈探検箱〉


◆戦士

・能力ボーナス〈筋力微上昇〉〈体力微上昇〉〈素早さ微上昇〉

・スキル〈強撃〉〈耐える〉〈走る〉


◆拳闘士

・能力ボーナス〈筋力上昇〉〈体力上昇〉〈素早さ上昇〉

・スキル〈強撃〉〈耐える〉〈走る〉


◆魔法使い

・能力ボーナス〈知力上昇〉〈知力微上昇〉

・スキル〈初級攻撃魔法〉〈初級家政魔法〉


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